eぶらあぼ 2020.3月号
169/205

166事業の記者会見を開催、黒岩佑治(神奈川県知事)、川瀬賢太郎(神奈川フィル常任指揮者)、上野孝(同理事長)らが出席した。 「地域に密着した音楽文化創造を使命に」を活動の理念に掲げる神奈川フィルは、これまでの同楽団への応援に対する感謝の気持ちを込めて「祝賀演奏会」と神奈川県内の10ヵ所をめぐる「巡回主催公演 神奈川フィル・フューチャー・コンサート」を実施する。  巡回主催公演は、川瀬と名誉指揮者の現田茂夫がタクトをとり、20年5月から21年3月までの間に10回開催される。「地元ゆかりの演奏家との共演」を企画の中心に据え、シリーズ初回に当たる5月9日の海老名公演では、同市出身・在住のバリトン歌手、川田直輝と、海老名市民オペラ合唱団らが、6月20日の横須賀公演では、横須賀芸術劇場少年少女合唱団が出演を予定している。 また、11月21日に横浜みなとみらいホールで開催される祝賀演奏会は、川瀬の指揮によるマーラーの交響曲第8番「千人の交響曲」。オーケストラは100名を超え、合唱は神奈川フィル合唱団に加えて県内で活動する合唱団や一般公募による有志らおよそ300名で構成される。 川瀬は「幼稚園の頃、最初に虜になってしまったのが、モーツァルトでもベートーヴェンでもなくマーラーの8番で、常任指揮者就任当時からやりたいとずっと言い続けてきた曲。50周年という記念の年に長年の夢であったこの曲を演奏できることを幸せに思っている」と、期待感を語った。神奈川フィルハーモニー管弦楽団https://www.kanaphil.or.jp■第18回 齋藤秀雄メモリアル基金賞に 佐藤晴真と鈴木優人 第18回 齋藤秀雄メモリアル基金賞のチェロ部門受賞者に佐藤晴真、指揮部門に鈴木優人が決定した。2月4日、都内で贈賞式が行われた。同賞は、チェリスト・指揮者・教育者であった齋藤秀雄(1902-1974)にちなみ、財団法人ソニー音楽芸術振興会(現・公益財団法人ソニー音楽財団)が2002年に創設。音楽文化に貢献し、将来一層の活躍が期待される若手チェリストと指揮者に贈られる。 佐藤は1988年名古屋市出身。2018年にルトスワスフスキ国際チェロ・コンクールで第1位及び特別賞、19年にはミュンヘン国際音楽コンクールで日本人として初優勝し、国際的に注目を集めた。受賞に当たって佐藤は「いま留学しているベルリンは音楽を勉強するのにうってつけの都市。自分の興味をもっともっと外へ向け、まだ知らない作品や音に出会い、さらなる成長を目指していきたい」と語った。 一方、鈴木は1981年オランダ生まれ。東京藝術大学及び大学院、オランダ・ハーグ王立音楽院修了。指揮者のほか作曲家、鍵盤楽器奏者としての活動、さらにバッハ・コレギウム・ジャパン首席指揮者、読売日本交響楽団 指揮者/クリエイティヴ・パートナー、調布国際音楽祭エクゼクティブ・プロデューサーも務めるなどマルチな活躍ぶりをみせる。鈴木は受賞のスピーチで次のように述べた。 「齋藤先生は自分が生まれる前に亡くなられたので直接指導は受けていないが、先生の教えを受けた数多くの方が世界中で活躍していて、自分は知らず知らずのうちに先生の影響を受けていたんだとわかりました」 授賞式の最後には佐藤のチェロ、鈴木のピアノでベートーヴェンの変奏曲を演奏、貴重な共演となった。ソニー音楽財団https://www.smf.or.jp■KABUKI × OPERA《光の王》記者 発表会 東京2020 NIPPON フェスティバル主催プログラムとして、今年4月18日に開催される公演「KABUKI × OPERA《光の王》」の記者発表会が1左より:佐藤晴真、鈴木優人写真提供:ソニー音楽財団市川海老蔵 Photo:I.Sugimura/Tokyo MDE

元のページ  ../index.html#169

このブックを見る