eぶらあぼ 2020.3月号
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44「いしかわ・金沢 風と緑の楽都音楽祭」は、2017年にスタート。今年は4月28日から5月5日の8日間、石川県立音楽堂を主会場として開催される。ほとんどのステージが、“聴きどころ”を凝縮した、通常の演奏会の約半分にあたる50分前後に設定。愛好家はもちろん、初心者でも気軽に楽しめる音楽祭だ。 5月2日までのプレイベント期間には、オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)や地元の音楽団体のステージのほか、ダウン症を乗り越えて、第一線の書家として活躍する金澤翔子による、ヴァイオリン演奏とのコラボレーション[公演番号:AK1]など多彩かつ注目度の高い公演を開催。そして、5月3日からの本公演期間中には、35のステージ(有料公演)が予定されている。 当音楽祭の魅力の一つは、国際的に活躍する精鋭楽団と世界的マエストロとの、初共演を含めた組み合わせだ。今年の最注目は、“新たなるドゥダメル”と世界中から注目を浴びる、1996年生まれの新鋭マエストロ、ベネズエラ出身のエンルイス・モンテス・オリバー。ベトナム国立交響楽団と鬼才ピアニスト・山下洋輔の共演を得て、ガーシュウィン「ラプソディ・イン・ブルー」ほか、アメリカの名曲を披露する[C12]。 イタリアの名門トスカニーニ・フィルハーモニー管弦楽団は、ドイツ出身の名匠ミヒャエル・バルケを指揮台に迎えて、ベートーヴェンの交響曲第5番「運命」[C11]や、イタリア・オペラの名旋律[C13]、ブラームスの交響曲第1番[C24]など多彩に。広上淳一でラヴェル「ボレロ」[C22]、沼尻竜典でイタリア・オペラ序曲集[C31]と、日本のマエストロとの共演もある。 そして、古都にふさわしく、「邦楽新時代」も柱に。宮内庁式部職楽部の名手らによって組織され、雅楽の伝統を今に伝える東京楽所が音楽祭へ初登場し、管絃演奏や舞楽を披露する[H11]。また、ダ世界のアーティストが北陸に集う! ガルガンチュアゴールデン・ウィークの古都が、麗しき調べで輝きを増す。「いしかわ・金沢 風と緑の楽都音楽祭2020」は五輪イヤーにちなみ、「世界の音楽、広がる和」がテーマ。世界五大陸から集った名手たちが、数々の傑作で“競演”する。 文:寺西 肇押さえておきたい今年の注目公演!

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