eぶらあぼ 2020.2月号
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40夜クラシック特別編中野翔太・金子三勇士・阪田知樹 トリプルピアノ・リサイタル3人の若きヴィルトゥオーゾたちによるめくるめく競演文:東端哲也2/23(日・祝)15:00 文京シビックホール問 シビックチケット03-5803-1111 https://www.b-academy.jp/hall/ 平日遅めの開演時間設定と、実力派演奏陣が気さくなトークを交えて得意曲を披露する魅惑のプログラムで人気を集める室内楽コンサート「夜クラシック」が、シリーズ5周年と文京シビックホール20周年を記念した特別公演を開催。祝日のちょっぴり早めな15時スタートに、今をときめく若手ピアニストたちが集結。その顔ぶれは…王道クラシックのみならずジャズや現代音楽にも活動の幅を拡げている中野翔太、ハンガリーで研鑽を積み大胆かつ繊細な演奏で魅了する金子三勇士、国内外のオーケストラと共演を重ね室内楽奏者としても注目を集める阪田知樹の気鋭3名。 まずは“夜クラ”らしく、それぞれのソロ演奏によるショパンのノクターンで幕開け。もちろん2台ピアノ作品は3パターンをご用意。金子&阪田によるチャイコフスキー(エコノム編)「花のワルツ」、阪田&中野によるプーランク「エレジー」、そして中野&金子によるピアソラ(シーグレル編)「リベルタンゴ」と、それぞれの組み合わせで楽しめる。なおモーツァルト「2台ピアノのためのソナタ」も、各楽章でペアを変えながら3パターンの演奏を予定しており、こちらも期待したい。そして極めつけは3台ピアノによるホルストの組曲「惑星」(抜粋)。編曲を担当した中野は「オーケストラ作品に忠実に編曲。僕たち3人は年齢も近く、意見交換もしやすいので、リハーサルを重ねながら曲を作り上げることで良いものになるはず」と意気込む。乞うご期待!阪田知樹 ©Hideki Namaiセバスティアン・ヴァイグレ(指揮) 読売日本交響楽団就任1年目の総決算にふさわしいヒーロー・プログラム文:飯尾洋一第225回 土曜マチネーシリーズ 3/14(土)第225回 日曜マチネーシリーズ 3/15(日)各日14:00 東京芸術劇場コンサートホール問 読響チケットセンター0570-00-4390 https://yomikyo.or.jp 2019年4月より読響の第10代常任指揮者に就任したセバスティアン・ヴァイグレ。記念すべきシーズンの掉尾を飾る3月の公演で、ヴァイグレはリヒャルト・シュトラウスの交響詩「英雄の生涯」を取り上げる。シュトラウスはワーグナーと並ぶヴァイグレ得意のレパートリー。精緻極まりないオーケストレーションで描かれる壮麗なスペクタクルを、ヴァイグレがどう料理するのか、注目が集まる。オーケストラの機能性を最大限に求める作品だけに、ヴァイグレと読響コンビの第1シーズンの総決算にふさわしいプログラムといえるだろう。 そして、交響詩「英雄の生涯」に組み合わされるのが、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」。独奏を務めるのはたびたびの来日で日本の聴衆にもなじみ深いルーカス・ゲニューシャスだ。祖母に名教師ヴェーラ・ゴルノスターエワを持つ音楽一家の出身で、2010年のショパン国際コンクール第2位、15年のチャイコフスキー国際コンクール第2位など、輝かしいコンクール歴を誇る。すぐれたテクニシャンであり、古典から現代作品まできわめて幅広いレパートリーに挑む才人だ。 ベートーヴェンの「皇帝」とシュトラウスの交響詩「英雄の生涯」。ともに壮大雄渾な曲想を持つヒーロー・プログラムを堪能したい。ルーカス・ゲニューシャス ©Mikhail Knutmanセバスティアン・ヴァイグレ ©読売日本交響楽団金子三勇士 ©Ayako Yamamoto中野翔太 ©Yuuji

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