eぶらあぼ 2019.8月号2
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151コンサートギャラリーチケット発売情報News & TopicsNew Release Selection新譜情報TV&FMBooks海外公演情報今月の注目公演公演情報ぶらPAL 最高位に輝いたリーは、1992年生まれの27歳。クリーヴランド音楽院に学び、ハイメ・ラレード、ジャン・スローマンに師事。ファイナルでは、モーツァルトとチャイコフスキーの協奏曲を演奏した。第3位の友滝は、95年生まれの23歳。ベルリン芸術大学に学び、ラティツァ・ホンダ=ローゼンベルクに師事。 セミファイナルの開催日ごとに聴衆の投票で決定する聴衆賞には、古澤香理(6/21・日本)、シャノン・リー(6/22)、アンドレア・オビソ(6/23・イタリア)の3名が選ばれた。(年齢はコンクール開催時)仙台国際音楽コンクールhttps://simc.jp/■2019年度武満徹作曲賞 受賞者決定 2019年度武満徹作曲賞 本選演奏会(審査員:フィリップ・マヌリ)が6月9日、東京オペラシティコンサートホールにて行われ(演奏:阿部加奈子指揮 東京フィルハーモニー交響楽団)、受賞者が決定した。受賞者と作品は以下の通り。【受賞者・作品】◎第1位 シキ・ゲン(中国)地平線からのレゾナンス (賞金100万円)◎第1位 パブロ・ルビーノ・リンドナー(アルゼンチン)Entelequias (賞金100万円)◎第2位 スチ・リュウ(中国)三日三晩、魚の腹の中に(賞金60万円)◎第3位 ツォーシェン・ジン(中国)雪路の果てに(賞金40 万円) 「武満徹作曲賞」は、より創造的な音楽文化の可能性を育むため、東京オペラシティ文化財団が世界の次代を担う若い世代に新しい音楽作品の創造を呼び掛けるもので、ただ一人の作曲家が審査員をつとめるというユニークさと、受賞者のその後の活躍などにより、世界的に知られている。21回目となる今回は、世界31ヵ国83作品の応募があり、2018年10月中旬から11月下旬の譜面審査(作曲者名等の情報は伏せ、作品タイトルのみ記載されたスコアを使用)で4名がファイナリストに選ばれていた。 第1位のゲンは、1995年河北省生まれ。現在、オーストリアのグラーツ音楽大学大学院修士課程に在籍し、ゲルト・キュール、ベアート・フラーの各氏に師事。多くの作曲賞を受賞しており、作品は、オーストリア、イタリア、フランス、中国、タイで演奏されている。第1位を分け合ったリンドナーは、86年ブエノスアイレス州生まれ。現在、アルゼンチン劇場オーケストラで第2ヴァイオリン首席奏者を務める一方、ラプラタ大学で作曲を学び、作曲家としても活動。モーリス・ラヴェル・コンクール(イタリア)などで受賞歴がある。 フィリップ・マヌリは、ファイナリストについて「4曲とも作曲家がオーケストラに魅了されているという点で素晴らしかったと思います。(中略)現在、オーケストラ作品を書くということは容易ではありません。音色の組み合わせの可能性は限りなくあり、伝統の重みも壁になり得ます。どのように選択をするのか、あるいはどのように歴史から逃げるのか。今日発表した彼ら若い作曲家たちは、この伝統を続ける決意をしました。もし彼らに1つアドバイスを渡すとしたら、次のことを伝えるでしょう。今日のオーケストラはどのような姿になり得るのか、考えてみて欲しいということです」と評した。 20年度「武満徹作曲賞」は、トーマス・アデス(イギリス)を審査員に迎え、2020年5月31日(日)に開催される。武満徹作曲賞https://www.operacity.jp/concert/award/■藤田真央が「岩谷時子 Foundation  for Youth」受賞 ピアニストの藤田真央が「岩谷時子 Foundation for Youth」を受賞した。同賞は、日本の音楽や芸術の発展・振興に寄与することを目的とし、2009年7月に設立された岩谷時子音楽文化振興財団が、音楽・芸術を志す個人・団体に対する奨学金の給付、人材育成に関する助成事業の一環として2011年に制定した。故・岩谷時子は文化功労者にも選ばれた日本を代表する作詞家の一人。 藤田は、1998年東京都生まれ。3歳からピアノを始める。2016年には、浜松国際ピアノアカデミーコンクール、17年には第27回クララ・ハスキル国際ピアノ・コンクールで優勝。今年6月には、第16回チャイコフスキー国際コンクール ピアノ部門で第2位に入賞し、大きな注目を集めている。岩谷時子音楽文化振興財団http://www.iwatanitokiko.org/2019年度武満徹作曲賞審査員と受賞者撮影:大窪道治 提供:東京オペラシティ文化財団

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