eぶらあぼ 2019.5月号
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191コンサートギャラリーチケット発売情報News & TopicsNew Release Selection新譜情報TV&FMBooks海外公演情報ぶらPAL今月の注目公演公演情報豊潤な歌い回しと胸に迫る精神性で、“鬼才”と称されるヴァイオリニストの佐藤久成。今回は、モスクワ出身の国際派チェリスト、ドミトリー・フェイギンと、やはりロシア仕込みの濃密な音楽性が光るピアニストの秋場敬浩、2人の盟友を迎えてのトリオ。ラフマニノフの第1番「悲しみの三重奏曲」、タネーエフのニ長調、チャイコフスキー「偉大な芸術家の思い出に」と、ロシアの三大ピアノ三重奏曲に挑む。“音の宇宙(コスモス)”は、果てを見せる気配すらない。先鋭的な演奏活動の一方、多くの若手を育て、3年前にデビュー半世紀を迎えた平尾はるな。ベーゼンドルファーのピアノで、バッハ「平均律クラヴィーア曲集」第1巻から第1番、ベートーヴェン「ロンド ト長調」、ハイドン「アンダンテと変奏曲へ短調」、田村徹「漂白1」、プーランク「小象ババールの物語」と、多彩な作品に対峙。語りはエストレリータ・ワッセルマン。佐藤久成(ヴァイオリン)と仲間たち トリオ・コンサート山下一史(指揮) 千葉交響楽団 第105回定期Reine pur 第15回 ヴァールヴィーナー 平野玲音(チェロ)伊藤康英 オペラ《ある水筒の物語》世界初演音楽と美術の幸せな結婚大塚直哉レクチャー・コンサート・シリーズⅣ平尾はるなピアノコスモス 2019ベーゼンドルファーコンサート5/31(金)19:00 東京文化会館(小)5/25(土)14:00 習志野文化ホール5/19(日)14:00 トッパンホール5/31(金)13:00 19:00、6/1(土)13:00 静岡/グランシップ(中)5/30(木)19:00 よみうり大手町ホール5/25(土)14:00 東京文化会館(小)佐藤久成音楽監督の山下一史のもと、県内唯一のプロ楽団として、快演を披露している「千葉交響楽団」。2016年にニューフィル千葉から改称し、新団体名も板につき、士気は相変わらず高い。「革命」の愛称で知られるショスタコーヴィチ「交響曲第5番」に、ジョリヴェ「バソン(ファゴット)と室内オーケストラの協奏曲」(独奏:柿沼麻美)、ドビュッシー「小組曲」と、剛柔のメリハリが心地よいラインナップで。山下一史 ©ai ueda歴史的鍵盤楽器奏者として大活躍中の大塚直哉の案内で、多彩なゲストと共に二大芸術の関係性を掘り下げるシリーズ「音楽と美術の幸せな結婚」。今回は大塚と同じ1971年生まれの人気落語家、柳家花緑を迎え、「ヨーロッパの十字路ウィーン」をテーマに。バッハ、フローベルガーほか多彩な作品に、展覧会「ウィーン・モダン」出品作品の画像を交えて、西洋芸術だけに留まらず、日本の伝統芸の未来まで、幅広く、深く語り合う。大塚直哉柳家花緑1945年6月19日深夜に始まり、一夜にして2千人近い死者を出した静岡大空襲。オペラ《ある水筒の物語》は、この時に撃墜された爆撃機の米兵を、日本人と隔てなく弔い続けた医師の菅野寛也氏のエピソードを基に、劇作家の高木達が台本と演出を担当、静岡県出身の伊藤康英が作曲した。大井剛史指揮、実力派キャストと地元有志の合唱、特別編成の管弦楽による世界初演。国境や愛憎を超越した、人間の尊厳を謳い上げる。伊藤康英中学生で演奏活動を開始、東京大・同大学院で芸術学を修め、ウィーン国立音大で室内楽を学び、現在は同地を拠点に国際派チェリストとして活躍する平野玲音。好評シリーズ「Reine pur」の第15回は、様々な地からウィーンへ移り住んだ人々「ヴァールヴィーナー」をテーマに。平野と親交の長い、ピアノの梯剛之が共演。ベートーヴェンの第1番とブラームスの第2番、2つのチェロ・ソナタを大枠に、ポッパーとグルックの佳品を弾く。平野玲音 ©篠原栄治梯 剛之 ©尾形正茂

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