162CDCDCD徳永二男 プレイズ R.シュトラウス ヴァイオリン・ソナタ日本の詩うた/小林沙羅シンフォニック・トロンボーン/オラフ・オットアレンスキー:ピアノ五重奏曲 他/中野真帆子&エリゼ四重奏団R.シュトラウス:ヴァイオリン・ソナタ op.18/モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ第21番 K.304/シューベルト:ヴァイオリンとピアノのための二重奏曲 D574徳永二男(ヴァイオリン)坂野伊都子(ピアノ)武満徹:小さな空、死んだ男の残したものは/井上武士:うみ/山田耕筰:この道、赤とんぼ/岡野貞一:故郷/中田章:早春賦/橋本国彦:お六娘/早坂文雄:うぐひす/越谷達之助:初恋/瀧廉太郎:荒城の月/中村裕美:或る夜のこころ/小林沙羅:ひとりから 他小林沙羅(ソプラノ)河野紘子(ピアノ) 澤村祐司(箏) 見澤太基(尺八)ギルマン:交響的断章/コック:トロンボニア/ハーン:十人の乙女のたとえ/ヘンデル:協奏曲ヘ短調 HWV287/ヴィヴァルディ:ソナタ第1番 RV47、ラルゴ~「協奏曲 ハ長調」RV443より/マルチェッロ:ソナタ第4番 op.1-4/クロル:シンフォニア・サクラ「イエス、わが喜び」オラフ・オット(トロンボーン)徳岡めぐみ(オルガン)ラフマニノフ:弦楽四重奏曲第1番・第2番/アレンスキー:ピアノ五重奏曲中野真帆子(ピアノ)エリゼ四重奏団【ユスティナ・ザヤンチャウスカイテ ロラン・ル・フレシェ(以上ヴァイオリン) アンドレイ・マラーホフ(ヴィオラ) イーゴリ・キリチェンコ(チェロ)】収録:2019年6月、ヤマハホール(ライヴ)オクタヴィア・レコードOVCL-00704 ¥3200+税日本コロムビアCOCQ-85476 ¥3000+税録音研究室(レック・ラボ)NIKU-9024 ¥2800+税CONTINUO Classics/キングインターナショナルCC777-724 ¥オープンますます旺盛な演奏活動を続けるヴァイオリニスト徳永二男による、2019年6月ヤマハホール公演のライヴ録音。3人の大作曲家の20代前半の名品を集めて、作品の瑞々しさと徳永の円熟が絶妙に融合した演奏を披露。R.シュトラウスは後のオーケストラ作品群を思わせるような密度で構築し、熱気と落ち着きを使い分けながら、雄渾に響かせる。モーツァルトのホ短調の名作も情感豊かだし、シューベルトでは穏やかな旋律美とそこに潜む陰影も聴かせる。いずれも濃密な歌心とキレのある音は健在で、名匠ならではの風格を味わえる。坂野伊都子の豊麗なピアノの貢献も見逃せない。(林 昌英)日本語を”歌う”のは、難しい。相当の名手でも、言葉がヴィブラートの影に隠れてしまい、何と歌っているのか、解らないことも。しかし、小林沙羅は、そんな課題など、楽々とクリア。それどころか、「小さな空」にある、「真っ赤」。続く「うみ」での「大きい」…言葉ごとに纏わせるニュアンスを変え、様々な色彩やスケール感を与えてゆく。さらに、「お六娘」など、演劇性も踏まえた、自在な歌い回し。谷川俊太郎が彼女のために作詞し、小林が作曲した「ひとりから」には、自身の内面も投影。時にはっとする透明感で魅せる、ピアノの河野紘子らバックも好演。(寺西 肇)1999年からベルリン・フィルの首席トロンボーン奏者を務めるオラフ・オットによる、全編オルガンとのアルバム。同編成の「オリジナル」(1曲はピアノ伴奏が原曲)、オルガンとのコラボならではの「教会音楽」、やはり相性が良い「バロック音楽」の3本立てという筋の通ったプログラミングがなされている。オットの壮麗にして豊潤な音はオルガンと絶妙にマッチ。深みがあってスケールが大きい、文字通りの“シンフォニック”な音楽が続いていく。同楽器の大定番ヘンデルの協奏曲をはじめとするスムーズなフレージングも感嘆の一語。荘厳かつ美しい好ディスクだ。 (柴田克彦)昨今評価が進むアレンスキーのピアノ五重奏曲を、中野真帆子とエリゼ四重奏団による上質なアンサンブルが録音。コンサートでもこの作品を取り上げていた彼らが、すでに5年前に収録していた音源で、満を持してのリリースとなった。優美かつ芯の強さを感じさせる中野のピアノと、ロシアものを得意分野の一つとするエリゼSQとの絶妙なバランスにより、アレンスキーの流麗な旋律と、推進力溢れる和声がじつに輝かしく響く。若き日のラフマニノフが残した二つの弦楽四重奏曲(どちらも未完)もエリゼSQが丁寧な演奏で収録した、ロシア室内楽への愛に溢れる一枚。(飯田有抄)SACD
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