eぶらあぼ 2020.2月号
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635/16(土)14:00 オリンパスホール八王子問 八王子市学園都市文化ふれあい財団042-621-3005 http://www.hachiojibunka.or.jp川瀬賢太郎(指揮) 東京交響楽団 第6回 八王子定期演奏会ワグネリアンが生み出した名曲たち文:長谷川京介 ドビュッシー、デュティユー、ブラームスの作品が並ぶコンサート。副題は「近代のフランス文学と、隠されたワーグナーに寄せる至高のプログラム」。ドビュッシー「牧神の午後への前奏曲」はマラルメの詩に、デュティユー「チェロ協奏曲『遥かなる遠い世界』」はボードレール『悪の華』にインスピレーションを受けた。では、なぜワーグナーなのだろう。川瀬賢太郎いわく、ドビュッシーもボードレールもワグネリアン。ブラームスも実は最高のワーグナー・ファンで、作品にも影響が見られる、とのこと。想像力を刺激される驚きの見解だ。果たして隠されたワーグナーの存在を、川瀬はどう聴かせてくれるだろう。 デュティユーは、色彩感あふれる世界が広がる名曲。「第2回ガスパール・カサド国際チェロ・コンクール in 八王子」第3位入賞の本玲と、八王子高校出身の若手実力指揮者川瀬。縁ある地での共演は楽しみだ。2/6(木)18:30 日経ホール問 日経公演事務局03-5227-4227 http://www.nikkei-hall.com他公演(公開レッスン&コンサート)2/9(日) 京都/サンホール 旭堂楽器店 2F(075-231-0538)第493回日経ミューズサロン エドゥアルト・クンツ ピアノ・リサイタル13ものコンクールを制した鬼才のバリエーション豊かなプログラム文:飯田有抄 極めて集中度の高い演奏で、聴く者を音楽の深みへといざなうピアニスト、エドゥアルト・クンツ。1980年、ロシア出身の彼は、BBCマガジンの「明日の偉大なピアニスト10人」に選ばれ、その抒情的な歌心と深い呼吸感に満ちた演奏によって、ヨーロッパの聴衆を中心に絶大な支持を集めている。 2月の東京でのリサイタルでは、スカルラッティのソナタ、バッハのパルティータ、バッハ=シロティの前奏曲、ベートーヴェンの「ワルトシュタイン」ソナタ、ラフマニノフの「楽興の時」というさまざまな時代様式に基づいたプログラムを披露する。ピアノの持つ可能性を最大限まで引き出すクンツの音楽作りが、存分に発揮されるに違いない。また、京都では一日で合計4時間の公開レッスンに熱意を注ぎ、1時間のコンサートも間に挟む。これまでに13もの国際コンクールで優勝歴を持つクンツの教えは、日本の音楽家たちに大きな気付きと感動を与えてくれることだろう。3/5(木)19:00 王子ホール問 パシフィック・コンサート・マネジメント03-3552-3831 http://www.pacific-concert.co.jp他公演2/20(木) 電気文化会館 ザ・コンサートホール(クラシック名古屋052-678-5310)3/8(日) ザ・フェニックスホール(大阪アーティスト協会06-6135-0503)名古屋ダブルリードアンサンブル スペシャルコンサート2020〈東京公演〉オーボエやバスーンを知り尽くした奏者たちが示す新境地文:笹田和人 ロマンティックに心をとろけさせたかと思えば、時に切なさで胸を締め付け、時にコミカルさで笑顔を誘う。 そんなオーボエ・バスーン(ファゴット)属の多層的な魅力を堪能させてくれるのが、中部地方で活躍する名手9人で構成された「名古屋ダブルリードアンサンブル」。「新たなる境地へ」と銘打ち、2つの委嘱作品の世界初演を交えた、意欲的なラインナップに挑む。 同アンサンブルは、元名古屋フィル首席オーボエ奏者、山本直人が主宰し、2002年に結成。以来、オーボエからコントラバスーンまで、様々な楽器を駆使し、同属楽器ならではの、調和とバランスの取れたサウンドを披露し続けている。 今回は、大澤徹訓「9本のダブルリード楽器のためのバガテル集」と山内雅弘「ダブルリードアンサンブルのための三章」、気鋭の作曲家による新作の世界初演が軸に。そして、「アンケートでリクエストが多かった」というアルフレッド・リード「アルメニアン・ダンス パート2」や、ホルスト「吹奏楽のための第2組曲」を披露する。ドビュッシーとブラームスも、川瀬の深く鋭い指揮が冴えわたるに違いない。左より:川瀬賢太郎 ©Yoshinori Kurosawa/本玲©竹原伸治

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