107コンサートギャラリーチケット発売情報News & TopicsNew Release Selection新譜情報TV&FMBooks海外公演情報今月の注目公演公演情報ぶらPAL年、梅若丸を、母親が狂乱しながら探し歩く、いわゆる“狂女物”。ブリテンはそれをキリスト教世界に翻案、中世イギリスに舞台を移し、教会で修道士たちが、子どもを失った女についての物語を演じる劇中劇にした。今回は「よこすか能」と「オペラ宅配便シリーズ」それぞれで、実績を重ねてきた観世喜正と彌勒忠史が演出。オペラハウス様式の大劇場のステージ上にしつらえた能舞台で、数百本のろうそくに照らし出された幻想的な能を観たあと、同じ舞台でオペラを観るという、多面的な文化体験になる。『隅田川』では観世喜正、観世和歌ら名能役者が出演。オペラもブリテンの第一人者鈴木准をはじめ、与那城敬、坂下忠弘ら一線で活躍する男性歌手たちが揃う。鈴木優人の指揮とオルガン、そして上野星矢(フルート)らによる「カーリュー・リヴァー オーケストラ」の演奏と、充実の布陣で臨む。横須賀芸術劇場https://www.yokosuka-arts.or.jp■オーケストラ・アンサンブル金沢が 2020-21シーズン・プログラムを発表 オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)は3月21日、2020-21シーズンの定期公演ラインナップを発表した。テーマは「ベートーヴェンとモーツァルト」。今年生誕250年のベートーヴェン、そして同楽団創設以来、主要なレパートリーとしてきたモーツァルトを軸にしたラインナップだ。芸術監督に就任して3シーズン目となるマルク・ミンコフスキが、自身初となるベートーヴェンの交響曲全曲演奏に取り組む。一方、OEKプリンシパル・ゲストコンダクターのユベール・スダーン、同パーマネント・ゲストコンダクターの川瀬賢太郎、そしてその他の客演指揮者陣はモーツァルトおよび関連作品をプログラムの中心に据えている。 シーズン幕開けの9月公演はテーマの象徴とも言える演奏会だ。スダーンの指揮、ソリストに北村朋幹を迎えベートーヴェンの「皇帝」、メインはモーツァルトの交響曲第39番。スダーンは21年4月に、人気若手ピアニスト藤田真央とも共演する。ミンコフスキによる交響曲ツィクルスは4回の公演で、「4番&7番」「2番&8番&3番」「6番&5番」「1番&9番」という、いずれも魅力的な組み合わせとなっている。また室内オーケストラの特徴を生かし、巨匠ユーリ・バシュメットのほか、鈴木優人、三浦文彰ら若手が弾き振りをする公演も注目。他にも、ミンコフスキ推薦のジャン=クロード・カサドシュ、アルバン・ベルク四重奏団の創設者ギュンター・ピヒラーらベテラン指揮者も興味深いプ■フェスタサマーミューザKAWASAKI 2020ラインナップ発表 首都圏のオーケストラがミューザ川崎シンフォニーホールに集結、大規模な競演を繰り広げて、すっかり真夏の風物詩として定着した「フェスタサマーミューザKAWASAKI」。今年も7月23日から8月10日までの全19公演で開催される(2公演は新百合ヶ丘のテアトロ・ジーリオ・ショウワ)。初登場の群馬交響楽団による「第九」など生誕250年のベートーヴェンの作品が取り上げられるほか、現代作曲家から注目のアーティストによる公演まで、多彩なラインナップとなった。ホスト・オーケストラを務める東響はジョナサン・ノット指揮のマーラー交響曲第5番で開幕を告げる(7/23)。続いて広上淳一指揮N響でベートーヴェン交響曲第8番(7/25)、川瀬賢太郎&神奈川フィルは石田泰尚がソロを務めフィリップ・グラスのヴァイオリン協奏曲第1番に挑む(7/28)。読響は下野竜也の指揮、反田恭平、務川慧悟の若手2人とプーランクの2台ピアノのための協奏曲など(7/29)。高関健指揮群響で「第九」(8/1)。東京フィルはバッティストーニがチャイコフスキーの交響曲第5番を(8/2)。久石譲は新日本フィルを振って自作とベートーヴェン交響曲第7番を披露(8/4)。東京シティ・フィルと飯守泰次郎はブルックナーの交響曲第4番(8/7)。梅田俊明指揮日本フィルで古関裕而の「オリンピック・マーチ」(8/8)。フィナーレを飾るのは原田慶太楼指揮東響の「シェエラザード」。ほかに「出張ミューザ@しんゆり!」として、神奈川フィルと清水和音、阪田知樹らによる、ベートーヴェンのピアノ協奏曲3曲(8/8)と秋山和慶指揮東響で「田園」「運命」(8/9)。恒例の洗足学園音大のバレエ音楽と舞踏の実演、昭和音大オケによるフランス作品、ジャズ、パイプオルガン、子どものためのコンサートも行われる。フェスタサマーミューザKAWASAKI 2020http://www.kawasaki-sym-hall.jp/festa/■横須賀芸術劇場が能『隅田川』とブリ テンのオペラ《カーリュー・リヴァー》を 連続上演 横須賀芸術劇場は10月18日に、能の名作『隅田川』と20世紀イギリスの大作曲家ブリテンのオペラ《カーリュー・リヴァー》を続けて上演することを発表した。同作は、ブリテンが1956年に来日した折、『隅田川』を観てインスパイアされ誕生、その後の作曲活動の方向性を定めたとされるオペラ。 『隅田川』は、人買い商人に連れていかれた都の少
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