eぶらあぼ 2019.5月号
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190「言葉と音楽の融合」を目指し、ソプラノの鈴木美登里ら6人の精鋭により、16~17世紀のマドリガーレを主なレパートリーとして、2002年に結成されたラ・フォンテヴェルデ。進行中の「モンテヴェルディ マドリガーレ集全曲演奏」の一環となる今回は、第7巻の「黄金の髪よ、美しい宝よ」などに加え、チェロの鈴木秀美ら器楽アンサンブルを交え、オペラ《オルフェオ》《ポッペアの戴冠》《ウリッセの帰還》からの名シーンも。月の5マサト先生のミュージック・エデュケーション・プログラム 鈴木優人(指揮) 読売日本交響楽団邦楽器とともに 春のステージ~うた・ものがたりへの誘いざない~樋口達哉のオペラ 第1弾オペラ《道化師》 プレ・コンサート岡本愛子(ピアノ)演奏活動40周年記念東 彩子(ヴァイオリン)・藤井一興(ピアノ)Saiko Azuma DUO series 40ラ・フォンテヴェルデ 第28回定期モンテヴェルディ マドリガーレ集全曲演奏シリーズ5/5(日・祝)14:00 東京芸術劇場 コンサートホール5/16(木)18:30 すみだトリフォニーホール(小)5/12(日)14:00 第一生命ホール5/7(火)19:00 東京文化会館(小)5/17(金)19:00 Hakuju Hall5/12(日)14:30 Hakuju Hall文:笹田和人国際的に活躍する一方、後進の指導にも力を注ぐピアニストの岡本愛子が、演奏活動40周年を迎えた。東京藝大からパリ国立高等音楽院、ミュンヘン国立音大大学院などに学び、ロン=ティボーほか、登竜門での入賞も重ねた名手。記念リサイタルは、ドビュッシー「前奏曲集第1巻」にラヴェル「亡き王女のためのパヴァーヌ」、プーランク「8つの夜想曲」、ショパンのポロネーズ第7番「幻想」と、パリゆかりの作品を集めて。「樋口達哉のオペラ」は、人気テノール歌手である樋口の名唱を通じ、音楽のある豊かな生活を推進するために、有志たちが立ち上げたプロジェクト。来年秋以降にレオンカヴァッロ《道化師》の上演を目指している。ステージ第1弾は、そのプレ・コンサート。樋口はもちろん、ソプラノの佐藤美枝子、バリトンの豊嶋祐壹と成田博之、テノールの高田正人ら豪華キャストが集結。《道化師》ほか、名アリア・重唱を次々に披露する。樋口達哉日本歌曲協会が伝統楽器と声楽による、新たな歌曲の創造を目指して2006年より、数多くの新作を紹介し続けるシリーズ「邦楽器とともに」。その発展型として昨年スタートした「春のステージ」の2回目は、“物語”をテーマに。福嶋頼秀(台本・曲)による音楽物語「酒呑童子」を後藤桂(歌)らで改訂初演するほか、「霧の星座」「あしたはまべを」「この蟹や」の初演3作品と、歌曲「出雲の阿国」など再演4作品が披露される。「出雲の阿国」より「40回」という数字は重い。イタリアに学んだヴァイオリンの東彩子と、フランスに学んだピアノの藤井一興、国際的に活躍する2人の名手が、1977年に始めた「DUOシリーズ」。バロックから現代へ、時空を超えて続けてきた音の旅が、ひとつの区切りに。ベートーヴェンの第3番・第10番とシューベルト「アルペジオーネ」、3つの名ソナタで交わす、密度の濃い対話。2人の辿った道程と、新たな旅への展望を投影する。東 彩子藤井一興バッハ・コレギウム・ジャパン首席指揮者を務める鈴木優人が、読売日本交響楽団と「こどもの日」に贈る、「リズム」をテーマに選んだ3つの作品。久石譲「オーケストラストーリーズ となりのトトロ」では、俳優の温水洋一による語りを交え、物語の真っただ中へ。そして、打楽器とピアノが大活躍のライヒ「3つの楽章」、単純なリピートから多彩な響きが生まれ出るラヴェル「ボレロ」と、色々なリズムを探る面白講座。©加藤木麻莉

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