eぶらあぼ 2019.11月号
191/209

1881月の見もの・聴きもの2020年1月の曽そし雌裕ひろかず一 編〔Ⅰ〕オーストリアウィーン国立歌劇場1月1、4、6日 J.シュトラウスⅡ:こうもり 指/N.カーター、演出/O.シェンク1月2、5日 フンパーディンク:ヘンゼルとグレーテル 指/T.ハヌス、演出/A.ノーブル1月7、10日 ロッシーニ:セビリアの理髪師 指/G.ガルシア・カルヴォ、演出/G.レンネルト◎1月9、12、16、19日 ワーグナー:ローエングリン 指/V.ゲルギエフ、演出/A.ホモキ、出/P.ベチャワ、L.ワトソン1月15 M.シャーデT 共/M.マルティノーp1月18、22、25日 ロッシーニ:チェネレントラ指/E.ピド、演出/S=E.ベヒトルフ、出/A.シラグーザ、O.ユルディズ◎1月20、24日 R.シュトラウス:サロメ 指/M.フランク、演出/B.バルロク、出/H.ペコラーロ、W.マイヤー、M.フォッレ◎1月28、31日 ヴェルディ:オテロ 指/M.フランク、演出/A.ノーブル、出/S.グールド、K.ストヤノヴァ、C.アルヴァレス1月30日 ドヴォルザーク:ルサルカ 指/T.ハヌス、演出/S=E.ベヒトルフ、出/P.ベチャワ、E.ツィトコーワ、O.ベスメルトナウィーン・フォルクスオーパー1月1(19:00)日 J.シュトラウスⅡ:こうもり 演出(校訂)/H.ツェドニク1月2(19:00)日 モーツァルト:ドン・ジョヴァンニ 演出/A.フライヤー1月3(18:00)、8(18:00)、11(18:00)日 H.アーレン:オズの魔法使い 演出/H.メイスン1月4(19:00)、9(19:00)、13(19:00)、17(19:00)、21(19:00)、24(19:00)、29(11:00)日ビゼー:カルメン 演出/G.ヨーステン1月5(19:00)、10(19:00)、14(19:00)日 オッフェンバック:にんじんの王[19年11月プレミエ] 演出/M.ダヴィッズ1月6(17:00)日 フンパーディンク:ヘンゼルとグレーテル 演出/K.デンヒ1月12(18:30)、15(19:00)、18(19:00)、20(19:00)、25(19:00)、30(19:00)日 E.カールマン:マリツァ伯爵夫人 演出/T.エンツィンガー1月16(19:00)、19(16:30)、23(19:00)、27(19:00)日 J.スタイン:ジプシー(ミュージカル)演出/W.スボトカ1月26(19:00)、31(19:00)日 ヴェルディ:椿姫 演出/H.グラツァーアン・デア・ウィーン劇場★◎1月18(19:00)、20(19:00)、23(19:00)、25(19:00)、28(19:00)、30(19:00)日R.シュトラウス:サロメ[プレミエ] 指/L.フセイン、演出/N.ハビアン、出/M.ペーターゼン、演奏/ウィーン放送響◎1月22(19:00)日 ラモー:レ・ボレアード(演奏会形式) 指/V.ルクス、出/D.カシュ、C.ウェイナンツ、M.ヴィダル、B.クリスチャンソン、演奏/コレギウム1704◎1月29(19:00)日 J.A.ハッセ:イレーネ(演奏会形式) 指/A.ハッキネン、出/V.ジュノー、M.E.ツェンチッチ、D.サヴィノヴァ、D.DQ.リー、演奏/ヘルシンキ・バロック管ウィーン・フィル[会場:無印=ムジークフェライン(ウィーン)、(KH)=コンツェルトハウス(ウィーン)、(SZG)=祝祭大劇場(ザルツブルク)](舞踏会は省略)◎1月1(11:15)日 A.ネルソンス指揮(ニューイヤー・コンサート) J.シュトラウスⅡ・ファミリー他の音楽◎1月5(11:00)、6(11:00)日 M.ヤンソンス指揮(楽友協会創立150周年記念演奏会)ベートーヴェン:エグモント〜序曲、ハイドン:天地創造〜弦の調べを合わせよ、バッハ:ヴァイオリン協奏曲第2番〜アダージョ、モーツァルト:後宮からの誘拐〜アリア、シューベルト:汝らに平安あれ、ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」 独/P.ベチャワT、A=S.ムターvn1月10(19:30)、11(15:30)、12(11:00)、14(19:30)(KH)日 V.ゲルギエフ指揮 チャイコフスキー:交響曲第1番「冬の日の幻想」、リムスキー=コルサコフ:シェエラザード1月25(19:30)(SZG)、29(19:30)(SZG)日D.バレンボイム(p)(25日)/L.シャニ(29日)指揮 → 〔ザルツブルク・モーツァルト週間〕参照ウィーン響[会場:(KH)=コンツェルトハウス(ウィーン)、(MV)ムジークフェライン(ウィーン)、(GRZ)=シュテファニーエンザール(グラーツ)、(SZG)=祝祭大劇場(ザルツブルク)、(BRZ)=祝祭劇場(ブレゲンツ)、(FRA)=アルテオーパー(フランクフルト)、(DUS)=トーンハレ(デュッセルドルフ)、(BUD)=フランツ・リスト音楽院(ブダペスト)、(ZAG)=リシンスキ・コンサートホール(ザグレブ)、(PAR)=フィラルモニー・ドゥ・パリ(パリ)]1月1(20:00)(KH)日 G.ノセダ指揮(年越しコンサート) ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」 独/L.ダヴィドセンS、A.M.キウリMs、R.トーマスT、M.フォッレBs1月11(18:00)(KH)日 P.ジョルダン指揮ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」、ああ不実な人よ、ミサ曲ハ長調〜グローリア、ピアノ協奏曲第4番、交響曲第5番「運命」、ミサ曲ハ長調〜サンクトゥス・ベネディクトゥス、幻想曲、合唱幻想曲 独/N.アンゲリッシュp、J.ワグナーS、A.フォンドゥンクMs、A.クレイトンT、H.ミュラー=ブラッハマンBs-Br1月12(15:30)(KH)、21(19:00)(KH)日P.ジョルダン指揮 ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番、交響曲第6番「田園」(12日)/【本文中の記号】★=プレミエ[新演出]公演、◎=注目公演 1月で最も注目すべき演奏会の一つとして、キリル・ペトレンコ指揮ベルリン・フィルのマーラー交響曲第6番を挙げる人は筆者の他にもたくさんいるだろう。だが首席指揮者に指名される2015年6月の約半年前、14年12月に、同じ曲を振ることになっていたベルリン・フィルの定期演奏会を彼がドタキャンしたことを覚えておられる方はあまり多くないのではないか。このキャンセルによりペトレンコの次期首席指揮者の目は完全になくなった、と誰しも思っていたところのあの大逆転劇。キャンセルの真相はもはや知りようもないが、大きな曰く付きの「マラ6」の演奏会だ。 そのペトレンコとベルリン・フィルには、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番をバレンボイムと共演するという意表を突いた演目もある。どうして専門のピアニストでなくバレンボイムなの?と詮索もしたくなるが、演奏の主導権がどうなるのかなど興味津々。 ところで1月は古楽関係と現代音楽関係で興味深い企画が並んでいる。前者はウィーンのコンツェルトハウスで行われる「Resonanzen」。詳細は10月7日発表ということで本欄では触れられなかったがぜひHPでご確認いただきたい。後者はベルリンで行われる「フェスティバル・ウルトラシャル・ベルリン」。これも本稿作成時点では全体発表がまだないが、個別にはベルリン・ドイツ響、ベルリン放送響に該当公演が見られる。また、通常の現代音楽公演であるケルンWDR響の「ムジーク・デア・ツァイト」では、コパチンスカヤがリームの弟子であるイレシュの新作ヴァイオリン協奏曲を演奏する興味深い演奏会もある。 音楽祭といえば、1月は毎年恒例の「ザルツブルク・モーツァルト週間」。今年は、ミンコフスキ指揮のヘンデル「メシアス」(『メサイア』モーツァルト編曲版)演出付上演、アンドラーシュ・シフが指揮と通奏低音を担当するモーツァルト「フィガロの結婚」という舞台作品の他、日本でもお馴染みの木管アンサンブル「レ・ヴァン・フランセ」を中心とした協奏曲集、室内楽作品集も楽しめる。さらには内田光子のピアノ協奏曲弾き振り、プルハー指揮ラルペッジャータとソプラノのレジネーヴァの共演によるヴェスペレ等々、なかなかの充実振り。 通常公演(オペラ)では、ドレスデン・ゼンパーオーパーでティーレマンが振り、フォークトがヴァルターを歌うワーグナー「ニュルンベルクのマイスタージンガー」プレミエ。すでに今年の4月に「ザルツブルク復活祭音楽祭」で上演されているが、来年夏に東京文化や新国で大野和士指揮により上演されるプロダクションでもある。他には、ワルトラウト・マイヤーの出る「サロメ」(ウィーン国立歌劇場)、ペーターゼンの出る「サロメ」(アン・デア・ウィーン劇場)、プロハスカの出るフラーの現代オペラ「すみれ色の雪」(ベルリン州立歌劇場)、バルチェッローナの出るヴェルディ「ファルスタッフ」(同劇場)、ライプツィヒ歌劇場のワーグナー「リング・ツィクルス」、ヒルスドルフ演出のスカルラッティ「カインとアベル」(エッセン歌劇場)、バルトリの出るロッシーニ「チェネレントラ」(チューリヒ歌劇場)、上演の珍しいコルンゴルト「ヴィオランタ」(トリノ王立歌劇場)など、とても書き切れない。 オーケストラでは、ソヒエフ指揮パリ管のベルリオーズ「ファウストの劫罰」、ロト指揮レ・シエクルのリュリ、ラモー他の作品(ケルンのフィルハーモニー)、ヘレヴェッヘ=コレギウム・ヴォカーレの創立50周年記念演奏会(フランクフルトのアルテオーパー)、ラトル=ロンドン響のベートーヴェン「オリーヴ山上のキリスト」やサロネン=フィルハーモニア管のヴォーン・ウィリアムズ、ムーティ=シカゴ響のツアー等々、これも挙げ切れない。ジュネーヴ大劇場でのクレバッサ(メゾソプラノ)とサイ(ピアノ)の共演にも妙にそそられるものがある。(曽雌裕一・そしひろかず)(コメントできなかった注目公演も多いので本文の◎印をご参照下さい)

元のページ  ../index.html#191

このブックを見る