eぶらあぼ 2020.2月号
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169コンサートギャラリーチケット発売情報News & TopicsNew Release Selection新譜情報TV&FMBooks海外公演情報ぶらPAL今月の注目公演公演情報芥川也寸志の遺志を継ぎ、2002年の活動開始から、邦人作品の紹介に力を注ぐ「オーケストラ・ニッポニカ」。今回は鈴木秀美の指揮で、日本のバレエ・舞踊史における1950年を、音楽で俯瞰する。まずは、伊福部昭の交響的舞踊組曲「プロメテの火」を、今井重幸の構成・編曲で世界初演。そして、芥川の舞踊組曲「蜘蛛の糸」と、ピアノの長尾洋史が加わり、ストラヴィンスキーのバレエ音楽「ペトルーシュカ」(1947年版)を聴かせる。ホールアドバイザーの松居直美企画によるシリーズ。昨年から追求しているのが、「音楽」「言葉」の関係性だ。気鋭のオルガニスト、青木早希が弾くバッハやマルシャンのバロック、さらにバルトークほか20世紀作品の調べに乗せて、男女2人組カンパニー「マンガノマシップ」がパントマイムを披露。「無言の体の動きと音楽が“言葉”を伝える試み。一体どんな言葉が聴き取れるでしょうか?」と松居は語る。“旬のピアニスト”が紡ぐ、先鋭なる響きの世界を体感したい。2010年に難関・ジュネーヴ国際コンクールで日本人初の優勝者となり一躍脚光を浴びた萩原麻未。快挙にも慢心することなく、ひたむきに感性を磨き、国内外で秀演を聴かせている。今回は、バッハ「フランス組曲第5番」とショパン「ソナタ第3番」を大枠に、シューマン「子供の情景」とシュトックハウゼン「ピアノ曲第7、第8」を挟み込む。ピアニスト梯剛之の心眼は芸術の本質を見抜き、彼の奏でるピアノは時空を遥かに超えて、自在に羽ばたいてゆく。この日は、メモリアル・イヤー(生誕250年)を迎えた、ベートーヴェンのソナタ第17番「テンペスト」のほか、シューマン「クライスレリアーナ」と、バッハ「ゴルトベルク変奏曲」から、アリアと6つの変奏を選び披露。円熟の時を迎えた、名手の芸術の真髄に触れてみたい。鍵盤楽器の名手で、指揮者としても大活躍の鈴木優人。父・雅明が主宰するバッハ・コレギウム・ジャパンの首席指揮者を務める一方、近年はモダンオケにも数多く客演している。今回は、オーケストラ・アンサンブル金沢の指揮台に登場し、メンデルスゾーン「イタリア」を披露。そして、2002年にチャイコフスキー国際コンクール最高位入賞の川久保賜紀を迎えて、ヴォーン・ウィリアムズ「揚げひばり」とバーバーの協奏曲を共演する。オーケストラ・ニッポニカ 第36回演奏会《日本バレエ・舞踊史における1950年》言葉は音楽、音楽は言葉~パイプオルガンとパントマイムが紡ぐ物語~札の辻クロスホール クラシックコンサートシリーズ 梯 剛之(ピアノ)芸劇ウインド・オーケストラ・アカデミー第6回演奏会シャイニング・シリーズVol.6萩原麻未(ピアノ)オーケストラ・アンサンブル金沢第425回定期 フィルハーモニー・シリーズ2/23(日・祝)14:30 紀尾井ホール2/22(土)14:00 ミューザ川崎シンフォニーホール2/16(日)16:00 静岡/札の辻クロスホール2/29(土)15:00 東京芸術劇場コンサートホール2/22(土)14:00 東京文化会館(小)2/20(木)19:00 石川県立音楽堂鈴木秀美 ©K.Miura青木早希マンガノマシップ©Marco Borggreve鈴木優人 ©Marco Borggreve川久保賜紀 ©Yuji Hori「芸劇ウインド・オーケストラ・アカデミー」は、広い視野を持つ音楽家の育成を目指し、2014年度に創設。17人の俊英が、日本随一の精鋭集団「東京佼成ウインドオーケストラ(TKWO)」の指導の下、腕を磨いている。第6回演奏会はTKWOと共演、その正指揮者の大井剛史のタクトで。デイヴィット・マスランカ「交響曲第4番」にリード「パッサカリア」、ヴァイル「小さな三文音楽」、久石譲「Single Track Music 1」と多彩に。大井剛史 ©K.Miura

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