eぶらあぼ 2019.10月号
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193コンサートギャラリーチケット発売情報News & TopicsNew Release Selection新譜情報TV&FMBooks海外公演情報今月の注目公演公演情報ぶらPAL 同コンペティションは、世界最大級の規模を誇るピアノコンクールで、今年は全3部門23の級に延べ約45,000組が参加した。 特級ファイナルでサン=サーンスのピアノ協奏曲第5番を弾き、グランプリに輝いた亀井は、2001年生まれの17歳。全日本学生音楽コンクール全国大会ピアノ部門高校の部第1位入賞。愛知県立明和高等学校音楽科を経て、19年飛び入学特待生として桐朋学園大学に入学。現在桐朋学園大学1年在学中。上野久子、岡本美智子、長谷正一に師事。 亀井には、褒賞総額120万円および聴衆賞100万円、文部科学大臣賞、スタインウェイ賞、海外(ウィーン、ポーランド)を含む褒賞演奏会の機会が与えられる。ピティナ・ピアノコンペティションhttps://compe.piano.or.jp/■稲森安太己が第29回芥川也寸志サン トリー作曲賞を受賞 第29回芥川也寸志サントリー作曲賞(旧称:芥川作曲賞)の選考会が8月31日に行われ、サントリーホールでの演奏会による公開選考の結果、稲森安太己(いなもり・やすたき)の「『擦れ違いから断絶』大アンサンブルのための」が受賞した。「豊かな色彩感覚と優れた作曲技術により、傾(かぶ)いた全体像が浮かび上がった」点が高く評価された。 芥川也寸志サントリー作曲賞は、故・芥川也寸志の功績を記念して、サントリー音楽財団(現:公益財団法人 サントリー芸術財団)により1990年に創設。わが国の新進作曲家のもっとも清新にして将来性に富む作品を対象に、演奏会形式により公開選考を行う。31日の選考終了後、すぐにサントリーホールのステージにおいて贈賞式が実施され、同財団代表理事である堤剛より賞状と賞金(150万円)が授与された。稲森には同財団よりオーケストラのための新作が委嘱され、完成後に同財団主催の演奏会で初演される。〈稲森安太己 略歴〉1978年生まれ。東京学芸大学及びケルン音楽大学で、山内雅弘、ミヒャエル・バイル、ヨハネス・シェルホルンに師事。2007年日本音楽コンクール第1位、現在、デトモルト音楽大学及びケルン音楽大学非常勤講師。芥川也寸志サントリー作曲賞https://www.suntory.co.jp/sfa/music/akutagawa/■新日本フィルが「ふるさと納税型クラ ウドファンディング」を今年も実施 すみだトリフォニーホールを本拠地とする新日本フィルハーモニー交響楽団は、「音楽の力で人とまちを元気に」と題し、フランチャイズ契約を結んでいる墨田区が実施する「ガバメントクラウドファンディング(GCF)」プロジェクトに今年も参加することを発表した。GCFとは、自治体がオーナーとなり、ふるさと納税の仕組みを使ってプロジェクトに共感した人々から寄附を募る制度。昨年は、3,100万円余りの寄附を集めたが、3年目となる今年は、目標を3,000万円に設定。 新日本フィルを応援したい人がふるさと納税サイト「ふるさとチョイス」を通じて墨田区に寄附金を支払うと、同区は、新日本フィル演奏会チケットのプレゼント、「まちかどコンサート」の実施、同フィルの過去の演奏録音アーカイブ作成など芸術文化の普及・発展のための財源として活用する。寄附をした人は納税時に寄附金控除が受けられ、プロジェクトの返礼品として小澤征爾が同フィルを振った音源を収録した非売品の特製CDや当時のプログラム冊子のレプリカ、演奏会チケットなどが贈られる予定(寄附金額により返礼品は異なる)。受付は12月31日まで。新日本フィルハーモニー交響楽団https://www.njp.or.jp/■訃報:ラドミル・エリシュカ チェコ出身の名指揮者、ラドミル・エリシュカが9月1日にプラハで死去した。88歳。 1931年生まれ。ヤナーチェクの高弟ブチェティスラフ・バカラに学ぶ。名門、カルロヴィ・ヴァリ交響楽団の首席指揮者・音楽監督として69年から90年まで活躍。2001年から13年までチェコ・ドヴォルザーク協会会長も務め、プラハ音楽大学で指揮法を教えた。04年に初来日。NHK交響楽団をはじめ、日本の多くのオーケストラを指揮して人気を博し、特にドヴォルザークやスメタナなどチェコ音楽の魅力を広めた。08年から15年まで札幌交響楽団の首席客演指揮者を務めた。15年からは同楽団名誉指揮者。17年10月に最後の来日公演を行った。札響とは42公演で共演し、14タイトルのCDをリリースした。写真提供:サントリーホール©Masahide Sato

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