eぶらあぼ 2020.3月号
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62金管五重奏MIYABI 3/30(月)19:00 フィリアホール問 オフィス諷雅 support@officefuga.jp https://www.officefuga.jp  フィリアホールチケットセンター045-982-9999 「金5」ことブラス・クインテットの世界に、かぐわしい風が吹く。 この春、国内の女性トップ奏者によるドリーム・クインテットがデビューを果たす。その名もMIYABI! トランペットは東京シティ・フィル首席の松木亜希と藝大フィルハーモニア管の星野朱音。ホルンは神奈川フィル首席の豊田実加。トロンボーンは東京フィル副首席の辻姫子。テューバは音楽祭やオーケストラの経験も豊富な福本恵子。メカニックもテクニックも素晴らしいブラスの才媛が勢ぞろいした。華やかで雅! な顔ぶれだ。日本語のニュアンスを生かしたネーミング 松木「去年(2019年)の夏頃、新たな活動を始めた音楽マネージャーさんから、ブラス・クインテットを作りませんかとお声がけをいただきました。最初は『FIVE Rings』という名前も候補にあったのですが、日本語のニュアンスを生かしたいということで『MIYABI』に。 いろいろなところで出会っている私たちですが、5人が一緒に演奏するのは初めてです。初めてですが、私たちは音からお互いの気持ちを感じることができます。素敵な機会をいただきました。オープンな気持ちで臨みたいです」 ヘンデル「王宮の花火の音楽」(抜粋)、ビゼーのオペラに基づく「カルメン幻想曲」、ヒンデミットの「オルガン・ソナタ第2番」(金管五重奏版)、それにウルグアイ出身のトロンボーン奏者でジャーマン・ブラスなどでも活躍したエンリケ・クレスポの「アメリカ組曲第1番」他がMIYABIの晴れ舞台を彩る。女子会さながら、ヒンデミットの話題で賑やかに盛り上がる 豊田「ヒンデミット、いいですよね。オーケストラで演奏しますしソナタもありますから、なじみがあります。今度の曲(オルガン・ソナタの編曲)は初めてですが、音の土台や流れが、ああヒンデミットだ、という感じ。ホルンは旋律、内声、低音担当。あれ? 全部ですか(笑)」 星野「トランペット・ソナタが好きだったので、このメンバーでヒンデミットができるのはとても嬉しい。トランペットのパートは、すごいことになっています。ドラマティックですよ(笑)」 松木「オルガン曲ですからね。金管五重奏版もオルガンの弾き方を生かした素晴らしいアレンジですが、MIYABIヴァージョンでの演奏を楽しみになさってください! オルガンの右手パートが、どんなふうに2本のトランペットに移されたか、注目してくださいね」 辻「トロンボーン奏者にとってもヒンデミットは魅力的な作曲家です。音のつながり、組み立て方、ハーモニー。オーケストラで感じるのですが、ローブラス(トロンボーン、テューバ)を生かしてくれるところもあり、最高です。ええ、理論的でとても難しいけれど、プレイヤー冥利に尽きます。ブラス・クインテットで、また新しい音を創ることができるなんて幸せです。このジャンル(のプレイヤーやファン)が広がっていきますように」 福本「テューバもいいですよ。オルガン的な重厚さもあるヒンデミットを通じて『金5って、こんなこともできるんですよ』ということを、ブラスをやっているたくさんの若い人に伝えたいです。教えに行くと、中高生の女子がたくさんいますからね。みんな、生の演奏を聴きに来て。私、クレスポの『アメリカーナ(組曲)』も楽しみなのです。クールでジャズ的なところなど最高ですよね」 松木「エンリケ・クレスポ! 個人的に思い入れがあります。金管五重奏では、エヴァルトやアーノルドの名曲とともに知られています。これもぜひ!」 フライヤー(チラシ)に記載された4曲の「他」も楽しみだ 豊田「ヘビーなプログラムなので、もう少し軽い小品を入れる? と相談中です」 王道を行く初舞台に喝采を。左より:豊田実加、松木亜希、福本恵子、星野朱音、辻 姫子MIYABI(金管五重奏団)若き女性奏者5人による麗しき金管アンサンブル、颯爽と登場!取材・文:奥田佳道Interview

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