eぶらあぼ 2019.10月号
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72チョ・ソンジン ©Harald Homann/DG10/6(日)~11/24(日) 北九州市立響ホール、アルモニーサンク北九州ソレイユホール、西日本工業倶楽部 他問 北九州国際音楽祭事務局093-663-6567 http://www.kimfes.com/※音楽祭の詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。2019北九州国際音楽祭東アジアへと繋がる多彩で雄大な一大イベント文:オヤマダアツシ 1988年に長い歴史の幕を開けた「北九州国際音楽祭」は、30年以上という歴史の中でさまざまな演奏を人々に届け、文化を創生してきた一大イベント。今年も10月初旬から11月後半にかけ、北九州市の「響ホール」をメイン会場として市内のカフェや大学キャンパスなどで、数多くのコンサートや市民の企画による特別プログラムなどが行われる。 今年のテーマは、地理的にも歴史的にも大陸や東アジア諸国に近い北九州市らしく、「エモーショナル─東アジアへのめざめ─」。出演する国内外のアーティストも多彩だが、80年代初頭のデビュー時より日本とベトナムの架け橋となってきたダン・タイ・ソンが音楽祭に初登場することは、大きなトピックだろう。「ピアノの詩人」とはショパンに冠される称号だが、それはショパン弾きとして世界中に名前を轟かせているこのピアニストにも当てはまる。今回は、そのショパン作品を中心としたプログラム。音楽の中に潜む世界をピアノで語るような彼の演奏は必聴だ。 パリ音楽院で学び、2015年の「ショパン・コンクール」を制した韓国出身の若手、チョ・ソンジンがベートーヴェンの「皇帝」を弾くコンサートも要注目だろう。NHK交響楽団等にも客演するマレク・ヤノフスキと、ドイツの名門であるケルン放送響の共演は、2020年の「ベートーヴェン・イヤー(生誕250年)」を目前にしたプレ祝祭コンサートだ(後半は「田園」交響曲!)。  ベートーヴェンつながりでご紹介するならば、この音楽祭ではおなじみの“マロ”こと篠崎史紀が率いる祝祭オーケストラ「マイスター・アールト×ライジングスター オーケストラ」も聴き逃せない。世代を超えた奏者が集うこのオーケストラが演奏するのは、ベートーヴェンの交響曲を3曲並べたプログラム。しかも自発的なアンサンブルによる斬新な名演を期待して、なんと指揮者なしの演奏へチャレンジするのだ。 ほかにも鍵盤楽器奏者・指揮者として引く手あまたの鈴木優人をパートナーに迎えた、人気ソプラノ歌手・森麻季のリサイタルや、国内外で活躍する5人の奏者が集う室内楽コンサートなど、クラシック音楽の多彩な面に触れることができるラインナップ。市内や周辺エリアの音楽ファンはもちろん、門司港など魅力的な観光スポットを有する街を楽しみながら、音楽祭を堪能するのもいい。秋の北九州市は、東アジアへつながる街になるのだ。下丸子うたの広場 vol.6 歌でめぐる世界の旅 心に響く日本の歌歌の喜びに浸る魅力の昼下がり文:東端哲也 「下丸子クラシックカフェ」の“マスター”などユニークなコンサートの企画でもお馴染み、作曲家/ピアニストの山田武彦が進行役を務める「下丸子うたの広場」。新シーズンを担うのは、地元アーティストや新進芸術家の支援・育成を目的に行っている公募オーディションの声楽部門で、2018年に選ばれた若手たち。今年の7月に続いて11月には第2弾の開催が決定。メンバーは大音絵莉、中村良枝、宮地江奈(以上ソプラノ)、石田滉(メゾソプラノ)、前川健生(テノール)の5人。オペラやミュー11/15(金)13:30 大田区民プラザ(小)問 チケット専用電話03-3750-1555 https://www.ota-bunka.or.jp/山田武彦ジカル・ナンバーだけでなく日本歌曲や歌謡曲まで、幅広いジャンルをカバーするのが本公演のユニークなところ。今回も《椿姫》の〈乾杯の歌〉や『マイ・フェア・レディ』の〈踊り明かそう〉に加えて〈荒城の月〉〈朧月夜〉から〈瀬戸の花嫁〉〈赤いスイートピー〉など多彩な歌の世界をギュッと詰め込んだ魅惑の60分。同日0歳児から入場可能な「番外編」(10:30)の開催も嬉しい。マレク・ヤノフスキ ©Felix Broede篠崎史紀 ©三浦興一鈴木優人 ©Marco Borggreve森 麻季©Yuji Horiダン・タイ・ソン ©佐藤寛敏

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