eぶらあぼ 2020.3月号
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63トリオ・リベルタ in Bunkyo結成20年の猛者たちが夏を熱くする文:オヤマダアツシ7/12(日)15:00 文京シビックホール問 シビックチケット03-5803-1111 https://www.b-academy.jp トリオ・リベルタというグループ名を目にして、アストル・ピアソラの名曲「リベルタンゴ」を思い出していただけると手っ取り早い。今年で結成20年。アグレッシヴ&官能美あふれるこのトリオは、ピアソラのナンバーを軸に演奏するアンサンブルとして2000年に結成されているからだ。 神奈川フィルのソロ・コンサートマスターや、自身の弦楽アンサンブル「石田組」等の多彩な活動がアツい石田泰尚、優れたアンサンブル・ピアニストでありながら心惹かれる声でヴォーカリストも務める中岡太志、クラシックを軸にさまざまなジャンルの音楽へと命を吹き込むサクソフォンの松原孝政。この3人が20年間で構築してきたレパートリーは、タンゴのみでも70曲に迫り(うちピアソラが半分以上を占める!)、ジャズ、ワールド・ミュージック、クラシック、映画音楽など実に多種多様。彼らの演奏に火を付けるような夏が到来する7月12日、東京・文京シビックホールで行われるライヴは、その中からエッセンスをギュッと絞ってさらに濃厚な味わいに仕上げたようなコンサートだ。 予定されている曲はモーツァルト、ラフマニノフ、ガーシュウィン、ピアソラ、映画『ピンク・パンサー』のテーマ、ラテンやタンゴの名曲など。演奏を聴きながら心と身体が気分よく揺れるのは間違いなく、結成20周年をみんなで祝う日曜の午後になるだろう。左より:中岡太志、松原孝政、石田泰尚第5回スタインウェイ・コンクール in Japan ̶本選̶テクニックだけではない、人前で演奏する“楽しさ”を感じるコンクール文:飯田有抄3/29(日)11:00 イイノホール問 スタインウェイ・ジャパン03-5251-6553 https://www.steinway.co.jp 第5回「スタインウェイ・コンクール in Japan」の本選が、イイノホールでいよいよ開催される。このコンクールは、世界中の音楽家たちから愛され続けるスタインウェイ&サンズのピアノに若い頃から親しみ、聴き手を前に演奏する楽しさを知ってもらおうと、4~16歳の子どもたちを対象に行われている。いわゆる「才能発掘型」のコンクールとは一線を画し、子どもたちの音楽性が伸び伸びと育まれる場として、2年に1度開催されている。 昨年10月半ばより全国9会場で行われた地区審査会の通過者29名が、晴れて3月29日の本選で演奏する。審査員を務めるのは、青柳晋、田部京子、若林顕という第一線で活躍中のピアニストたちだ。トップに輝く優勝者1名は、同コンクールの世界中の優勝者たちとともに、ドイツのハンブルクで開催される音楽祭「International Steinway Festival」出演の切符を手にする。2000人の聴衆を前にしたガラコンサートで演奏できるだけでなく、各国からの参加者たちとの交流を楽しみながら、ハンブルクの街やスタインウェイの工場を訪問する予定だ。 日本の子どもたちは、本選でどんな演奏を披露してくれるのだろうか。客席からエールを送りつつ、みずみずしいタッチが織りなす一流ブランドピアノの響きにも注目したい。年齢カテゴリーごとに客席が選ぶ「聴衆賞」も設けられているので、聴き手も参加意識を持ちながら、若くフレッシュな演奏を楽しもう。前回の本選出場者

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