200CDCDCDエルガー:交響曲第1番/尾高忠明&大阪フィルJ.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲/タマーシュ・ヴァルガ竹村浄子プレイズ・シューマンクラリネット室内楽作品集/磯部周平エルガー:交響曲第1番尾高忠明(指揮)大阪フィルハーモニー交響楽団J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番~第6番タマーシュ・ヴァルガ(バロック・チェロ)シューマン:子供の情景、幻想曲 ハ長調竹村浄子(ピアノ)サン=サーンス:クラリネット・ソナタ/ブラームス:クラリネット三重奏曲/フランセ:クラリネット五重奏曲/ヒンデミット:クラリネット五重奏曲より第5楽章磯部周平(クラリネット)、岡崎悦子(ピアノ)、モルゴーア・クァルテット【荒井英治 戸澤哲夫(以上ヴァイオリン) 小野富士(ヴィオラ) 藤森亮一(チェロ)】収録:2019年1月、フェスティバルホール&サントリーホール(ライヴ)オクタヴィア・レコードOVCL-00693 ¥3000+税カメラータ・トウキョウCMCD-15153~4(2枚組) ¥3000+税ディスク クラシカ ジャパンDCJA-21044 ¥2500+税収録:2003年11月、紀尾井ホール(ライヴ)マイスター・ミュージックMM-4064 ¥3000+税尾高忠明定評のエルガー。特にこの交響曲第1番は内外のオケで100回以上演奏し、録音も当盤含め4種類ある。尾高は大阪フィルとエルガーは相性がいいと公言している。大阪フィルの「浪花節」的ともいえる熱いパッションをぶつける演奏は、尾高の新境地ともいえるだろう。一方でモットー主題のようにエルガーらしい高貴な楽想は、その対比として悠然と美しく演奏される。変化に富む楽想を丁寧に彫琢するのが尾高の持ち味だ。緩徐楽章の透明な音色や内省的な祈りの歌、終楽章の激しい闘争と高揚、そしてすべてをのみ込むモットー主題。尾高の到達した味わい深い円熟の境地。(横原千史)ウィーン・フィル(VPO)の首席チェリスト、タマーシュ・ヴァルガの「無伴奏」は意外なことにバロック・チェロを用いているが、しかしその演奏は全くバロック的ではない。そして当演奏の美質は、まさにそこにこそある。ヴァルガの母体VPOの「黄金の中庸」を地で行く言葉の最良の意味でのオーソドックスな演奏が、誠に美しいチェロの音色によって映えること映えること…。イタリア・聖クローチェ美術館の音響および録音も素晴らしく、聴き手はしばし現実世界を忘れてこの「楽園」に遊ぶことになるだろう。バッハも弾き手も超えた美の世界。 (藤原 聡)歌曲の共演者としても多くの演奏家の信頼厚く、全国的に活動を展開するピアニストの竹村浄子。彼女にとってシューマンは、デビューCDのプログラムにも選んでいることからもわかる通り、人生のテーマのような存在である。あたたかくも、どこか哀しみの表情も見せる“回顧”が描かれた「子供の情景」と鮮烈な愛情が溢れる「幻想曲 ハ長調」という組み合わせは、心の機微を繊細に描き出す竹村のピアニズムと非常に合致している。音色は柔らかくも多彩に変化し、次々移り変わる心情の変化を鮮烈に聴き手へと提示する。歌を愛する彼女だからこそ作り出せるシューマンの世界だ。(長井進之介)2003年のライヴ録音のリマスター盤。当時N響の首席奏者だった磯部周平が実力者たちと組んで、大作曲家がクラリネットのために書いたデュオ、三重奏、五重奏の名作を聴かせる。プログラム的には、1891〜1977年に書かれた近代の作品、すなわち精緻な音楽揃いである点が妙味。磯部は、まろやかな音色で品格のある演奏を展開し、サン=サーンスのソナタの哀歌(第3楽章)やブラームスの三重奏曲のしみじみとした味わい、フランセの五重奏曲の小粋なエスプリなど、終始耳を楽しませる。リマスターによるクリアかつナチュラルなサウンドも聴きもの。 (柴田克彦)CD
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