74ジョヴァンニ・ソッリマ 無伴奏チェロ・リサイタル & 特別公演一流奏者も絶賛する鬼才チェリストが待望の再来日文:オヤマダアツシジョヴァンニ・ソッリマ 無伴奏チェロ・リサイタル5/9(土)14:00 兵庫県立芸術文化センター(小)(完売)5/10(日)15:00 大阪/ザ・フェニックスホール(06-6363-7999)5/13(水)19:00 神奈川/フィリアホール(045-982-9999)5/16(土)15:00 埼玉/所沢市民文化センター ミューズ マーキーホール(04-2998-7777)5/17(日)16:00 東京/三鷹市芸術文化センター 風のホール(0422-47-5122)ジョヴァンニ・ソッリマ特別公演「地球の躍動」5/11(月)19:00 すみだトリフォニーホール問 プランクトン03-3498-2881 http://plankton.co.jp/sollima/※公演によりプログラムは異なります。詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。 ヨーヨー・マやマリオ・ブルネロをはじめとする一流チェリストたちが限りないリスペクトを捧げ、昨年の夏には東京でのコンサートで、ようやく飛びきりの音楽性を有した演奏家としての真価を披露してくれたシチリア島(イタリア)出身のチェリスト・作曲家、ジョヴァンニ・ソッリマ。その演奏に接した方は「こんなチェリストが、こんな音楽家がいたのか!」という発見の喜びと驚きに満ちた時間を過ごしたことだろう。そして今年5月、彼は再び来日し、今度は東京のみならず首都圏および関西圏において、その驚くべき個性的な演奏を披露するのだ。バッハや自身の作品など多彩な無伴奏プログラム まず注目すべきは、ソッリマという一人の音楽家のエッセンスが凝縮された、無伴奏チェロ・リサイタル(首都圏・関西圏で計5ヵ所を予定)。J.S.バッハの「無伴奏チェロ組曲」はマストアイテムとして、クラシックから民俗音楽まであらゆる音楽的エッセンスと躍動感を詰め込み、森羅万象を一台のチェロで描いていくようなソッリマの自作「ナチュラル・ソングブック」からのセレクションも聴ける。古楽を含むクラシカルなチェリストのリサイタルと比較して、明らかに「一台のチェロ」の可能性を深掘りする内容であり、客席にいる皆様には驚きという名の付加価値を伴って新しいチェロの世界を体験していただけるだろう。好奇心旺盛なリスナーはもちろん、数多くいるであろうアマチュア・チェロ奏者の皆さんに「ひとつのチェロからこんな音色が生まれ、あらゆる音楽が演奏できるのか」と驚いていただきたいコンサートだ。チェロと三味線による壮大なコンチェルト さらに注目すべきコンサートもある。チェリスト同様、作曲家としても欧米では評価が定着しているソッリマだが、いわゆる現代音楽シーンでも知られていた三味線奏者である西潟昭子の委嘱により、2005年に完成・初演した協奏曲「Theory of the Earth(地球の理論)」の本邦再演だ。多くの作曲家たちが試みた東西文化の融合および対峙をテーマに、日本とシチリアにある火山(富士山、エトナ火山)をモティーフとしたこの作品は、まさに地球の胎動およびそこから生まれるエネルギーを描ききった意欲作。マルチに活躍する若き三味線奏者、野澤徹也をソリストに迎え、もちろんソッリマ自身もチェロと共にステージへ。コンサートの前半にはソッリマのソロによる無伴奏プログラム(自作、J.S.バッハ、ボッケリーニからロックや民俗音楽まで多彩!)も組まれ、無伴奏リサイタル・ツアーの雰囲気を味わえるのもうれしい。 単にコンサートを聴きに行くというより、ステージ上のソッリマという音楽家とコンタクトをとり、音楽のエネルギーに感化されるといった稀有な体験ができるチャンス。今回の来日公演でソッリマに初めて出会えた人は、やはりこう思うはずだ。「こんなチェリストが、こんな音楽家がいたのか!」と。だからこそ、体験済みのあなたは周囲の友人・知人・家族も、ぜひこの世界へと誘い込んでほしい。 野澤徹也ジョヴァンニ・ソッリマ ©石田昌隆
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