eぶらあぼ 2019.5月号
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154トを全国で展開するほか、組織委員会自身も4つの主催プログラムを実施する。その目玉となるのが、来春に行われる「『歌舞伎』×『オペラ』」。市川海老蔵とプラシド・ドミンゴが共演する舞台が実現する見通しとなった。 ドミンゴは以下のようなコメントを寄せた。「私のこれまでの長い舞台経験が、歌舞伎のパフォーマンスとして新たな実を結ぶ日が来ようとは、私自身、想像もしていませんでした。歌舞伎界の若きスター、海老蔵との共演が今から楽しみですし、私は彼から歌舞伎の所作を基礎から学ぶことになるでしょう。日本文化の一部となることは私にとっての名誉なのです」 公演の日程や内容の詳細は後日発表される。東京2020 NIPPONフェスティバルhttps://tokyo2020.org/jp/get-involved/festival/■九州シティフィル室内合奏団の首席 指揮者に海老原 光が就任 九州シティフィルハーモニー室内合奏団は、2019/20シーズンより海老原光が首席指揮者に就任すると発表した。 海老原は鹿児島県出身。東京藝術大学を卒業、同大学院修了。その後ハンガリー国立歌劇場にて研鑽を積む。04年から06年まで東京シティ・フィル指揮研究員を務め、飯守泰次郎、矢崎彦太郎両氏の薫陶を受ける。指揮を小林研一郎、高階正光、コヴァーチ・ヤーノシュに師事。11年より毎年霧島国際音楽祭に出演している。 同団は若手音楽家を中心に18年に結成。同年11月より福岡県那珂川市と連携協力協定を結び、19/20シーズンから塩貝みつるを首席客演コンサートマスターに迎え、ミリカローデン那珂川を本拠地に定期演奏会をはじめ、様々なコンサートを行う予定。海老原が登壇する第1回定期演奏会が4月20日に行われる。■野平一郎が平成30年度日本芸術院賞 を受賞 作曲家でピアニストの野平一郎が平成30年度日本芸術院賞を受賞した。同賞は今回で第75回を迎え、野平は作曲家、ピアニスト、指揮者、プロデューサーとしての長年の秀でた業績を高く評価されての受賞となった。 野平は1953年生まれ。東京藝術大学、同大学院修士課程作曲科を修了後、フランス政府給費留学生としてパリ国立高等音楽院に学ぶ。アンサンブル・アンテルコンタンポランやIRCAMからの委嘱作品を含む80曲以上におよぶ作品を発表。現在は静岡音楽館AOI芸術監督、東京藝術大学作曲科教授。日本芸術院http://www.geijutuin.go.jp/■高関 健が第50回サントリー音楽賞を 受賞 指揮者の高関健が第50回(2018年度)サントリー音楽賞を受賞した。同賞は、公益財団法人サントリー芸術財団が、1969年の財団設立以来、わが国における洋楽の振興を目的とし、洋楽文化の発展に顕著な功績のあった個人または団体を顕彰し、贈呈している。 高関は、83年ニコライ・マルコ記念国際指揮者コンクール第2位入賞。日本のオーケストラはもとより、ウィーン響、ベルリン・ドイツ響などに客演。現在、京都市響常任首席客演指揮者、東京シティ・フィル常任指揮者、仙台フィル レジデント・コンダクター、静岡響ミュージック・アドヴァイザー。◎贈賞理由(抜粋) 楽譜テクストをその原典にまで遡って精査・吟味すること、(中略)細部まで手を抜かずに仕上げること。これら、当たり前のようでいながら容易には成し得ない仕事を、高関健は粘り強く継続してきた。派手なパフォーマンスとは無縁の指揮者ながら、高関の存在が日本の音楽界のレベルアップに大きな貢献を成していることは、おそらくはオーケストラ好きならば誰もが感じているに違いない。サントリー芸術財団https://www.suntory.co.jp/sfa/©Masahide Sato

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