eぶらあぼ 2020.2月号
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43クリスティアン・テツラフ ©Giorgia Bertazzi問 紀尾井ホールチケットセンター03-3237-0061 https://kioihall.jp※各公演の詳細、発売情報は上記ウェブサイトでご確認ください。紀尾井ホール 2020年度主催公演ラインナップアニバーサリーを彩る名手たちによる渾身のプログラム文:山田治生 1995年4月にオープンした紀尾井ホールが、開館25周年を記念する2020年度の主催公演のラインナップを発表した。日本を代表する音楽専用中規模ホールとして、東京でのリサイタル、室内楽、室内オーケストラの演奏会のメッカとなっている紀尾井ホールらしい公演が並ぶ。なかでも、同ホールと関わりの深い、ペーター・レーゼル、クリスティアン・テツラフ、マリオ・ブルネロの3人の公演は注目だ。 1945年ドレスデン生まれのレーゼルは、戦後、東ドイツを代表するピアニストとして活躍。そんな彼が、2020年、日本での最後のリサイタルを紀尾井ホールでひらく。レーゼルとホールの結びつきは強く、08年から11年にかけて、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲を演奏し、それらはライヴ録音され、全集としてCD化された。今回は、ハイドンのソナタ第52番、ベートーヴェンのソナタ第32番、シューベルトのソナタ第21番という、レーゼルが得意とする3人の作曲家の最後のソナタが並べられている。まさに「フェアウェル・リサイタル」にふさわしいこの選曲は、07年の彼の紀尾井ホールでの初リサイタルと同じプログラムでもある(5/15)。 14年にはテツラフ・クァルテットで、15年にはバッハの無伴奏全曲を演奏し、紀尾井ホールに登場してきたテツラフ。今回は、ベートーヴェンの生誕250年を祝して、「ベートーヴェン・セレブレーション」と題し、テツラフ・クァルテットとともに、彼の晩年の弦楽四重奏曲第13番「大フーガ付」、第15番、第16番を取り上げる。また、盟友ともいうべき、ピアノのラルス・フォークトとテツラフ・クァルテットで、ドヴォルザークのピアノ五重奏曲第2番を共演。フォークトやクァルテットのメンバーでもある妹のターニャ・テツラフとともにブラームスのピアノ三重奏曲第2番を演奏するのも楽しみ(9/25,9/27)。 ソリストとして、あるいは、紀尾井ホール室内管弦楽団(旧称:紀尾井シンフォニエッタ東京)の指揮者・共演者として、たびたび紀尾井ホールで演奏し、聴衆から愛されるブルネロがホール開館25周年を祝して帰って来る。今回は、チェロとチェロ・ピッコロを使って、バッハの「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ(全曲)」と「無伴奏チェロ組曲(全曲)」を交互に織り交ぜて、2日間にわたって弾く(11/1,11/3)。それぞれに長大な作品であるが、ブルネロが心温まるバッハ演奏を聴かせてくれるに違いない。イリヤ・ラシュコフスキー ピアノ・リサイタル貴公子がベートーヴェンと四つ身で組み合う文:高坂はる香 2001年のロン=ティボー国際音楽コンクール ピアノ部門第2位入賞をきっかけに若くして注目され、その後も12年浜松国際ピアノコンクール優勝などでキャリアを重ねながら演奏活動を続けてきた、イリヤ・ラシュコフスキー。ロシア、イルクーツクに生まれ、10代半ばから、ドイツのハノーファーで名教授ウラディーミル・クライネフのもと研鑽を積んだ。 そんな彼が、ベートーヴェン生誕250年の今年、4つのピアノ・ソナタを並べたリサイタルに挑む。選曲は、第31番と「熱情」「テンペスト」「悲愴」と2/9(日)14:00 栃木/岩舟文化会館コスモスホール問 岩舟文化会館0282-55-7055 https://www.tochigi-bunka.jp/iwafune/いう有名曲を組み合わせたもの。初期、中期、後期のソナタから満遍なくセレクトされ、一つの公演でベートーヴェンの作風の変遷を感じることができる。 繊細さと大胆さを併せ持ち、音楽への純粋な想いがそのまま音に表れるようなピアニスト。今回は持ち前の多彩なタッチを駆使したベートーヴェンで、どんな言葉を語りかけてくるだろうか。マリオ・ブルネロペーター・レーゼル

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