164年齢を重ねてもますます高まる小林の音楽への情熱が強く感じられ、充実したプロジェクトになりそうだ。ジャパン・アーツ https://www.japanarts.co.jp■調布国際音楽祭 2020記者会見 調布市グリーンホールをメイン会場として、今年6月14日から8日間にわたり開催される調布国際音楽祭の記者会見が開かれ、音楽祭エグゼクティブ・プロデューサーの鈴木優人、アソシエイト・プロデューサーの森下唯らが登壇した。調布国際音楽祭は2013年に調布音楽祭の名称でスタート。昨年の来場者はのべ1万人近くに上っている。 自身も調布市で育った鈴木優人。今年はアニヴァーサリー・イヤーを迎えたベートーヴェンをテーマに据えた。 「ベートーヴェンは音楽家にとって取り組むにも勇気のいる、人間的なメッセージを放っている強烈な音楽の塊。これに取り組むか否かは大きな選択でしたが、正面から挑むことにしました。“調布におけるベートーヴェン元年”とも言うべき年にしたい」 一方、森下はベートーヴェンを取り上げる意図を次のように語る。 「音楽祭は、みんなで集まってどれだけ楽しめるかという部分と、本当に良いものを届けたいという気持ちとのバランスが大事。そういう意味で、ベートーヴェンの音楽における信仰と人間性のはざまにあるバランス感覚というのが、この音楽祭にはマッチしていると思います」 音楽祭は、市内の学生を中心とした吹奏楽や市民合唱団も加わって、鈴木優人がタクトを執るラヴェル「ボ■小林研一郎80歳(傘寿)記念プロジェ クト記者会見 2020年4月9日に80歳を迎える指揮者、小林研一郎。彼の傘寿を記念したプロジェクトシリーズについての記者会見が1月28日、都内で行われた。登壇したのは小林本人と小林音楽研究所代表の櫻子(ようこ)夫人。このシリーズはVOL.1〜3で構成されており、VOL.1はハンガリー放送交響楽団との共演で、すでに昨年9月、名古屋、東京2公演が開催されている。この東京公演には上皇上皇后両陛下がご臨席された。そして、VOL.2は「チャイコフスキー交響曲全曲チクルス&ガラ・コンサート」と銘打たれ、4月7日から12日の間にサントリーホールで5公演が行われるほか、名古屋、大阪でも開催される。チャイコフスキーの交響曲は以前、ロンドン・フィルと全曲をレコーディングしているが、全曲演奏会は初の試みとなる。小林は、「集中的にチャイコフスキーを演奏することで、そのペシミスティックな世界が少しずつわかってくるのではないか。チャイコフスキーの苦しみの大叙事詩というのをお見せできたら、今までとまったく違うチャイコフスキー観が生まれるかもしれない」と述べた。 また、VOL.3は11月に桂冠指揮者を務めるハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団と、全国で19公演が予定され、マーラーの「復活」、ベートーヴェンの交響曲第7番などが演奏される。ベートーヴェンについて小林は「時にベートーヴェンが自分の中に入ってきて『オーケストラやコーラスの心に入っていけ!』と言う声が聞こえ、そこから急に自分が別の体になったように動き始めたことがある」と自身の経験を語る。 櫻子夫人によると、小林は第九を500回以上振っているが、勉強を続けている今も、時に「すごいことを発見してしまった!」と目に涙を浮かべて話すことがあるという。会見は、終始和やかな雰囲気のなかにも、左より:森下 唯、鈴木優人、吉田育子(調布市文化・コミュニティ振興財団常務理事) Photo:I.Sugimura/Tokyo MDEPhoto:M.Suzuki/Tokyo MDE
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