48神尾真由子 with Friends 3/25(水)19:00 浜離宮朝日ホール問 朝日ホール・チケットセンター03-3267-9990 https://www.asahi-hall.jp/hamarikyu/神尾真由子(ヴァイオリン)互いに信頼し、高め合ってきた仲間たちとの五重奏取材・文:伊熊よし子Interview 2007年のチャイコフスキー国際コンクールの優勝以来、国内外で幅広い活躍を展開している神尾真由子は、近年室内楽にも目を向け、さまざまな音楽家との共演を楽しんでいる。そんな彼女が来春、「神尾真由子 with Friends」と題したコンサートで桐朋の同期生たちと共演する。プログラムは人気の高いボッケリーニと深遠さと歌謡性が凝縮したシューベルトの弦楽五重奏曲である。 メンバーは神尾、滝千春(ヴァイオリン)、横溝耕一(ヴィオラ)、横坂源(チェロ)、富岡廉太郎(チェロ)。彼らは高校時代からの仲間で、お互いの音楽をよく理解している。現在はソロやオーケストラ、室内楽で活発な活動をしている人ばかり。日本を代表する若き逸材たちがボッケリーニ、シューベルトというまったく異なる曲想、表現、技巧、解釈を要する作品をどのように聴かせるのか、期待が高まる。神尾が作品について語る。 「私はようやくシューベルトが弾ける時期が来たと思っています。シューベルトは技術的にとても難しいのですが、今回は弦楽五重奏という特殊な編成を組むにあたって、ぜひ演奏したかった。とてもシリアスで深い作品ですが、みなさん技術的に素晴らしい方ばかりですから、限られたリハーサルでも大丈夫だと思います。メンバー構成を考慮し、組み合わせる作品としては、ボッケリーニしかないなと思いました。明るく親しみやすい作品ですから、前半と後半の雰囲気がガラリと変わって聴きごたえがあると思います」 神尾とシューベルトの作品との出会いは、子ども時代に弾いたロンドなど。本格的には、学生時代にオーケストラ作品の授業での交響曲第7番「未完成」だった。その後、ソナチネやソナタも演奏するようになった。 「シューベルトは音が少ない分、難しいですね。音の並びはきれいですが、指のポジション移動も多く、アクロバティックな面もある。弦楽五重奏曲は内声も大切で、リハーサルからきちんと合わせないといけないのですが、みなさんもう10年以上のお付き合いですから、きっと息の合った演奏が生まれると思います」 室内楽の魅力については…。 「自分がグループの一部になった気持ちがします。ハーモニーの一部といった方がいいかもしれません。各人の責任もありますし、それぞれ音程などの好みもあるため、それらを合わせていく過程も大切です。それが本番で見事に合ったとき、すばらしい瞬間が生まれるのです」ケマル・ゲキチ(ピアノ)超絶技巧のカリスマが奏でるショパン&リスト文:飯田有抄 2000年代より毎年のように来日公演を行い、武蔵野音楽大学で後進の指導にもあたるなど、日本での精力的な活動を行ってきたケマル・ゲキチ。幅広い音楽様式に精通し、多彩なプログラムで多くのファンを魅了しているが、クロアチア出身の彼の名を一躍世界に轟かせたのは第11回ショパン国際ピアノコンクールでの聴衆からの熱狂的な支持である。来たる20年秋には第18回の同コンクールが音楽界を賑わせることになるが、ゲキチはそれに先立ち1月のかつしかシンフォニーヒルズでの公演にて、スケルツォ、ノクター1/18(土)13:30 かつしかシンフォニーヒルズ アイリスホール問 プロアルテムジケ03-3943-6677 https://www.proarte.jp※全国公演の詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。©林 喜代種ン、バラード、エチュード、ポロネーズなどを披露。多様なショパン像を浮かび上がらせてくれる。今回はこのほか、奈良、山形、秋田、岩手、神奈川をめぐるツアーを予定しており、リスト演奏の第一人者としても名高い彼がハンガリー狂詩曲を聴かせる公演もある。溢れる詩情と余裕に満ちた超絶技巧、そんなロマン派のピアノ語法に、ゲキチの至芸を通じて出会いたい。
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