eぶらあぼ 2020.2月号
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49阪田知樹 ピアノ・リサイタル3/1(日)13:00 横浜みなとみらいホール問 ジャパン・アーツぴあ0570-00-1212 https://www.japanarts.co.jp阪田知樹(ピアノ)フランツ・リスト国際コンクール覇者が贈る、3部構成の贅沢な演奏会取材・文:高坂はる香Interview 阪田知樹のピアノへの愛着が滲み出るようなプログラムによる、3部構成のリサイタルが開催される。内容は、モーツァルトで幕を開け、ソナタの大曲を置き、華やかな編曲作品で閉じるというもの。 「3部構成には、昔の演奏家へのオマージュの意味もあります。1900年代初頭の大ピアニストのリサイタルは、1部に古典的な作品、2部にメイン、3部にお客様が楽しめる作品という構成が多いのです。また、各部が短く休憩が2回入ると聴きやすいという声が多かったことも理由です」 作曲も手がける阪田らしい美点は、第1部から発揮される。 「あの時代のバックハウスやリパッティのライヴ録音を聴くと、舞台に出てポロポロと即興的に少し弾いてから曲に入ります。私も今回はそんな風に、即興でモーツァルトやシューマンを聴く空気を作ってから演奏に入ってみたいと思います」 第2部では、敬愛するリストのロ短調ソナタを演奏する。 「この1年でベートーヴェンの後期ソナタを弾く機会があり、改めて、リストのソナタはその延長線上に位置すると感じました。全楽章アタッカでつなげられ、幻想曲風に書かれていますが、構成感が大切なソナタ作品であることに間違いありません。人生を凝縮して表現した哲学のような作品でもあります。一生取り組むつもりです」 そしてアンコール集のような趣の第3部が続く。 「昔から編曲作品を調べるのが好きで、家に楽譜がたくさんあるので、迷いに迷って曲を絞りました。チャイコフスキーの交響曲『悲愴』第3楽章のフェインベルク編曲版はずっと弾きたかった作品。オーケストラ演奏でもこの後につい拍手が出るような華やかさがありますから、きっと楽しめると思います。バラキレフ編のショパンの協奏曲第1番第2楽章も、聴く印象以上に超絶技巧を要しますが、様々な楽器を感じる美しい編曲です。そしてヴェルディ(リスト編)『リゴレット・パラフレーズ』。オペラの編曲ものは、好きな歌手を何度も聴き、フレージングや息遣いから感じた表現を試していきます。ピアノでいかに歌えるかは一番大切なことです」 リサイタルの1週間後には、「国際音楽祭NIPPON 2020」の室内楽マラソンコンサートにおいて、ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタで諏訪内晶子と初共演する。 「子どもの頃、アシュケナージ指揮チェコ・フィルと共演する諏訪内さんのCDを本当によく聴きました。そんな方の音を共演者として間近で聴けるのが、とにかく楽しみです」 3月の初めは、阪田の幅広い才能を楽しむことになりそうだ。東京オペラシティ Bビートゥーシー→C 山澤 慧(チェロ) 無伴奏チェロの未来へと続く旅路文:江藤光紀 バッハとコンテンポラリーをつなぐ「東京オペラシティB→C」シリーズにチェロの山澤慧が登場。藝大フィルハーモニア管首席奏者などをはじめ、オケとソロ両面で活躍する山澤は、現代ものの演奏力を競う「競楽XI」で優勝後、ドイツに渡って現代音楽シーンの最前線に飛び込み、現在は20世紀以降の無伴奏作品を中心にプログラミングする公演「マインドツリー」を手掛けている。バッハの「無伴奏チェロ組曲」にもライフワークとして取り組んでおり、当シリーズにこれ以上ふさわしい2/18(火)19:00 東京オペラシティ リサイタルホール問 東京オペラシティチケットセンター  03-5353-9999https://www.operacity.jp©Ayane Shindo若手はいないだろう。今回は、二つのメイン・フィールドに架橋する絶好の機会となる。 無伴奏組曲各曲からプレリュードを含む数曲を抜粋し、それぞれのプレリュードにつながっていく音楽を、山澤が個人的にも交流のある同世代の6人の作曲家に委嘱した。21世紀の想像力の広がりをバッハという縦糸でつなぎ、無伴奏の可能性の極北を開拓する。シリーズでも白眉というべきとがった企画だ。精密なテクニックとしなやかな音楽性が新しい世界の扉を開く!©HIDEKI NAMAI

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