eぶらあぼ 2020.4月号
171/207

168ンドに、さらにミッシャ・マイスキー(チェロ)も加わる豪華なステージは、大きな話題を呼びそうだ(5/23)。「オーケストラ・コンサート〜巨匠がいざなう未来」では、チョン・ミョンフンの三男で指揮者のチョン・ミンが初登場。アルゲリッチと藤田真央(ピアノ)がソリストとして競演する(5/16)。恒例の「ピノキオコンサート〜未来と出会うために」は、開館30周年を迎えた大分市の平和市民公園能楽堂で開催。アルゲリッチと伊藤がドビュッシーやベートーヴェンのピアノ連弾曲を披露する予定(5/20)。そのほか、教育プログラムも含めさまざまな公演が予定されている。別府アルゲリッチ音楽祭https://www.argerich-mf.jp■加納悦子、佐藤俊介が芸術選奨を受賞 令和元年度(第70回)芸術選奨の受賞者が発表され、音楽部門では、文部科学大臣賞にメゾソプラノの加納悦子と都山流尺八の野村峰山が、文部科学大臣新人賞にヴァイオリンの佐藤俊介がそれぞれ選ばれた。舞踊部門では、バレエダンサーの島添亮子と米沢唯が文部科学大臣賞を、秋元康臣が文部科学大臣新人賞を受賞した。 加納は、オペラ・オラトリオなどの分野で活躍し、日本の主要オーケストラとも数多く共演する一方、ドイツ・リートにおいても優れた実績を挙げており、2019年3月に行ったリサイタル「ドイツ・バロック歌曲」が評価されての受賞となった。 佐藤は、近年ヨーロッパを中心にバロックから現代音楽まで幅広いジャンルで活躍し、現在、オランダ・バッハ協会音楽監督、またコンチェルト・ケルンのコンサートマスターという要職にある。昨年秋に行われた、オランダ・バッハ協会管弦楽団を率いての凱旋公演が高く評価された。文化庁http://www.bunka.go.jp■第68回「尾高賞」に細川俊夫 第68回「尾高賞」の受賞作品が、細川俊夫の「オーケストラのための『渦』」(2019)に決定した。 「尾高賞」は、NHK交響楽団専任指揮者であった故・尾高尚忠が生前に遺した功績を讃え、1952年に同楽団によって制定された作曲賞。邦人作曲家による優れたオーケストラ作品に授与される。受賞作は、オーケストラが響きの渦を形成しながら展開していく作品で、サントリーホール、ソチ冬の芸術祭、エッセン・フィルハーモニーによる共同委嘱。昨年11月にサントリーホールで初演された。 細川は、55年広島生まれ。日本を代表する作曲家として国際的に高い評価を得ており、2012年には紫綬褒章受章、13年には英国作曲家賞を受賞した。細川は「重要なオペラの仕事が続き、重いテーマと向き合ったため精神的に消耗し、半年休みを取った後に作曲した最初の大きな作品。自分自身の自己回復への願いと祈りを込めました。このような賞をいただき、大きな喜びです」とコメントを寄せた。 第68回「尾高賞」の贈呈式と受賞作品の演奏は、5月4日に東京オペラシティ コンサートホールで開催される「Music Tomorrow 2020」(ロバート・スパーノ指揮 NHK交響楽団)で行われる。NHK交響楽団https://www.nhkso.or.jp■大西宇たかおき宙と小林道夫が第30回 日本 製鉄音楽賞を受賞 第30回 日本製鉄音楽賞(旧・新日鉄住金音楽賞)の受賞者が発表され、フレッシュアーティスト賞に大加納悦子佐藤俊介 ©Marco Borggreve細川俊夫 ©Kazu Ishikawa大西宇宙 ©Dario Acosta小林道夫

元のページ  ../index.html#171

このブックを見る