eぶらあぼ 2019.6月号
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157コンサートギャラリーチケット発売情報News & TopicsNew Release Selection新譜情報TV&FMBooks海外公演情報今月の注目公演公演情報ぶらPAL 展覧会は今年10月から来年9月まで兵庫、福岡、東京、静岡で開催される予定で、ショパンにまつわる多種多様な美術作品、資料などが展示され、ショパンの音楽と人生が俯瞰できる形となっている。ポーランドの国立フリデリク・ショパン研究所の全面的な協力を得て企画・実施するもので、ワルシャワ国立博物館、オランダ・ドルトレヒト美術館など、国内外から貴重な資料が提供される。 みどころは大きく分けて5項目。ひとつ目は「日本初公開の自筆の楽譜と手紙」。これらは厳重に保管され、現地でも公開は限定されている貴重な資料。とりわけ「エチュード ヘ長調 作品10の8」自筆譜(製版用)と「自筆の手紙―パリのヴォイチェフ・グジマワ宛て(エディンバラ、1848年10月3日)」が大きな意義をもつ。2つ目はアリ・シェフェール作の日本初公開「フリデリク・ショパンの肖像」。1847年に描かれた油彩画で、おだやかな表情のショパンの絵である。3つ目は「日本におけるショパン受容」。明治期から第二次世界大戦までの日本でのショパン受容を当時の出版物や資料で紹介する。4つ目は一色まことによる漫画『ピアノの森』の原画やTVアニメ映像が展示される。5つ目は「多彩な連動イベント」。レクチャー、コンサート、講演会などでさまざまなショパンが体感できる。 なお、展示構成は以下の通り。「第1楽章 わたしたちのショパン」と題し、ポーランドのフリデリク・ショパン博物館の現代作品が出展される。「第2楽章 ショパンを育んだ都市ワルシャワ」は、ショパンが育ったポーランドの風景やゆかりの人々の肖像画などで構成。「第3楽章 華開くパリのショパン」では、パリに生きたショパンが絵画などで多角的に紹介される。「第4楽章 真実のショパン―楽譜、手紙―」では、直筆の楽譜や手紙、実際に本人が使用していた物などリアルな品々が登場、心打たれる。「第5楽章 ショパン国際ピアノコンクール」では、コンクールの詳細が紹介され、次回2020年への期待が募る。取材・文:伊熊よし子「ショパンー200年の肖像」展2019年10月12日(土)〜12月1日(日)兵庫県立美術館 ギャラリー棟2020年2月1日(土)〜3月22日(日)久留米市立美術館2020年4月〜6月 練馬区立美術館2020年8月〜9月 静岡市立美術館■「横浜音祭り2019」記者会見 3年に一度実施される、日本で最大級の音楽フェスティバル「横浜音祭り」が今年9月15日から11月15日にかけて開催される。横浜市全域でプロのアーティストだけでなくアマチュアも参加する大規模な音楽祭で、3回目となる今年も300以上のコンテンツが揃い、文字通り、横浜が音楽の街と化す。 開催に先がけ、4月23日、都内で記者会見が開かれプログラムの概要が発表された。会見では、近藤誠一(横浜アーツフェスティバル実行委員会委員長)、林文子(横浜市長/同実行委員会名誉委員長)、新井鷗子(横浜音祭り2019ディレクター)、ゲストとして菅野祐悟(作曲家)、私立恵比寿中学(アイドル)、葉加瀬太郎(ヴァイオリニスト)、林英哲(和太鼓奏者)、村治佳織(ギタリスト)が登壇した。 近藤委員長は「今年のラグビーワールドカップや来年のオリンピック・パラリンピックの会場の一つとなるこの横浜からオールジャンルの音楽祭を世界に発信するとともに、一人ひとりが自身のよりどころを正しく見つめ直すイベントとなればよい」と語り、林市長は「横浜は開港160周年、そして元号が新しくなる年に、音祭りを開催できるのは嬉しい。300ものイベントが行われるが、ワクワクするような内容になるのではと期待している。言葉を超えて『愛』を表現できるのは芸術だけ」と述べた。 新井ディレクターは「国籍、人種、ジェンダー、障がいの有無を超えて一人ひとりが音楽を実感できるようなインフラを作りたい」と抱負を語った後、主な公演を紹介した。 また、ゲストの一人、ギタリストの村治佳織は「横浜はプライベートでよく来る街。林市長とも対談した経験もある。今回は、昨年リリースしたアルバムにも収録した映画音楽からいくつか、そして自作などを弾く。クラシック・ギターの新しいかたちを届けたい」とコメントした。横浜音祭り2019https://yokooto.jp/■ダ・ヴィンチ音楽祭 記者発表 今年8月14日から17日にかけて、川口総合文化センター・リリアで「ダ・ヴィンチ音楽祭 in 川口 vol.1」が開催される。2019年はレオナルド・ダ・ヴィンチの没後500年にあたる。美術や建築、解剖学、自然科学など、さまざまな分野で業績を残したダ・ヴィンチが優れた音楽家でもあり、楽器の発明や現在で言うプロデューサー業を担っていたことはあまり知られていない。同音楽祭では、そうした知られざる側面に左より:新井鷗子、私立恵比寿中学、近藤誠一、林 文子、村治佳織、林 英哲、葉加瀬太郎、菅野祐悟、吉藤健太朗 Photo:J.Otsuka/Tokyo MDE

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