eぶらあぼ 2020.1月号
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154するもので、約70公演を展開する。テーマは「不思議な想いが私を満たす」。指揮者には沼尻、大植英次。管弦楽には大阪フィル、日本センチュリー響。ソリスト陣にはニキータ・ボリソグレブスキー(ヴァイオリン)、前橋汀子(同)、福川伸陽(ホルン)、宮田大(チェロ)、田村響(ピアノ)、舘野泉(同)、砂川涼子(ソプラノ)など豪華キャスティング。 最後に「地域貢献」について。びわ湖ホールは公共ホールとして様々な自主企画を通じて地域に貢献している。聴覚障害者向けの公演、舞台芸術研修、指揮者セミナーなど劇場が制作スタッフを、演奏家を、そして聴衆を育てるという試みを積極的に展開している。欧州でも評価が高い沼尻芸術監督の強い思いを感じることができる。その他、パレルモ・マッシモ劇場来日公演(アンドレア・バッティストーニ指揮 歌劇《ナブッコ》) (6/27)、 沼尻&京響によるマーラーシリーズ(交響曲第1番「巨人」)(8/23)、恒例ジルヴェスター・コンサート(12/31)、びわ湖ホール四大テノール、びわ湖ホール声楽アンサンブルの活動など、このホールの事業展開からは目が離せない。取材・文:田中幸成びわ湖ホールhttps://www.biwako-hall.or.jp■東京・春・音楽祭特別公演 ベルリン・ フィル in Tokyo 2020 概要発表 2020年6月に開催される「東京・春・音楽祭特別公演 ベルリン・フィル in Tokyo 2020」の記者発表が11月22日、東京文化会館で行われた。同音楽祭実行委員会 実行委員長の鈴木幸一、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 事務総長の武藤敏郎、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団財団 ゼネラルマネージャーのアンドレア・ツィーツシュマン、同楽団のソロ・チェロ奏者でメディア代表のオラフ・マニンガーらが登壇した。 本公演は、東京2020大会の公式文化プログラム「東京2020 NIPPONフェスティバル」の共催プログラム。東京・春・音楽祭の特別公演として、6月24日から26日までの3日間は東京文化会館で、6月27日には新宿御苑 風景式庭園にて「ベルリン・フィル〈1万人の野外コンサート〉」を実施する(荒天の場合は6月28日に実施)。指揮は全公演、グスターボ・ドゥダメルが務める。 鈴木は冒頭の挨拶で、「インターネットの発明によってすべてがバーチャル化されてきたが、人々が一つの場に集まることが重要と思い、15年前に東京・春・音楽祭を始めた。2020大会を機に世界の人々が東京に集まり、スポーツだけでなく文化プログラムも体験できる公演を組めたことに喜びを感じている」と述べた。 プログラムは3種4公演となっている。まずプログラムAは、「東京2020大会のためのスペシャル・コンサート」と題し、日本からは早坂文雄、アメリカからJ.ウィリアムズ、メキシコのマルケスなど、複数の国の作曲家の作品で構成される。プログラムBは、マーラーの交響曲第2番「復活」。復興が大事なテーマとなっている2020大会において必然とも言える選曲だ。プログラムCは、ベートーヴェンの交響曲第9番「合唱付」。若いソリスト陣に加え、この「第九」のために世界中から集まったおよそ300人規模の「2020 One World Choir」と名付けられた合唱団が出演する。入場料は無料(事前応募制、新宿御苑の入園料が必要)で1万人の定員を予定している。 チェロのマニンガーは、「指揮のドゥダメルとは友人で、ベルリン・フィルにとってなじみの指揮者。彼とともに参加できることを嬉しく思います。1万人以上を前に演奏する野外コンサートを特に楽しみにしています」と公演への期待を語った。東京2020 NIPPONフェスティバル 共催プログラム「東京・春・音楽祭特別公演 ベルリン・フィル in Tokyo 2020」特設サイトhttps://www.tokyo-harusai.com/bpo2020/■こども音楽フェスティバル記者会見 2020年7月17日から21日までの5日間、サントリーホールで開催される「こども音楽フェスティバル」の記者会見が11月12日、サントリーホール ブルーローズで行われた。登壇者はソニー音楽財団理事長・加藤優、サントリー芸術財団代表理事・堤剛の2名。 このフェスティバルは、ソニー音楽財団とサントリー芸術財団が主催して行われる、こどもを対象とした大規模なクラシック音楽の祭典で、こどもの年齢に合わせて趣向を凝らしたプログラムが企画されている。加藤は「この音楽祭は、これまでこども向けのコンサートや教育プログラムなど様々な活動を行ってきた当財団の35年間の集大成。入門者向け企画や参加型のワークショップ、本格的なフルオーケストラなどたくさんのプログラムを準備している」と述べた。左より:鈴木幸一、武藤敏郎、アンドレア・ツィーツシュマン、オラフ・マニンガー Photo:J.Otsuka/Tokyo MDE

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