eぶらあぼ 2020.4月号
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196誰もが一度は、そのサウンドと歌声を耳にしたことがあるはず。日本を代表する作・編曲家で、指揮者・音楽プロデューサーでもある渡辺俊幸と、実力派ヴォーカリストの平原綾香。数々のヒット作を生んだ黄金コンビが、オーケストラ・アンサンブル金沢とともに、「Jupiter」(ホルスト)ほかクラシック・カバーや、2011年放送の朝ドラ主題歌「おひさま~大切なあなたへ」など、代表作の数々をたっぷりと披露する。究極かつ多彩な対位法の技巧が凝らされた「フーガの技法」は、大バッハが後世の人々に残した、大いなる“謎掛け”でもある。佳品の秘密と魅力を掘り下げる、シリーズ最終回。オルガンとチェンバロ、2種の楽器で、曲集の抜粋を聴き比べる。同じ鍵盤楽器ながら、発音機構の異なる楽器での弾き分けは「エベレストに挑むよう」と荻野由美子。彼女のレクチャーと演奏、早川幸子と柳澤文子の共演で、“謎解き”に挑む。所沢市は、東京オリンピックでイタリア・チームのホストタウンに。これを記念し、リニューアルしたばかりのアークホールに、ソプラノ嘉目真木子、メゾソプラノ富岡明子、テノール笛田博昭、バリトン黒田博ら、国内外で活躍する8人の名歌手が集結。プッチーニ《トゥーランドット》から〈誰も寝てはならぬ〉、同《蝶々夫人》から〈ある晴れた日に〉など、赤星裕子のピアノを伴い、イタリアの名アリアを歌い尽くす。月の4平原綾香 with 渡辺俊幸 & OEKアントネッロ 第14回定期El Siglo de Oro~スペイン黄金世紀の音楽高橋里奈(ピアノ)瀬㟢明日香(ヴァイオリン)所沢ミューズ・オペラ・ガラ・コンサートオルガン講座「フーガの技法」~謎と魅力~第3回 オルガン&チェンバロ聴き比べ4/11(土)14:00 石川県立音楽堂 コンサートホール4/18(土)14:00 Hakuju Hall4/16(木)19:00 すみだトリフォニーホール(小)4/11(土)14:00 王子ホール4/18(土)15:00 所沢ミューズ アークホール4/17(金)14:00 神奈川県民ホール(小)文:笹田和人渡辺俊幸平原綾香嘉目真木子東京藝大からパリ国立高等音楽院大学院に学び、国際的な活躍を続けるヴァイオリンの瀬㟢明日香。ローマでは、巨匠フェリックス・アーヨの薫陶を受けた。「フランスとイタリアへの想いを込めた」というリサイタルは、イタリア人ピアニスト、マルコ・グリサンティとの共演。エネスコの第3番やタルティーニ、メンデルスゾーン、イザイの無伴奏第3番と、4つのソナタの佳品を軸に、大作曲家が2つの国で書いた作品を。©Studio MaaR彼女が紡ぐ音色を、人は「天界からの響き」と称賛する。イタリアと日本を拠点に活躍する、国際派ピアニストの高橋里奈。10代で渡独し、国立ベルリン芸大で名匠ライナー・ベッカーに学んだ。今回は、「Piano × Fantasy」をテーマに。ムソルグスキー「展覧会の絵」やショパン「ソナタ第3番」をはじめ、モーツァルト「幻想曲ニ短調」、リスト「愛の夢第3番」など多層的な響きの世界を創出する。左より:荻野由美子 ©Y.Yagyu/早川幸子/柳澤文子欧州にありつつ、アラブの影響を受け、独特の異国情緒を纏うスペイン音楽。同国が強大な権威を誇った16~17世紀の「黄金世紀」には、遠く“ジパング”へももたらされていた。そんな“南蛮音楽”を紹介し続けてきた、リコーダー、コルネットの名手・濱田芳通率いる「アントネッロ」が、ついに“源流”へ。ソプラノの中山美紀が歌い紡ぐホセ・マリンの世俗歌曲など、選りすぐりの佳品が、時空を超えて我々の魂を揺らす。濱田芳通中山美紀

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