eぶらあぼ 2019.6月号
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69ウィーン少年合唱団令和に響く美しきハーモニー文:原 典子5/29(水)14:00 東京芸術劇場 コンサートホール6/14(金)13:30、6/15(土)14:00、6/16(日)14:00 東京オペラシティ コンサートホール問 ジャパン・アーツぴあ0570-00-1212 https://www.japanarts.co.jp/wsk2019/※プログラムは公演により異なります。全国ツアーの詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。 新緑が鮮やかに輝きはじめる季節に、毎年日本を訪れるウィーン少年合唱団。今年も4月の終わりにカペルマイスターのマノロ・カニン率いるブルックナー組の26名が来日し、約1ヵ月半にわたる全国ツアーがスタートした。2019年は日本とオーストリアの国交樹立150周年にあたる記念年であり、さらに日本の皇室とも縁の深いウィーン少年合唱団にとって「令和元年」のツアーは特別なものであるに違いない。 今回のツアーでは「日本・オーストリア友好150周年記念プログラム」と題して、プログラムAとBの2種類が組まれている。両国で愛されている歌や、ヨーロッパ音楽史のさまざまな時代から選ばれた合唱曲、王宮礼拝堂の聖歌隊として創設されたウィーン少年合唱団の500年以上にもわたる歴史を伝える宗教曲などを軸に、ポップスやミュージカル・ナンバーまで含むヴァラエティに富んだ内容だ。さらに今年は、上皇陛下が作詞され上皇后陛下が作曲された「歌声の響」、上皇后陛下が作詞された「ねむの木の子守歌」、そして令和の幕開けを祝ってウィーン少年合唱団の芸術監督であるゲラルト・ヴィルト自ら作曲した新曲「Peace within(内なる平和)」が披露される。ツアーを前にした記者会見でヴィルトは「この曲は、花はあなたの内に咲く、その美しさを見つめながら平和を祈ってほしいという想いを込めて作りました」とコメント。英語では“Beautiful Harmony”という意味を持つ令和の時代を、天使の歌声とともに迎えてみてはいかがだろうか。©www.lukasbeck.com夏休み子ども音楽会2019今年の夏は親子でオペラ!文:東端哲也8/4(日)13:00 東京文化会館問 東京文化会館チケットサービス03-5685-0650 https://www.t-bunka.jp/ 上野にあるクラシック音楽の殿堂・東京文化会館が毎年、夏休みの子どもたちに向けて開催する恒例企画が「夏休み子ども音楽会」(小学生以上対象)。東京都交響楽団の演奏する名曲たちを解説付きで堪能できる本格派のコンサートだ。 親子でも楽しめる約1時間のプログラムだが、実は大人だけで来場している音楽ファンも結構多いのだとか。今年はイタリアものを中心にオペラの世界をたっぷりと。指揮&トークを担当するのは、20世紀の巨匠カラヤンのアシスタントとして活躍した(ベルリン・フィルの演奏会では急病になったマエストロの代役をジーンズ姿で務めて話題となった)山下一史。モーツァルト《フィガロの結婚》序曲やヴェルディ《アイーダ》の凱旋行進曲、ロッシーニ《ウィリアム・テル》序曲など、前回の東京オリンピックの記念文化事業として1965年に設立された経緯を持つ都響が演奏することで祝祭的な雰囲気も漂う名テーマが勢揃い。加えてプッチーニ《ジャンニ・スキッキ》と《トゥーランドット》からの名アリアを、それぞれ東京音楽コンクール入賞者である、ソプラノの種谷典子とテノールの宮里直樹が受けもつのも楽しみだ。 このコンサートは、上野の森でぞんぶんに音楽を楽しめる「UENO music HOLIDAY」の一環。当日は、東京文化会館内で未就学児を含む子どもを対象とした参加型ワークショップが複数開催されるほか、ロビーでは上野動物園への無料入園をはじめ周辺エリアの美術館や博物館と連携したお得な「上野1dayパス」への引き換えも実施(音楽会のチケット提示が必要)されるので、こちらもぜひチェックを!種谷典子宮里直樹山下一史 ©ai ueda

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