eぶらあぼ 2020.4月号
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167コンサートギャラリーチケット発売情報News & TopicsNew Release Selection新譜情報TV&FMBooks海外公演情報今月の注目公演公演情報ぶらPAL■横浜みなとみらいホールが2020年度 ラインナップと新館長就任を発表 横浜みなとみらいホールは、2月19日に記者懇談会を開き、2020年度主要公演ラインナップと併せて、この4月1日からの新井鷗子の館長就任を発表した。西澤洋(横浜みなとみらいホール総支配人)、佐々木真二(同チーフプロデューサー)、池辺晋一郎(同館長)、新井らが登壇。現・館長の池辺のあいさつの後に新井が紹介された。東京藝術大学楽理科及び作曲科で学んだ新井は、『題名のない音楽会』『読響シンフォニック・ライブ』などテレビ番組のプロデュースで高い評価を受けているが、近年は東京藝大で障がい者を支援するワークショップやデバイスの研究も行っている。また、3年に一度、横浜を舞台に開催される「横浜音祭り」では初回からディレクターを務めた。就任にあたり「大変光栄に感じている。身が引き締まる思い。音祭りや、藝大での活動の経験を活かして取り組みたい。2022年のホールのリニューアルに向けて、色々と考えていきたい。離れた地域の人に向けて、ホールの魅力を隅から隅まで知ってもらうために、“ホール丸ごとバーチャル”企画などをやりたい」と意欲をのぞかせた。 つづいて2020年度のラインナップの説明が行われた。ベートーヴェン生誕250年、東京 2020オリンピック・パラリンピックが行われる今年は、祝祭感が打ち出されたプログラムが特徴。注目される公演としては、若林顕のリスト編曲ピアノ・ソロ版(10/5)、そしてオルケストル=アヴァンギャルドが演奏するピリオド・オーケストラ版(11/10)による「第九」などユニークなベートーヴェン演奏のほか、「Just Composed 2020 Winter in Yokohama〜現代作曲家シリーズ」(12/13)や横浜みなとみらいホールの年末の風物詩「ジルヴェスターコンサート2020」(音楽監督:池辺晋一郎)も開催され、神奈川ゆかりのアーティストが集結しての華々しいステージとなる(12/31)。 すでに報道されている通り、横浜みなとみらいホールは天井の耐震化などを含む改修工事を実施。これに伴い、2021年1月2日から22年10月まで、約1年10ヵ月間、全館休館となる。リニューアル・オープンは2022年11月を予定している。横浜みなとみらいホールhttps://mmh.yafjp.org■第22回 別府アルゲリッチ音楽祭記者 発表会 5月9日から28日まで、大分県の別府・大分両市で開催される「第22回 別府アルゲリッチ音楽祭」(総監督:マルタ・アルゲリッチ)の記者発表会が2月18日、都内で行われ、ピアニストで同音楽祭総合プロデューサーの伊藤京子らが出席した。 音楽祭の今年のテーマは「音楽とSDGs 〜未来と出会うために」。SDGs(エスディージーズ)とは、2015年に国連サミットで採択された「持続可能な17の開発目標」のことだが、それらの理念は、子どもたちのための教育プログラムでもあるピノキオコンサートの開催など、音楽祭が従来から取り組んできたことにも繋がると伊藤は語る。 「音楽祭を通して、芸術の本質や役割を非常に考えるようになりました。SDGsの目標が達成されるには“人”というものがたいへん重要だと思っています。芸術の目に見えない価値が人を作っていくのです。そのことが18番目の開発目標に掲げられるような活動になればいい。音楽を聴けるような豊かで平穏な社会であるように、という願いをこめてテーマを設定しました」 音楽祭の中核をなすのは世界のトップ・アーティストによるシリーズ。「ベスト・オブ・ベストシリーズVol.8 室内楽コンサート〜アルゲリッチ、キョンファと奏でる」では、アルゲリッチ(ピアノ)とチョン・キョンファ(ヴァイオリン)が初共演を果たす。二人のレジェ左:池辺晋一郎 右:新井鷗子©平舘 平 写真提供:横浜みなとみらいホール伊藤京子 Photo:I.Sugimura/Tokyo MDE

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