eぶらあぼ 2019.7月号
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63フェスタサマーミューザKAWASAKI 2019祝15回!コアファンもビギナーも楽しめるオーケストラ真夏の祭典、その魅力を一挙紹介!文:オヤマダアツシ7/27(土)~8/12(月・休)ミューザ川崎シンフォニーホール、昭和音楽大学テアトロ・ジーリオ・ショウワ問 ミューザ川崎シンフォニーホール044-520-0200 https://www.kawasaki-sym-hall.jp/※各公演の詳細は、今月号折込のパンフレットおよび上記ウェブサイトでご確認ください。 毎夏の恒例となった音楽祭「フェスタサマーミューザ」も今年で15回目。首都圏のオーケストラを同じホール(ミューザ川崎シンフォニーホール)で聴けるという画期的なこの音楽祭だが、今年もそれぞれのオーケストラと指揮者が趣向を凝らした選曲で次々に登場し、17日間にわたって個性を競い合う。普段聴いているオーケストラがミューザ川崎ではどのような音で聞こえるのか、という楽しみ方をする聴き手も多いようで、公開リハーサルや指揮者のプレトークなども好評だ。「サンダーバード」で幕開け オープニングのコンサートは昨年に続き、ジョナサン・ノットとホールのホスト・オーケストラである東京交響楽団が登場(7/27)。しかもいきなり人気特撮番組『サンダーバード』の組曲(ノット自身の構成!)だというから驚く。新日本フィルハーモニー交響楽団は音楽監督である上岡敏之の指揮で、プロコフィエフの「ロメオとジュリエット」組曲(抜粋)を(7/28)。ミューザ川崎になじみ深い小川典子がラフマニノフのピアノ協奏曲第2番で共演するというロシア・プログラムだ。東京都交響楽団は、首席客演指揮者のアラン・ギルバートと共にこの音楽祭へ登場するのが初めて(7/29)。レスピーギの色彩的な交響詩ほかで新鮮なサウンドを聴かせる。神奈川フィルハーモニー管弦楽団は、おなじみとなった常任指揮者の川瀬賢太郎と共にラテン系の音楽を(7/30)。ジャズ・ギタリストの渡辺香津美が「アランフェス協奏曲」を演奏するという、斬新な試みにも期待大である。読売日本交響楽団は井上道義を指揮台に迎え、ブルックナーの交響曲第8番一本勝負で登場(7/31)。生命が躍動するような演奏を聴かせてくれるに違いない。 NHK交響楽団は注目の指揮者である原田慶太楼と共に、ファミリー層も楽しめる名曲プログラムを(8/3)。チケット売り切れ必至のピアニスト、反田恭平がガーシュウィンを弾くのも興味深い。東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団は、首席客演指揮者に就任した藤岡幸夫の“こだわり”プログラム(8/6)。没後30年となる芥川也寸志の交響曲第1番に加え、多くのチェリストから讃えられる鬼才、ジョヴァンニ・ソッリマがドヴォルザークの協奏曲を弾く。日本フィルハーモニー交響楽団は、小林研一郎の指揮によるベートーヴェンほか安定と熱狂のプログラム(8/7)。活躍の場を広げている俊英ピアニスト、藤田真央がチャイコフスキーの協奏曲第1番を弾くのも注目だ。東京フィルハーモニー交響楽団は、この音楽祭に何度も登場したダン・エッティンガーと共にチャイコフスキーの「悲愴」交響曲などを(8/11)。フルーティストの高木綾子がモーツァルトの協奏曲第1番を演奏し、可憐な花を添える。ショスタコ「5番」でエンディングそして音楽祭のフィナーレは、尾高忠明と東京交響楽団による堅牢なショスタコーヴィチで(8/12)。昨年の浜松国際ピアノコンクールで優勝したジャン・チャクムルが、シューマンの協奏曲を颯爽と演奏するのも注目だ。 注目すべきは「首都圏以外からの参加」となる仙台フィルハーモニー管弦楽団だろう(8/4)。高関健の指揮、郷古廉のヴァイオリンでチャイコフスキーの作品ほかを演奏するが、このオーケストラを初めて聴くという方はこのチャンスを逃しませんよう。その他、昭和音楽大学のホールで行われる2つの名曲コンサートや、川崎市内の2つの音楽大学による新鮮な演奏ほか、盛りだくさんの音楽祭は今年も注目度満点だ。昨年のオープニング・ファンファーレとオープニング・コンサートの模様 ©青柳 聡

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