eぶらあぼ 2019.10月号
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20612月の見もの・聴きもの2019年12月の曽そし雌裕ひろかず一 編〔Ⅰ〕オーストリアウィーン国立歌劇場12月1、4日 モーツァルト:ドン・ジョヴァンニ 指/A.フィッシャー、演出/J=L.マルティノーティ、出/L.テジエ、H=E.ミュラー12月3、6日 プッチーニ:トスカ 指/M.アルミリアート、演出/M.ヴァルマン、出/E.ムラーヴェワ、J.カレヤ、B.ターフェル★◎12月8、11、14、18、20日 O.ノイヴィルト:オルランド[プレミエ/世界初演] 指/M.ピンチャー、演出/K.グルーバー、出/K.リンゼー、F.ショー、E.ジュレナス12月10、13、15日 モーツァルト:魔笛 指/J.コンロン、演出/M.ライザー、P.コリエ、出/パク・ジョンミン、A.シャーガー、A.ジョヴァノヴィチ12月16日 R.パーペBs 共/C.ラディケp12月19、22、25日 プッチーニ:ラ・ボエーム指/M.アルミリアート、演出/F.ゼッフィレッリ、出/S.ピルグ、A.ハルティヒ★12月21、22、25、29日 A.フリース:ペルジネット(子どものためのオペラ)[プレミエ/世界初演] 指/G.G.カルヴォ、演出/M.フォン・シュテークマン12月27、30日 フンパーディンク:ヘンゼルとグレーテル 指/T.ハヌス、演出/A.ノーブル、出/B.ダニエル、S.ハウツィール12月31日 J.シュトラウスⅡ:こうもり 指/N.カーター、演出/O.シェンク、出/A.エレート、L.エイキンウィーン・フォルクスオーパー★12月1(19:00)、4(19:00)、9(19:00)、13(19:00)日 F.ロウ:ブリガドーン(ミュージカル)(セミ・ステージ形式)[プレミエ] 指/L.C.アイヒナー、舞台構成/R.クラバン◎12月2(19:00)、7(19:00)、11(19:00)、16(19:00)、20(19:00)日 オッフェンバック:にんじんの王[19年11月プレミエ] 演出/M.ダヴィッズ12月3(19:00)、30(19:00)日 カールマン:チャールダーシュの女王 演出/P.ルント12月5(18:00)、8(16:30)日 M.F.ランゲ:カンタベリー城と秘密の扉[19年10月プレミエ]演出/P.M.クレン12月12(19:00)、17(19:00)日 モーツァルト:ドン・ジョヴァンニ 演出/A.フライヤー12月14(19:00)、19(19:00)、23(18:00)、25(17:00)、28(18:00)日 フンパーディンク:ヘンゼルとグレーテル 演出/K.デンヒ12月18(18:00)、21(18:00)、26(18:00)、29(16:30)日 H.アーレン:オズの魔法使い(ミュージカル) 演出/H.メイスン12月31(13:30+19:00)日 J.シュトラウスⅡ:こうもり 演出(校訂)/H.ツェドニクウィーン・フォルクスオーパー管[会場:ウィーン・フォルクスオーパー]12月22(14:00+18:00)日 A.エシュヴェ指揮 クリスマス・コンサートアン・デア・ウィーン劇場★◎12月15(19:00)、17(19:00)、19(19:00)、22(19:00)、29(19:00)、31(19:00)日S.モニューシュコ:ハルカ[プレミエ] 指/L.ボロヴィツ、演出/M.トレリンスキ、出/P.ベチャワ、C.ウィンタース、N.カヴァレク、T.コニエチュニー、演奏/ウィーン放送響12月20(19:00)日 ヘンデル:ロドリーゴ(演奏会形式) 指/T.ノアリー、出/V.ジュノー、E.バラート、J.レジネヴァ、E.G.トロ、演奏/オルケストル・レザクサンウィーン・フィル[会場:ムジークフェライン(ウィーン)]◎12月1(11:00)、2(19:30)日 M.ヤンソンス指揮 バルトーク:管弦楽のための協奏曲、ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲、ラヴェル:ラ・ヴァルス 独/D.マツーエフp◎12月6(19:30)、7(15:30)、8(11:00)、9(19:30)日 R.ムーティ指揮 ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」、ストラヴィンスキー:妖精の口づけ(ディヴェルティメント)、レスピーギ:ローマの松 独/R.ブッフビンダーp◎12月30(11:00)、31(19:30)日 A.ネルソンス指揮(プレ・ニューイヤー・コンサート(30日)/ジルヴェスター・コンサート(31日)) J.シュトラウスⅡ・ファミリー他の音楽ウィーン響[会場:(KH)=コンツェルトハウス(ウィーン)、(MV)ムジークフェライン(ウィーン)]12月4(19:30)(KH)、6(19:00)(KH)日 S=M.ロウヴァリ指揮 シベリウス:フィンランディア(4日のみ)、ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番(4日)/ラヴェル:ツィガーヌ(6日)、シベリウス:交響曲第1番 独/N.ベネデッティvn12月7(19:00)(MV)日 J.ヴィルトナー指揮クリスマス前夜のための合唱・管弦楽曲集 司会/M.シムサ12月14(19:30)(KH)、15(11:00)(KH)日C.カリーディス指揮 モーツァルト:カッサシオン第1番K.63、ツァイーデ〜アリア、救われたベトゥーリア〜序曲、踊れ 喜べ 汝幸いなる魂よ(モテット)、レスピーギ:ローマの泉、ローマの松独/R.ミューレマンS12月18(19:30)(MV)、19(19:30)(MV)、20(19:30)(MV)日 K.ウルバンスキ指揮モーツァルト:フィガロの結婚〜序曲、ルトスワフスキ:チェロ協奏曲、チャイコフスキー:交響曲第4番 独/K.ソルターニvc12月30(20:00)(KH)、31(19:00)(KH)日G.ノセダ指揮(ジルヴェスター・コンサート) ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」 独/【本文中の記号】★=プレミエ[新演出]公演、◎=注目公演 ウィーン・フィルは、元旦のニューイヤー・コンサートと同じプロを年末12月30日と31日にも行う(チケットは残念ながら完売)が、その指揮者はネルソンス。では彼が常任指揮者を務めるライプツィヒ・ゲヴァントハウス管の年末「第九」公演を振るのは誰かというと、何とダニエレ・ガッティが担当する。セクハラ疑惑なるもので、一時、第一線の指揮台から消えていたガッティだが、この春には首席指揮者を解任されたロイヤル・コンセルトヘボウ管とも和解が成立して、最近では有名オケへの登場も徐々に増えており、12月はローマ歌劇場でヴェルディ「シチリア島の夕べの祈り」のプレミエ公演も振る予定になっている。 年末の「第九」公演は、日本からの逆輸入現象か、最近ではヨーロッパでも頻繁に行われるようになってきたが、数ある公演のうち、本文では、バレンボイム指揮シュターツカペレ・ベルリン、ナタリー・シュトゥッツマン指揮バンベルク響、ウェルザー=メスト指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管の3公演を注目公演とした。特に、ウェルザー=メストは最近ヨーロッパでの公演が増えており、コンセルトヘボウ管の他にも、バイエルン放送響に客演して、アブラハムセンのピアノ協奏曲やR.シュトラウスの「家庭交響曲」などを演奏する。 一般的な注目度の高さということでは、8月からベルリン・フィルの首席指揮者に就任したキリル・ペトレンコの振る同オケのジルヴェスター・コンサート。ガーシュウィン、バーンスタイン、コール・ポーター、フレデリック・ロウ、ワイルと並べたミュージカル・ヒット・メドレーとも言えるようなプログラムだが、ペトレンコの熱狂的な指揮のもと、演奏会もヒートアップすること間違いない。 そのベルリン・フィルは、ペトレンコ以外にも、12月は、ティーレマン、フルシャ、ハーディングという強力な指揮者陣で充実した企画を組んでいる。対するウィーン・フィルにも、年末のネルソンスに加えて、ヤンソンスとムーティというビッグネームが登場。ヤンソンスの体調不安がやや気がかりだが、この2大オケの12月の充実度はなかなか凄い。なお、ティーレマンは手兵のシュターツカペレ・ドレスデンと共に、ベートーヴェンの交響曲ツィクルスにも着手する。その他、大野和士指揮バルセロナ響の「メサイア」、サロネン指揮パリ管のマーラー3番、ガーディナー指揮でコンセルトヘボウ管とのシューマンとスカラ座管とのベルリオーズ「キリストの幼時」なども注目公演。クルレンツィス指揮SWR響のマーラー9番というのもある。 オペラでは、個人的には、ハンブルク州立歌劇場で年末に上演されるワーグナー「ローエングリン」が一押し。ペーター・コンヴィチュニー演出の最高傑作とも言われる学校を舞台とした「ローエングリン」にいよいよフォークトが登場する。ケント・ナガノの指揮も熱を帯びるに違いない。フォークトは同劇場でコルンゴルト「死の都」にも出演するが、ミュンヘンのバイエルン州立歌劇場ではペトレンコの指揮のもと、カウフマンが同役を歌うという、2大人気テノールの「死の都」対決が実現する。ミラノ・スカラ座のシーズン・オープニングはネトレプコ出演予定の「トスカ」。スカラ座ではドミンゴ・ガラもある。ミンコフスキ指揮のオッフェンバック「ラ・ペリコール」やメトで「ばらの騎士」をラトルが振る公演も重要。その他、ウィーン国立歌劇場のノイヴィルト「オルランド」、アン・デア・ウィーン劇場のモニューシュコ「ハルカ」、フランクフルト歌劇場のフォーレ「ペネロープ」、バイエルン州立歌劇場のアブラハムセン「雪の女王」、パリ・オペラ・コミークのメサジェ「フォルテュニオ」なども要注目。ヘンゲルブロック指揮バルタザール=ノイマン=アンサンブルとクリスティ指揮レザール・フロリサンの公演も見逃せない。(曽雌裕一・そしひろかず)(コメントできなかった注目公演も多いので本文の◎印をご参照下さい)

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