eぶらあぼ 2019.12月号
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163コンサートギャラリーチケット発売情報News & TopicsNew Release Selection新譜情報TV&FMBooks海外公演情報今月の注目公演公演情報ぶらPALワ、ディーナ・ヨッフェの18人。同コンクールの歴代の優勝者・入賞者が多く選ばれている。 なお、これまでもコンクールの模様がリアルタイムで配信され、世界中の人々が演奏を楽しむことができたが、2020年からは新テクノロジーを導入し、YouTube上での全コンクール生中継をはじめ、スマホアプリ、史上初のVR(ヴァーチャル・リアリティ)および4K規格での生中継、さらにパブリックビューイングなどさまざまな計画が進められている。 コンクールの目的は新しい才能を見つけ、世に送り出すこと。ショパン国際ピアノコンクールも同様だが、すぐれたショパンの演奏をする人に独自の視点を置いていることが、このコンクールを特徴づけている。加えて新しいショパンの様式を踏まえた演奏をする人、自分なりのショパン観をもち、個性的なショパンを演奏することができる人など、多くの要素も審査の対象となる。 記者発表会では最後に1985年に第3位入賞を果たしたポーランドのクシシュトフ・ヤブウォンスキが「英雄ポロネーズ」「アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ」等を演奏し、ショパンへの情熱を示した。なお、鑑賞チケットはすでに完売しているそうだ。取材・文:伊熊よし子XVIII Chopin Competitionhttps://chopin2020.pl/■日本フィル九州公演記者会見 日本フィルハーモニー交響楽団が来年2月に実施する九州公演について、10月30日に杉並公会堂で記者会見を行った。日本フィル理事長の平井俊邦、同楽団桂冠指揮者兼芸術顧問のアレクサンドル・ラザレフ、ソリストの堀米ゆず子(ヴァイオリン)と河村尚子(ピアノ)が登壇した。45回目となる今回は、九州全県で10公演を行う。演目はブラームスの交響曲第1番とピアノ協奏曲第2番、ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲、プロコフィエフのバレエ音楽「ロメオとジュリエット」(ラザレフ版)。 冒頭の挨拶で、平井は「九州公演は1975年以来、毎年継続して今回で45年目という節目の年となる。九州公演の特徴は地元の実行委員会との、手づくりのコンサートであること。これまでの経験で学んだ『人の心の温かさ、人の心によりそう』ことを大きなテーマとして今後も活動していきたい」と述べた。 今回で3度目のツアーとなるラザレフは「素晴らしいソリストとの共演もできて嬉しい。国内外問わずツアーはオケの同調力と相互の理解を深める貴重な機会。あと“打ち上げ”がいつも楽しみ(笑)」。また、自身で全10曲として編んだ「ロメオとジュリエット」組曲について「第7曲に“静寂”で終わる『ジュリエットの墓の前のロメオ』を配置し、終曲を『ティボルトの死』とした。その繋ぎに2曲を組み入れる」と構想を語った。 ラザレフとは11年ぶりの共演となる堀米は「来年は私のデビュー40周年。ベートーヴェン生誕250年でもあり色々と重なった。ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲は譜面づらは簡単だが、一音とも気を抜けない難しい曲。歌う要素、踊る気分など、ファンタジーを持って弾きたい」、河村も「ラザレフさんとは6年半ぶり。ブラームスのピアノ協奏曲第2番はシンフォニーのような大曲。 “熱い”演奏をする日本フィルとの共演を楽しみにしている」と抱負を語った。日本フィルハーモニー交響楽団https://www.japanphil.or.jp/■神奈川フィルが2020-21シーズン主催 公演ラインナップを発表 神奈川フィルハーモニー管弦楽団の2020-21シーズン主催公演についての記者発表が10月15日横浜にて行われた。登壇者は理事長・上野孝、専務理事・櫻井龍一、音楽主幹・榊原徹、そして常任指揮者の川瀬賢太郎の4名。 ラインナップでまず目を引くのは、定期演奏会初登場の指揮者が多いことだ。韓国出身のシーヨン・ソン、大植英次、そしてドイツ出身のガブリエル・フェルツ。ソンは、神奈川フィル定期初の女性指揮者。木嶋左より:アレクサンドル・ラザレフ、堀米ゆず子、河村尚子©山口 敦左より:川瀬賢太郎、上野 孝 写真提供:神奈川フィルハーモニー管弦楽団

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