140まだ歴史が浅い英国ロイヤル・バレエ団が世界3大バレエとまで言われるようになったのは、優秀な振付家を育て、すばらしい作品を創り、さらにそれが各国で上演されるようになったから。新国立劇場でも世界に発信できるような作品が創れたらと思っている」オペラ部門/新制作●ブリテン《夏の夜の夢》(20年10月、指揮:マーティン・ブラビンス、演出:デイヴィッド・マクヴィカー)●藤倉大《アルマゲドンの夢》(20年11月、指揮:大野和士、演出:リディア・シュタイアー)●ダブルビル《夜鳴きうぐいす/イオランタ》(21年4月、指揮:アンドリー・ユルケヴィチ、演出:ヤニス・コッコス)●ビゼー《カルメン》(21年7月、指揮:大野和士、演出:アレックス・オリエ)新国立劇場https://www.nntt.jac.go.jp■広島交響楽団ラインナップ記者発表 広島交響楽団が昨年12月23日、都内で2020年度ラインナップ記者発表を行い、音楽総監督の下野竜也、作曲家の藤倉大らが出席した。 昨年は、ワルシャワで14年ぶりの海外公演を実施するなど、楽団にとって充実の一年となった。被爆75年を迎える今年、「“讃” 〜平和を讃えて〜」をテーマに掲げる。第400回を迎える5月の定期には、下野が終身名誉指揮者の秋山和慶、首席客演指揮者クリスティアン・アルミンクとともに3人で登壇。ベートーヴェン「合唱幻想曲」など記念ガラらしい華やかなプログラムが組まれた(5/24)。11月のプレミアム定期では、下野のタクトでブルックナーの交響曲第4番「ロマンティック」が取り上げられる(11/13, 11/15)。また、記念年であるベートーヴェンのピアノ協奏曲全5曲が定期ですべて聴けるようになっており、ディスカバリー・シリーズ4公演もベートーヴェンにフォーカス。交響曲やその他の管弦■新国立劇場 2020/21シーズンライン ナップ発表 新国立劇場は1月8日、2020/21シーズンラインナップを発表した。登壇者は大野和士・オペラ芸術監督、吉田都・次期舞踊芸術監督、小川絵梨子・演劇芸術監督。 オペラ部門は新制作となるブリテン《夏の夜の夢》、藤倉大《アルマゲドンの夢》(世界初演)、ダブルビル《夜鳴きうぐいす/イオランタ》、ビゼー《カルメン》を含む10演目を上演。うち大野は2演目を指揮する。 H.G.ウェルズの小説に基づく藤倉作品について大野は、「私たちの未来に問いかける作品にしてほしいと3年前に委嘱し、すでにオーケストラスコアができあがっている。舞踏会のシーンのワルツは、藤倉さんにとって初となるもので、藤倉さんも『まさかこんなことになるとは!』と。そうした意味でも新たな展開が切り開かれた」と話す。昨年上演の《トゥーランドット》で協働した演出のアレックス・オリエを迎えての《カルメン》については「室内楽的な作品でもあることから、密室空間を使って描くということで、《トゥーランドット》とは対照的なものになるのでは」と期待を寄せた。 吉田都・新芸術監督(20年9月1日就任、任期4年)のもと初のシーズンを迎えるバレエ部門は、バレエ6演目、ダンス3演目を上演。うち新制作は3演目4作品。 吉田は芸術監督就任と新シーズンに向け、次のように抱負を語った。 「20年以上にわたって劇場が積み上げてきたレパートリーは大事にしつつ、新たなチャレンジをしていきたい。1年目はトップレベルの維持のためにも必要な古典作品を中心に、難しい技術的なことはもちろんのこと、日本人が苦手とされる表現をさらに磨く。 世界的にコンテンポラリーの比重が大きくなり、古典と両方を踊れるダンサーが求められている。比較的左:藤倉 大 右:下野竜也 Photo:I.Sugimura/Tokyo MDE左より:小川絵梨子、大野和士、吉田 都 Photo:J.Otsuka/Tokyo MDE
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