eぶらあぼ 2019.10月号
194/229

191コンサートギャラリーチケット発売情報News & TopicsNew Release Selection新譜情報TV&FMBooks海外公演情報今月の注目公演公演情報ぶらPALスするコンサートがもう一つ行われる。「絆」をテーマに、グレツキ「すべて御身に」、ブラームス「ドイツ・レクイエム」より第4曲など。夜はイギリスから招聘された声楽アンサンブル、スティレ・アンティコのスペシャル・コンサート。小ホールでは「日本の合唱指揮者7人 Part I」とチルコットのワークショップ。 5月24日午後にはイギリスから招かれた合唱団コモティオの演奏会。夕方からは〈クロージング・コンサート「平和──自由への叫び」〉では、浅井敬壹指揮合唱団京都エコーによるショスタコーヴィチ「革命詩人による十の詩曲」。グランド・フィナーレではチルコットへの委嘱作品「Make me a channel of your peace」が世界初演される。小ホールでは「日本の合唱指揮者7人 Part Ⅱ」。 合唱ファン、音楽ファンにはたまらない「合唱と平和」の祭典になることは間違いない。今から来年5月が待ち遠しい。取材・文:横原千史Sing for Peace~KYOTO 2020 コーラス・フェスティバル~https://www.kyotoconcerthall.org/singforpeace2020/■東響が2020年シーズンラインナップ を発表 音楽監督ジョナサン・ノットと東京交響楽団の7年目となる2020年シーズンの内容が発表された。ノットは定期演奏会5公演、川崎定期演奏会3公演、東京オペラシティシリーズ2公演、名曲全集1回、特別演奏会〈第九公演〉2公演の計13公演でタクトを執る。新シーズンの定期演奏会はノットが指揮するウォルトンの大作オラトリオ「ベルシャザールの饗宴」で開幕(2020.4/25,4/26)するが、最大の話題はノット指揮のワーグナーの楽劇《トリスタンとイゾルデ》の全曲演奏(演奏会形式)。2回に分けて演奏され(定期10/11,10/17 川崎10/9,10/15)、トリスタン役にブライアン・レジスター、イゾルデ役にリサ・リンドストロームら世界水準の歌手が集結するなど、オペラファンとオケファンの両方を魅了させるステージになりそう。また、生誕250年のベートーヴェンにもスポットを当て、ノットも交響曲第2番(4/18)と第9番(12/28,12/29)を振るほか、客演では下野竜也が《フィデリオ》序曲&《レオノーレ》序曲全3曲(5/30)を、さらに井上道義がピアノ協奏曲第4番(独奏:ネルソン・ゲルナー)とショスタコーヴィチの交響曲第6番を組み合わせる(2021.3/27)など充実した内容となっている。東京交響楽団http://tokyosymphony.jp/■「Sing for Peace~KYOTO 2020  コーラス・フェスティバル~」制作発表 2020年は東京でオリンピック・パラリンピックが開催されるが、京都では世界的規模のコーラス・フェスティバルが開かれる。題して「Sing for Peace〜KYOTO 2020 コーラス・フェスティバル〜」。 京都コンサートホール開館25周年を記念する事業であり、開催期間は5月22日から24日までの3日間。テーマは「合唱と平和」。音楽監督に日本合唱界の重鎮・浅井敬壹、特別ゲストに作曲家で指揮者のボブ・チルコットを招く。合唱は、このフェスティバルのために公募で結成される特別合唱団「Sing for Peace Festival Choir (SPFC) 」のほか、海外からの合唱団、そして日本の各地からも多くの合唱団が参加する(総勢約1,500人見込)。 9月2日に記者発表が行われ、概要とテーマソングが発表された。テーマソングは作詞を詩人・谷川俊太郎に依頼し、平田あゆみが作曲した「平和の歌」。作曲者によれば「谷川さんの詩は口ずさむ感覚を重視していて、歌の詩にふさわしい。水を比喩として平和を書いたもの。曲は8月半ばに完成した」とのことで、同作は壮大なスケールを感じさせる合唱曲である。 フェスティバル初日、22日の昼からは〈プレ・コンサート〉として、京都市内の寺院や博物館など10ヵ所でア・カペラ合唱が繰り広げられる。夜の〈オープニング・コンサート〉では浅井敬壹指揮SPFCがテーマソング「平和の歌」を、広上淳一指揮京都市交響楽団とSPFCがチルコット「レクイエム」(抜粋)とベートーヴェンの交響曲第9番を演奏する。 翌23日午前はチルコットがプロデュースするコンサート。「世界はひとつ」をテーマとして、自作の「世界を変えた5つの日」、ブリテン「グロリアーナ」より第2舞曲などを取り上げる。午後はポーランドから招待されたNFMクワイアの演奏会とチルコットがプロデュー左より:古瀬まきを(オープニングソリスト)、富岡 健(Sing for Peace Festival Choir合唱指揮)、浅井敬壹(音楽監督)、平田あゆみ(テーマソング作曲)、佐藤ますみ(実行委員長・京都コンサートホール 事業企画課長) ©dorian nakagawa

元のページ  ../index.html#194

このブックを見る