eぶらあぼ 2019.9月号
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157コンサートギャラリーチケット発売情報News & TopicsNew Release Selection新譜情報TV&FMBooks海外公演情報今月の注目公演公演情報ぶらPALに加え、同歌劇場管弦楽団がチャイコフスキーの交響曲全6曲と協奏曲5曲をとりあげるオーケストラ・コンサート(12/5〜12/7)から成るビッグ・プロジェクト。 以下はゲルギエフのコメント。 「今回、オペラは日本でも人気の高い《スペードの女王》と、上演機会が少ないのですが、素晴らしいオペラ《マゼッパ》を上演します。《スペードの女王》は、あらゆる世代の歌手が歌ったことのあるチャイコフスキーの偉大なオペラで、ドラマティックでとても壮大な作品。アレクセイ・ステパニュクによる新しい演出と、マリインスキー歌劇場の歌手たちの歌や演技を楽しんでいただければと思います。《マゼッパ》は歌手たちに声量とスタミナを要求するオペラ。現在のマリインスキー歌劇場を支える歌手たちが大勢出演しますので、ぜひご期待ください。20代半ばで指揮者としてのキャリアをスタートした際、《戦争と平和》の次に指揮したオペラが《マゼッパ》でした。この大作は通常、ベテラン指揮者が振るのですが、当時まだ駆け出しだった私は、なんとかこの大作を成功に導くことができ、今ここにいることができています。 オーケストラ公演では、ピアノ協奏曲第1番は辻井伸行さん、第2番・第3番はセルゲイ・ババヤンさんに演奏していただきます。ババヤンさんはダニール・トリフォノフの師でもある非常に優れたピアニストで、とても信頼しています。また、ヴァイオリニストの五嶋龍さん、チェリストのアレクサンドル・ブズロフさんにも出演していただきます。チャイコフスキーの交響曲を全曲演奏することにより、約30年にわたる彼の作曲家としての成長の過程を感じていただけるはずです」チャイコフスキー・フェスティヴァル201911/30(土)〜12/7(土) 東京文化会館、サントリーホールhttps://www.japanarts.co.jp/tf2019/※フェスティヴァルおよびオーケストラの全国公演の詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。■原田慶太楼が米サヴァンナ・フィル音楽 監督兼芸術監督に就任 欧米を中心に活躍する若手指揮者、原田慶太楼が2020/21シーズンからアメリカ・ジョージア州を本拠とするサヴァンナ・フィルハーモニックの音楽監督兼芸術監督に就任することが発表された。 原田は1985年生まれの34歳。17歳で単身渡米してアメリカを中心に研鑽を積み、2010年にはタングルウッド音楽祭で小澤征爾フェロー賞を受賞。シンシナティ交響楽団およびシンシナティ・ポップス・オーケストラでアシスタント・コンダクターを4年間務めた。今年8月初旬には「フェスタサマーミューザKAWASAKI」でのN響との初共演が話題を呼ぶなど、国内主要オーケストラとの共演も多い。オペラの分野では《ドン・パスクワーレ》《連隊の娘》《トスカ》などの作品を手がけ、昨年はブルガリア国立歌劇場の来日公演《カルメン》でタクトを執り、高い評価を受けた。20年1月にはノースカロライナ・オペラ《道化師》にも登場予定。Savannah Philharmonic Orchestrahttps://savannahphilharmonic.org/■第27回「渡邉曉雄音楽基金」音楽賞・ 特別賞発表 日本指揮界の重鎮として活躍した故・渡邉曉雄の遺志を引き継ぎ1992年に創設された「公益信託 渡邉曉雄音楽基金」の趣旨に基づく「渡邉曉雄音楽基金音楽賞・特別賞」の受賞者が発表された。次代の音楽界を担う優秀な指揮者、およびオーケストラ界の貢献者に贈られるもので、今回「音楽賞」は該当者なし。「特別賞」の受賞者として本名徹次(指揮者)と山田正幸(「いしかわ・金沢 風と緑の楽都音楽祭」総合プロデューサー)が決定した。【授賞理由】本名徹次:本名氏は日本およびアジア・ヨーロッパのオーケストラで旺盛な指揮活動を続ける中、2001年からベトナム国立交響楽団ミュージック・アドヴァイザー兼指揮者に就任、09年には音楽監督兼首席指揮者に就任、ベトナムを拠点とし現在に至る。ベトナムにおけるオーケストラ文化の普及・振興のみならず、同楽団を率いてアメリカ、イタリア、日本、ロシアツアーを行うなど、国際発信・交流も積極的に行い、文化交流使節としての楽団の役割と、著しい演奏水準向上の双左より:山田正幸、本名徹次写真提供:日本フィルハーモニー交響楽団©Claudia Hershner

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