eぶらあぼ 2020.2月号
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33オペラ宅配便シリーズ18 ぎゅぎゅっとオペラ DIGITALYRICAヴェルディ《リゴレット》(ハイライト版/原語(イタリア語)上演・字幕付)2/16(日)15:00 ヨコスカ・ベイサイド・ポケット問 横須賀芸術劇場046-823-9999  https://www.yokosuka-arts.or.jp与那城 敬(バリトン)リゴレットの感情の起伏とカンタービレをダイレクトに伝えたい取材・文:岸 純信(オペラ研究家)Interview 「予想もしていなかった役が、突然来てしまいました!」と、与那城敬はにこやかに語る。ドン・ジョヴァンニやエスカミーリョのような色男役が続く名バリトンだけに、毒を吐いて呪われる宮廷道化師リゴレットの人物像を、いまどのように捉えるのか? 「新国立劇場の研修所時代から、レパートリー選びは慎重にと考えてきましたので、ヴェルディのドラマティックなオペラに関しては、基本的に避けていたんです。《リゴレット》もアリアすら歌ったことが無く、試演会の助演者として、二重唱を一度やったぐらいですかね…だから、今回は本当に予想外のお話でした。演出の彌勒忠史さんにも『なんで僕ですかね?』とそのまま聞き返したぐらいでした(笑)」 なるほど。しかし、声も人間も成熟すれば変わる。好青年の役のイメージが強かった与那城にしても、数年前のドン・ジョヴァンニでは、一瞬のサディスティックな声音で客席を掴んでいた。 「ありがとうございます。本当に声は変わりますね…。思えば、20代の頃は高音域が苦手でよくひっくり返っていたけれど(笑)、確かに今の方が安定して出せるんですよ。ところで、高音といえばリゴレットも高いAs(変イ音)を出すケースが多いですが、でも、それをマーラーみたいに綺麗に上げてゆくわけではなく、怒りや苦しみがこもった激情の一声として放つわけですね…。ただ、その一方で、《リゴレット》の楽譜をよく読んでみると、想像以上にカンタービレ(美しく朗々と歌えるような)の曲調が多いんです。娘ジルダへの愛が溢れるメロディアスな部分など、自分の持ち声でたっぷり表現してみたいです。また、アリア〈悪魔め鬼め〉も、人間の怒りや懇願など生の感情が詰め込まれた名曲として、皆様に聴いていただきたいと思います」 ちなみに、今回の《リゴレット》は、ヨコスカ・ベイサイド・ポケットが誇る超人気シリーズ「オペラ宅配便」でのハイライト上演である。 「長年出演させていただいていますが、アリーナ形式の上演で四方からお客様に囲まれるスタイルなので、皆様の反応がダイレクトに伝わってくるんですよ。清水のりこさんのエレクトーンの多彩な音色と共演者の方たちの歌声にも助けられながら、不実なマントヴァ公爵ではなく、愛娘のジルダの方を死なせてしまうというリゴレットの悲運と、彼が抱える烈しい感情の起伏を、マイクを通さない生の声でどこまで伝えられるか。まずは全力投球で臨みます。ご来場お待ちしています!」フレッシュ名曲コンサート ブリティッシュ・ナイト英国音楽の魅力満載の一夜文:オヤマダアツシ 東京フィルハーモニー交響楽団の首席指揮者に就任して4年目を迎えているアンドレア・バッティストーニ。東京の新宿文化センターにおいては、ヴェルディの「レクイエム」やマーラーの「千人の交響曲」などで壮大な演奏を繰り広げてきた。このコンビと新宿文化センター合唱団が1月29日に取り上げるのは、ウィリアム・ウォルトンが旧約聖書にあるバビロン王の栄枯盛衰をスペクタクルに描いたオラトリオ「ベルシャザルの饗宴」だ。約35分、ブラスのバンダも含む大編成のオーケストラ、臨場感を演出するコーラスが大活躍するこの1/29(水)19:00 新宿文化センター問 新宿文化センター03-3350-1141 https://www.regasu-shinjuku.or.jp/bunka-center/左より:アンドレア・バッティストーニ ©Takefumi Ueno/青山 貴/三井 静 ©井村重人作品は、バッティストーニと東京フィルならではのアツい音楽が聴けるはずだ。青山貴(バリトン)の出演も嬉しい。吹奏楽でも人気が高いウォルトンの「スピットファイア」前奏曲とフーガ、エルガーの「威風堂々」第1番も演奏。さらには注目の若手チェリスト三井静がハイドンのチェロ協奏曲第1番を演奏して、コンサートを盛り上げる。©Hiromi NAGATOMO

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