eぶらあぼ 2019.5月号
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46左より:川瀬賢太郎 ©Yoshinori Kurosawa/大野和士 ©Herbie Yamaguchi/尾高忠明 ©Martin Richardson/小曽根 真 ©久富健太郎/大谷康子&イタマール・ゴラン ©Masashige Ogata4/27(土)~4/29(月・祝)、5/2(木・休)~5/6(月・休) 軽井沢大賀ホール問 軽井沢大賀ホールチケットサービス0267-31-5555 http://www.ohgahall.or.jp/※開演時間や演目などの詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。軽井沢大賀ホール 2019春の音楽祭GWはリゾートで上質な音楽に浸るという贅沢文:オヤマダアツシ 日本が大きな時代の転換期を迎える4月から5月。今年の大型連休をどう過ごそうかと思っている方へ、リゾート地に滞在して毎日を最高級の音楽で楽しむというプランはいかがだろうか。多くの観光客で賑わう軽井沢において、クラシックを中心に多くのコンサートを行ってきた軽井沢大賀ホールが舞台となり、一流の音楽家たちによる「春の音楽祭」が開催されるのだから。これだけの音楽家を一気に聴けるのかという喜びに満ちた音楽祭であり、一回一回のプログラムも充実。ファミリーで楽しめる企画もあるなど、家族と共に大型連休を過ごす方たちにも喜んでいただけるはずだ。 音楽祭のオープニングを飾るのは、新鮮さを忘れない演奏で首都圏の音楽ファンを唸らせている川瀬賢太郎&神奈川フィルハーモニー管弦楽団。リムスキー=コルサコフ「シェエラザード」のほかドヴォルザークの名作を(4/27)。音楽通も納得の充実した演奏を繰り広げる大野和士&東京都交響楽団は、「ジュピター」などオール・モーツァルトプロで傑作をじっくりと聴かせてくれるはずだ(4/29)。軽井沢ではすでにおなじみの東京フィルハーモニー交響楽団は、互いを知り尽くしている尾高忠明を迎えて、ドヴォルザーク「新世界より」などを心にしみ入る演奏で聴かせてくれるだろう(5/2)。それぞれのコンサートに客演する3人のソリスト(横坂源、小山実稚恵、仲道郁代)も豪華だ。 今やクラシック音楽のフィールドでも活躍しているジャズ・ピアニストの小曽根真が、ピアノ・ソロによるライヴを行うこともうれしい。リラックス&スウィングの快感がホールの中にあふれるという、幸福な時間になるだろう(4/28)。ヴァイオリンの大谷康子とピアノのイタマール・ゴランが、若くして悲劇的な死を遂げた伝説的な女性ヴァイオリニスト、ジネット・ヌヴーの音楽を讃えるコンサート。フランクのソナタなどフランス音楽の名曲が次々に奏でられる魅力的なプログラムだ(5/3)。東京・上野の“殿堂”である東京文化会館が若い世代の才能を集めて贈る「軽井沢チェンバーオーケストラ」のコンサート(5/4)、ファミリー層におすすめの0歳から入場可能な「Concert for KIDS」にも注目してほしい(5/5)。 そしてフィナーレは、デーモン閣下率いる異能の演奏家集団が一大エンタテインメントを繰り広げる音楽会。雅楽の古典曲「千秋楽」やドヴォルザーク「新世界より」に新時代の詞をつけることを提唱するなど、他では聴くことができないコンサートなのだ(5/6)。 自然が豊かでフード&ドリンクも充実。想い出のひとときを演出してくれる軽井沢は、音楽の街として春の調べを奏でてくれる。さあ新幹線で、車で、春の軽井沢へ!第145回 スーパー・リクライニング・コンサート田中拓也 & 本堂 誠 サクソフォン・デュオ リサイタル鮮烈にして心地よい音に浸る1時間文:柴田克彦 リラックスした1時間を過ごせるHakuju Hallの「スーパー・リクライニング・コンサート」に、とびきりのサクソフォン・デュオが登場する。日本管打楽器コンクール第25回優勝の田中拓也と、第34回優勝の本堂誠。共に東京藝大出身で、革新的グループ、ブルーオーロラ サクソフォン・カルテットでも活躍する2人だ。田中は、2014年アドルフ・サックス国際コンクールで入賞し、同楽器で初めて「紀尾井ホール ニューアーティスト・シリーズ」に出演。パリ音楽院でも学んだ本堂は、3つの国際コンクールで5/29(水)15:00 19:30 Hakuju Hall問 Hakuju Hallチケットセンター  03-5478-8700https://www.hakujuhall.jp/本堂 誠 ©井村重人優勝し、CD『BARITONISM』が18年度レコード・アカデミー賞を受賞して話題を呼んだ。 今回の演目は、「愛の挨拶」「アルルの女」等のクラシック名曲から映画音楽、ジャズまで親しみやすさ満点(ピアノの共演は弘中佑子)。日本のサクソフォン界は世界トップ級だし、2人は表現力が豊かで、“楽器”よりも“音楽”を奏でる点が素晴らしい。ここは、ジューシーなサクソフォンのブレンド音と鮮やかな演奏を浴びながら、愉しくリラックスしたい。田中拓也 ©井村重人

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