eぶらあぼ 2019.10月号
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7010/17(木)11:15 第一生命ホール問 トリトンアーツ・チケットデスク03-3532-5702 https://www.triton-arts.net/雄大と行く 昼の音楽さんぽ 第20回石田泰尚 & 﨑谷直人 スーパー・ヴァイオリン・ソロイスツ神奈川フィルの看板プレイヤー二人が共演!文:長谷川京介﨑谷直人 平日の昼間、ランチや映画のように生演奏を楽しむ、第一生命ホールの人気企画。音楽ライター・山野雄大のプレトークも毎回好評。第20回は、神奈川フィルの顔とも言うべき、首席ソロ・コンサートマスター石田泰尚と、ソロ・コンサートマスター﨑谷直人の最強コンビが登場。石田はYAMATO String Quartetや、男性だけの弦楽アンサンブル「石田組」のリーダー。﨑谷はウェールズ弦楽四重奏団の第1ヴァイオリン奏者として、ミュンヘン国際コンクール第3位。2人がオーケストラのトップに並ぶことはあっても、デュオでの共演は今回が初めて。プログラムは、ピアソラのタンゴやベンジャミンのルンバのほか、ドビュッシー、モシュコフスキなど、ダンサブルな作品が中心。ピアノと編曲は、作曲家・アレンジャーとしても八面六臂の活躍をしている山中惇史。エキサイティングな60分になりそうだ。2020.4/22(水)19:00 浜離宮朝日ホール問 アイエムシーミュージック03-6907-2535 https://management.imc-music.net/アンドレ・ラプラント ピアノリサイタル思索のピアニストの指先からこぼれる温かな音色に耳を澄ます文:飯田有抄©Peter Scha カナダの国宝と称され、数々のレコード賞に輝き、北米での精力的な演奏活動に加え、シャルル=リシャール・アムランというスターを育て上げた巨匠、アンドレ・ラプラント。1978年のチャイコフスキー国際コンクール第2位の経歴を持つ彼は、昨年、約40年ぶりとなった来日公演で、柔らかで美しい音色で多くの人々の心を捉えた。聴衆の願いに応えるかのように2020年もリサイタルを開催する。プログラムには内省的で洗練されたピアニズムが期待される曲目が並ぶ。バッハ=ブゾーニのアダージョ BWV564の静かな響きで幕を開け、アダージョを第1楽章に配したモーツァルトのソナタK.282が続く。リストの「巡礼の年」より〈3つのペトラルカのソネット〉と〈オーベルマンの谷〉で深いロマンティシズムを提示し、シューベルト最後のソナタD960の柔らかくも緊張感に満ちた世界へといざなう。ラプラントの濃密で温かな音楽に耳を澄ませたい。10/14(月・祝)19:00 豊洲シビックセンターホール問 TSPI 03-3723-1723 http://www.tomokoshibata.com/柴田智子(ソプラノ/ヴォーカル) Intelligible/Free/Lovely 自由で素敵なコンサート~発掘と再発見ジャンルを超えてソウルフルな歌を!文:小室敬幸 演目が〈トゥーランドット〉〈アラジン〉〈ラ・ラ・ランド〉〈パプリカ(米津玄師)〉と並んでいて、何事かと驚いてしまいそうになったが、出演者の欄に柴田智子の名を見つけて納得した。レナード・バーンスタインからの助言でオペラに目覚め、日米などのオペラハウスで主役を演じてきた正真正銘の世界的なソプラノ歌手でありつつも、彼女ほどジャンルにとらわれることなく音楽と真摯に向き合ってきた歌い手はいないからだ。一風変わったタイトルを持つ、今回の公演は彼女が長きにわたって歌ってきた得意の曲目に加え、いま日本中の子どもたちに人気の〈パプリカ〉等、“今を歌う歌”を取り上げる意欲的な企画。アメリカ音楽のスペシャリストというイメージが強いかもしれないが、近年ことに日本語の歌への思いが熱い柴田だからこその公演となるだろう。シアター(劇場)を愛する柴田の歌はその立ち居振舞いも含めて音楽となるだけに、とにかく生で聴いていただきたい。石田泰尚

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