62パスカル・ヴェロ(指揮) シエナ・ウインド・オーケストラ吹奏楽サウンドの粋を凝縮したロシア・プロ文:オヤマダアツシ第49回 定期演奏会 2/8(土)15:00 文京シビックホール問 シエナ・ウインド・オーケストラ事務局03-3357-4870 https://sienawind.com 1990年の結成であるから今年が活動開始30年。常にハイレベルな演奏とサプライズを含むパフォーマンス、アイディア豊かなコンサート・プログラム等々により、吹奏楽という枠を超えて高い評価を受けてきたシエナ・ウインド・オーケストラ。その本拠地、東京の文京シビックホールにおいて開催される第49回定期演奏会は、日本国内のオーケストラで数多くのコンサートを指揮してきたパスカル・ヴェロが登場。ロシアの音楽をテーマとして、色彩的なスコアリングによる4つの作品が演奏される。 プログラムのメインとなるのは、プロコフィエフの「ロメオとジュリエット」(上埜孝編、抜粋)。原曲もサクソフォンなど管楽器がソロを聴かせるバレエ音楽であり、独特のメロディやハーモニー、転調の妙などがシエナの演奏で息づく。ショスタコーヴィチの「ジャズ組曲第2番」(デ・メイ編)はパレードのような音楽で幕を開ける全8曲の組曲であり、シエナのデモンストレーション・ナンバーとしても最適だと思われる音楽だ。ラフマニノフの「パガニーニ狂詩曲」は、今や吹奏楽シーンで確固たる人気を築いた森田一浩編曲ヴァージョンで。そして大御所、ヨハン・デ・メイによる「エクストリーム・メイクオーヴァー」は、チャイコフスキー作曲の「アンダンテ・カンタービレ」や「ロメオとジュリエット」をモティーフに展開される、約15分の“響きの愉悦”だ。 シエナだからこそ!の演奏を体験してほしい。シエナ・ウインド・オーケストラ ©三浦興一フレッシュ名曲コンサート「ショパン & ムソルグスキー」名曲&名演をリーズナブルに楽しむ好企画文:片桐卓也3/8(日)15:00 練馬文化センター問 練馬文化センタープレイガイド03-3948-9000 https://www.neribun.or.jp クラシックの世界で誰もが知る傑作を、一流の演奏でリーズナブルに、しかも身近な場所での演奏で届けたいと、東京都歴史文化財団が都内の区市町村及び区市町村の指定する団体と共催する「フレッシュ名曲コンサート」。3月8日には練馬区文化振興協会との共催で、練馬文化センター大ホール(こぶしホール)において「ショパン&ムソルグスキー」の公演が行われる。出演するのは広上淳一(指揮)と東京フィルハーモニー交響楽団、そして野上真梨子(ピアノ)である。 ショパンのピアノ協奏曲第1番を演奏する野上は若手ピアニストの注目株。2002年に青少年ショパン国際ピアノコンクール(ポーランド)で日本人として初めて1位を獲得し、14年には野島稔・よこすかピアノコンクールで優勝した。下田幸二、高橋多佳子、野島稔ほかに師事している。ショパンの故郷ポーランドでのコンクール経験が豊富で、子どもの頃からショパンの音楽に親しんでいたという野上。若きショパンの傑作として知られるピアノ協奏曲第1番で、そのフレッシュな感性を発揮してくれるに違いない。 そして後半にはムソルグスキーの傑作「展覧会の絵」(ラヴェル編)が広上&東京フィルによって演奏される。オーケストラの音色のパレットを贅沢に使った管弦楽曲として知られているが、オーケストラを自在に操る広上が、東京フィルとどんな“音の絵”を描いてくれるのか、こちらも楽しみである。野上真梨子 ©Yoshinobu Fukaya auraY2パスカル・ヴェロ ©Hikaru.☆広上淳一 ©Masaaki Tomitori
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