eぶらあぼ 2020.1月号
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175コンサートギャラリーチケット発売情報News & TopicsNew Release Selection新譜情報TV&FMBooks海外公演情報ぶらPAL今月の注目公演公演情報3月の見もの・聴きもの2020年3月の曽そし雌裕ひろかず一 編〔Ⅰ〕オーストリアウィーン国立歌劇場3月1、5、9日 プッチーニ:トゥーランドット 指/R.テバール、演出/M.A.マレッリ、出/E.パンクラトヴァ、R.アラーニャ3月2日 プッチーニ:蝶々夫人 指/G.ジェンキンス、演出/J.ギーレン3月3、7日 マスネ:マノン 指/F.シャスラン、演出/A.シェルバン3月12、14、17日 P.エトヴェシュ:三人姉妹指/P.エトヴェシュ、演出/Y.シャローン3月13、16、19日 ヴェルディ:ファルスタッフ指/D.ハーディング、演出/D.マクヴィカー、出/A.マエストリ、S.キーンリサイド◎3月15日 ワーグナー:ラインの黄金 指/A.フィッシャー、演出/S=E.ベヒトルフ、出/T.コニエチュニー、N.エルンスト、S.コシュ、M.ボヒネク、L.メルローズ◎3月18日 ワーグナー:ワルキューレ 指/A.フィッシャー、演出/S=E.ベヒトルフ、出/A.シャーガー、A.アンガー、T.コニエチュニー、N.シュテンメ、E.クールマン3月20、23、26日 プッチーニ:トスカ 指/G.ビザンティ、演出/M.ヴァルマン、出/S.ヨンチェヴァ、B.ジャッジ、E.シュロット3月21、25日 ロッシーニ:チェネレントラ 指/E.ピド、演出/S=E.ベヒトルフ◎3月22日 ワーグナー:ジークフリート 指/A.フィッシャー、演出/S=E.ベヒトルフ、出/S.グールド、N.シュテンメ、T.コニエチュニー、L.メルローズ、H.ペコラーロ3月24、31日 ドニゼッティ:愛の妙薬 指/D.インドヤン、演出/O.シェンク3月27、30日 モーツァルト:フィガロの結婚指/S.スカップッチ、演出/J=L.マルティノーティ◎3月28日 ワーグナー:神々の黄昏 指/A.フィッシャー、演出/S=E.ベヒトルフ、出/S.グールド、E.ハーフヴァーソン、L.メルローズ、N.シュテンメ、W.マイヤー3月29日 サン=サーンス:サムソンとデリラ指/F.シャスラン、演出/A.リートケ、出/A.ラチヴェリシュヴィリ、J.クーラウィーン・フォルクスオーパー3月1(16:30)、3(19:00)日 ヴェルディ:椿姫演出/H.グラツァー3月2(19:00)、6(19:00)、9(19:00)、10(11:00)日 F.ロウ:マイ・フェア・レディ(ミュージカル)演出/R.ヘルツル3月4(19:00)、7(19:00)、11(19:00)、14(19:00)、18(19:00)、22(18:00)、26(19:00)、30(19:00)日 J.シュトラウスⅡ:ジプシー男爵[20年2月プレミエ] 演出/P.ルント3月5(19:00)、8(19:00)、15(16:30)、21(19:00)、27(19:00)、31(19:00)日 ベナツキー:姉さんとぼく 演出/R.マイヤー3月13(19:00)、17(19:00)、20(19:00)、24(19:00)、29(19:00)日 ヴェルディ:リゴレット演出/S.ラングリッジ3月16(17:30)、23(11:00)日 M.F.ランゲ:カンタヴィルの亡霊 演出/P.M.クレン3月25(19:00)日 J.シュトラウスⅡ:こうもり演出(校訂)/H.ツェドニクアン・デア・ウィーン劇場★◎3月16(19:00)、18(19:00)、20(19:00)、23(19:00)、25(19:00)、27(19:00)日ベートーヴェン:フィデリオ[プレミエ] 指/M.ホーネック、演出/C.ヴァルツ、出/E.カットラー、N.シュヴァリエ、G.ブレッツ、C.フィシェッサー、演奏/ウィーン響◎3月22(19:00)日 ロッシーニ:湖上の美人(演奏会形式) 指/G.ペトルー、出/L.ベルキナ、E.ロチャ、E.スカラ、M.E.チェンチッチ、P.クディノフ、演奏/ヌオーヴォ・バロッコウィーン・フィル[会場:無印=ムジークフェライン(ウィーン)、(KOL)=フィルハーモニー(ケルン)、(HAM)=エルプフィルハーモニー(ハンブルク)、(MUC)=フィルハーモニー[ガスタイク](ミュンヘン)、(BB)=祝祭劇場(バーデン=バーデン)]◎3月1(20:00)(KOL)、14(18:00)(BB)日A.ネルソンス指揮 ベートーヴェン:交響曲第8番、第3番「英雄」◎3月3(20:00)(HAM)、9(20:00)(MUC)日A.ネルソンス指揮 ベートーヴェン:交響曲第1番、第2番、第3番「英雄」◎3月4(20:00)(HAM)、10(20:00)(MUC)日A.ネルソンス指揮 ベートーヴェン:交響曲第4番、第5番「運命」◎3月6(20:00)(HAM)、11(20:00)(MUC)日A.ネルソンス指揮 ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」、第7番◎3月7(20:00)(HAM)、12(20:00)(MUC)日A.ネルソンス指揮 ベートーヴェン:交響曲第8番、第9番「合唱」 独/L.クロウS、G.ロンベルガーA、R.トーマスT、シェンヤンBs◎3月21(15:30)、22(11:00)、23(19:30)日R.ムーティ指揮 チマローザ:秘密の結婚〜序曲、モーツァルト:ピアノ協奏曲第14番、第27番、シューベルト:交響曲第3番 独/M.ポリーニpウィーン響[会場:(KH)=コンツェルトハウス(ウィーン)、(MV)=ムジークフェライン(ウィーン)(TW)=アン・デア・ウィーン劇場(ウィーン)](主要公演のみ/学校のための公演は省略)◎3月2(19:30)(KH)、3(19:30)(KH)日L.シャニ指揮 プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番、ラフマニノフ:交響的舞曲 独/M.アルゲリッチp◎3月13(19:00)(KH)日 K.ナガノ指揮(Wienersymphoniker@7) バルトーク:弦楽器・打楽器とチェレスタのための音楽、ブラームス:ヴァイオリン協奏曲(終演後にホワ【本文中の記号】★=プレミエ[新演出]公演、◎=注目公演 ヴァイオリンのムターが出演してヴァイオリン協奏曲や「三重協奏曲」を演奏するバイエルン放送響のベートーヴェン作品ばかりの定期公演。11月30日に天寿を全うしたマリス・ヤンソンスの棒と共に本来なら◎印の付く注目公演だったが、彼がいなくなって「注目」…というのも何か心に引っかかるものがあり、印を落とした。だが、ヤンソンス追悼のための熱い演奏会になることは間違いなかろう。 さて、3月はサイモン・ラトルがベルリンで大活躍。月の前半は古巣のベルリン・フィルに登場してベートーヴェンの「オリーヴ山上のキリスト」やベリオの「シンフォニア」を指揮。加えて、首席オーボエ奏者のジョナサン・ケリーを独奏者としたR.シュトラウスのオーボエ協奏曲が演奏される。ケリーは、事実上、ラトルがかつて演奏を共にしていたバーミンガム市響からヘッドハンティングしてきた経緯もあるので、興味ある共演となろう。そして、月後半はベルリン州立歌劇場でモーツァルトの「イドメネオ」。これも注目公演だ。 ところで、3月のオペラ公演には、ちょっと珍しい演目が散見される。例えば、ベルリン・ドイツ・オペラのR.ランゴー「反キリスト」、コーミッシェ・オーパーのヴァインベルガー「バグパイプ吹きのシュヴァンダ」、ベルリン古楽アカデミーが演奏するテレマン「ピンピノーネ」、ライプツィヒ歌劇場のウルマン「反キリスト教徒の堕落」、ジュネーヴ大劇場のC.ヨースト「VOYAGE VERS L’ESPOIR」、テアトロ・レアルのコルセッリ「スキュロス島のアキレス」、オペラ・コミークのデュサパン「マクベス・アンダーワールド」など。どれも日本ではまず聴けない作品ばかりだ。 オペラでは、他にベートーヴェン「フィデリオ」(アン・デア・ウィーン劇場、英国ロイヤル・オペラ)、R.シュトラウス「サロメ」(フランクフルト歌劇場、ミラノ・スカラ座)、マイアベーア「ユグノー教徒」(ベルリン・ドイツ・オペラ、ドレスデン・ゼンパーオーパー、ジュネーヴ大劇場)といった複数劇場での競合公演が面白い。指揮ではマルヴィツ、ミンコフスキやゾルテス、演出ではクラッツァーやコンヴィチュニー、歌手ではダヴィドセンやカウフマンといった注目どころが顔を揃える。 オーケストラでは、まず注目はティーレマン指揮シュターツカペレ・ドレスデンのシェーンベルク「グレの歌」。4月のザルツブルク復活祭音楽祭でも演奏されるが、グールドやニールントなど手堅い人気歌手を並べて、いかにもティーレマン節が炸裂しそうな公演。ウィーンやパリでシューベルトとプロコフィエフを並べたウェルザー=メストとクリーヴランド管のツアーも好演が期待できそう。ちなみに、今夏ザルツブルク音楽祭の「サロメ」公演で指揮のメストと共にサロメ役で絶大な評価を得たソプラノのアスミク・グリゴリアンは、3月は英国ロイヤル・オペラでヤナーチェク「イェヌーファ」プレミエに出演する。その他のオーケストラ関係では、ハンブルクとミュンヘンでのネルソンス=ウィーン・フィルのベートーヴェン・ツィクルスやフルシャ=チェコ・フィルのツアー(ケルン、フランクフルト等)、メータ=スカラ座管のマーラー3番、ヘンゲルブロック=フランス国立管のベートーヴェンのピアノ協奏曲第0番、マケラ=フランス国立放送フィルのドビュッシーやシベリウス、ソヒエフ=ボリショイ劇場管のロシア声楽作品(フィラルモニー・ドゥ・パリ)、サロネン=フィルハーモニア管のベートーヴェン初演再現プロ(15日)など、どれも見落とせないが、個人的にはロト指揮ロンドン響のデュカスの交響曲ハ長調というプロに惹かれる。この曲、大変魅力に満ちた佳曲だが、フランクやショーソンの交響曲に比べると演奏機会はないも同然。ロトがどのように演奏するのか、これこそ聴きものだと思うのだが…。(曽雌裕一・そしひろかず)(コメントできなかった注目公演も多いので本文の◎印をご参照下さい)

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