eぶらあぼ 2020.2月号
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52©山岸 伸東京佼成ウインドオーケストラ 第148回 定期演奏会4/29(水・祝)14:00 東京芸術劇場コンサートホール 1/22(水)発売問 東京佼成ウインドオーケストラ チケットサービス0120-692-556 https://www.tkwo.jp飯森範親(指揮)オケと吹奏楽に区別はありません取材・文:柴田克彦Interview 数多のオーケストラで活躍中の飯森範親が、2020年1月から東京佼成ウインドオーケストラの首席客演指揮者に就任する。実は彼、吹奏楽との関わりも浅くない。 「中学校の吹奏楽部で3年間クラリネットを吹き、コンクールにも出ましたし、高校では部員でないのに定期演奏会を指揮しました。プロとしては1991年に大阪市音楽団を振ったのが最初。その後も複数の楽団を指揮しています」 日本の最高峰・佼成ウインドとは、2012年、17年の定期と19年の東北ツアーで共演。12年の圧倒的名演以来、楽員からの要望が絶えず、今回の就任と相成った。 「佼成ウインドは、楽員一人ひとりのポテンシャルが物凄く高く、音楽的に深いアプローチが可能な楽団。オリジナル曲を演奏してもクラシカルなテイストを感じますし、中低音パートの倍音が豊かで、ピアニッシモが巧いのにも感心させられます」 就任記念演奏会は4月の定期。これは楽団創立60周年の新シーズン開幕公演でもある。演目は何と全て吹奏楽オリジナル曲。「就任にあたってまずは吹奏楽の名作をと考えた」という。前半は、C.ウィリアムズの「献呈序曲」、A.リードの「アルメニアン・ダンス Part Ⅰ,Ⅱ」と古典的名作が並ぶ。 「『献呈序曲』は往年の名曲。かつて演奏した同世代にアピールできると思います。そしてA.リードは外せません。中でも聴き応えがあって心が躍る作品といえばやはり『アルメニアン・ダンス』。それにPart Ⅰだけでは楽しみも半分なので全曲をと。コンクールに即した演奏ではなく、リードがスコアに書いたもの─例えばハチャトゥリアン等と共通する独特の民族色─を読み取って、本来あるべき音楽を表現したいと思っています」 後半は、スイスの作曲家F.チェザリーニの「青い水平線(ブルー・ホライズン)」と交響曲第1番「アークエンジェルズ」。 「いずれも音楽にスケール感があって、響きに好感が持てる作品。軍楽隊をベースにしたアメリカに比べて、ヨーロッパの作曲家の根底には、ワーグナーやマーラー等の響きがあるように感じます。特に交響曲はオルガンが入る30分もの大作で、響きの作り方にマーラーと通じる面があり、同じスイスにルーツをもつオネゲルに似た部分もあります」 彼の中では吹奏楽とオケに分け隔てはない。 「作曲家が書いたスコアがあって、管楽器と打楽器が使われているというだけです。各楽器のエキスパートの方々のベスト・パフォーマンスを引き出し、鳥肌が立つような音楽を生み出すのが指揮者の役目。そこに何の区別もありません。今回は、ウインドアンサンブルの名作を、(A.リード作品のバス・サックスも含む)オリジナルの響きでお聴かせしますので、ぜひお楽しみください」 これはクラシック・ファンも注目すべき公演だ。フィリップ・コパチェフスキー ピアノ・リサイタルロシアで話題をさらう新鋭ピアニストの来日公演が実現文:笹田和人 「有名曲を入れたいんじゃない。ひとつの大きな流れを考えた結果だ」。昨年6月にモスクワで開かれたチャイコフスキー国際コンクールで、ひときわ客席を沸かせたロシアの俊英ピアニスト、フィリップ・コパチェフスキーは言う。 しかし、来日公演に用意したオール・ショパン・プログラムの演目を見れば、邪推する側の気持ちも理解できよう。「英雄ポロネーズ」「幻想即興曲」「夜想曲第2番」「スケルツォ第2、3番」…まさに“名曲中の名曲”が、ずらりと並んでいるからだ。3/8(日)14:00 ヤマハホール問 MCS 03-3473-2880https://mcsya.org※全国ツアーの詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。 1990年生まれ。モスクワ音楽院などに学び、数々の登竜門で実績を重ね、ロストロポーヴィチやプレトニョフら巨匠と共演。世界各地の音楽祭にも招かれ、「知的にしてエキサイティング」と評される、個性的な快演を披露してきた。 そんな彼が弾く“王道”が、通り一遍の演奏で済むわけがなかろう。今年は5年に一度のショパン国際ピアノコンクールも開催される。「彼の出場も?」とファンは色めき立つが、果たして真相は? 俊英のプレイに触れることで一層期待が高まるだろう。

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