eぶらあぼ 2019.3月号
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フィリップ・オーギャン Philippe Auguin/指揮90 東京・春・音楽祭(東京春祭)の後半に開催されるのが、これまで音楽祭を彩ってきたオペラの名場面を綴るガラ・コンサート。ミーガン・ミラー、エリーザベト・クールマン、ペーター・ザイフェルト、ジョン・ルンドグレン、アイン・アンガーといった第一線で活躍する歌手たちが集結する。指揮を任されたのは、オペラのスペシャリスト、フィリップ・オーギャン。彼は、2006年に東京春祭で《オテロ》を指揮している。 「《オテロ》では、すべての出演者の完璧な仕事ぶりに触れることができたのが大きな喜びでした。その中で最も印象的だったのは、オペラのようなライヴ芸術につきものの、常に変化する状況に対し、皆さんが瞬間的に反応していることでした。たとえば、舞台上で演奏するトランペット隊やマンドリンのリハーサルが完璧に行われ、実際に非常に効果的であったということです。私たちの《オテロ》では、すべてのシーンが素晴らしく、忘れがたいものであったことを覚えています」 今回の15周年ガラはどのようなコンサートになるのだろうか。 「このコンサートは、これまでの音楽祭の中でもきっと画期的な公演となるでしょうし、音楽愛好家の方々に、オペラの傑作の数々を通じての“旅”を提供できると考えています。私たちは、この15年間、東京春祭で上演された一つひとつのオペラの美しさと感情的な力を通じて、皆様と一緒に一夜限りのコンサートを歩んでいくことになるでしょう」数々の傑作オペラを通じての“旅”を提供できると思います取材・文:山田治生Special interivew

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