eぶらあぼ 2019.3月号
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70千葉県少年少女オーケストラ驚異的な演奏を魅惑の演目で体感文:柴田克彦3/24(日)14:00 サントリーホール問 カジモト・イープラス0570-06-9960 http://www.kajimotomusic.com/ 「世界トップレベル(むろん日本で一番)」と井上道義が賞賛する千葉県少年少女オーケストラが、サントリーホールで公演を行う。同楽団は、1996年に佐治薫子を音楽監督に迎え、都道府県レベルでは全国初の少年少女オーケストラとして結成された。団員は10歳から20歳までの160名。定期や招待演奏のほか、米国、ドイツなど海外でも公演を行い、2017年にはベートーヴェンの交響曲全9曲の演奏も果たしている。これまでに、故・石丸寛、アルミンク、山田和樹、佐渡裕、下野竜也などの指揮者や、アルゲリッチなどのソリストと共演。今回指揮をする井上道義は、20回以上共演し、欧州公演も受け持っている。井上の言葉や共演者の顔ぶれから分かるように、演奏レベルは相当高い。というよりも“えらく上手い”。何より“少年少女が頑張る演奏”の域を超えた“聴かせる音楽”になっている点が凄い。 今回は、ショスタコーヴィチの交響曲第1番、モーツァルトのピアノ協奏曲第9番「ジュノーム」、伊福部昭の「日本組曲(3曲)」が並ぶプログラムも魅力的だ。ショスタコーヴィチと伊福部は井上が伝道師たる作曲家であり、中でも「日本組曲」の管弦楽版は彼が日本初演を行っている。ピアノは大人気の小曽根真。「ジュノーム」は彼の古典協奏曲初挑戦時からのレパートリーゆえに、自在の快演が期待できる。しかもこれら3曲は、作曲者が19歳、21歳、19歳(原曲のピアノ組曲)時の作。つまり団員たちに近い年齢の頃に書かれている点も意味深い。演目だけでも妙味十分だし、都内で耳にできる今回はぜひ足を運びたいところだ。小曽根 真 ©篠山紀信松本ピアノフェスティバル2019聴いて良し! 弾いて良し! ピアノをとことん楽しむ音楽祭文:笹田和人前夜祭 4/28(日) メイン日 4/29(月・祝)キッセイ文化ホール(長野県松本文化会館)問 松本ピアノ協会事務局080-4725-7785※詳細は右記ウェブサイトでご確認ください。 http://pianofes.jp/ 「感じる・弾く・観る・学ぶ・遊ぶ」をコンセプトに、ジャンルを超えた豪華アーティストたちが登場してのステージ、聴衆が参加してのイベントなどを通して、“楽器の王様・ピアノ”の魅力を多面的に掘り下げる、ユニークな音楽祭「松本ピアノフェスティバル2019」が4月29日、キッセイ文化ホールで開かれる。 2015年、17年に続き、3回目の開催。メインコンサート「ピアノ・ザ・プレミアム」には、ドラマ『のだめカンタービレ』の吹き替え演奏を担当するなどマルチに活躍、今やバラエティ番組にも引っ張りだこの人気奏者・清塚信也が登場。ショパン国際ピアノコンクールで4位入賞を果たした俊英・山本貴志や、独自のグルーヴ感を紡ぎ出す兄弟デュオ「レ・フレール」も出演する。 そして、山本京子&武田有賀デュオによるモダン・タンゴ、地元グループ「信州ジャズ」のライヴなどのほか、「猫ふんじゃった速弾き選手権」など参加型の無料プログラムも充実。パリ国立高等音楽院のイヴ・アンリ教授による講座や公開レッスンも開催される。また、プロアマ問わずショパン好きが参加して、ショパンの全212作品のうち何曲まで弾けるか挑戦する名物企画「みんなdeショパンマラソン」が今年も実施される。 また、前日の28日には「前夜祭コンサート」と題して、テレビでもおなじみの“ブルー・アイランド氏”こと、青島広志のトークと演奏による「ピアノはオールマイティ(何でもできる)!」をはじめ、一昨年にクララ・ハスキル国際ピアノコンクールを制した藤田真央のコンサートなども開かれる。山本貴志 ©Marco Borggreve井上道義 ©高木ゆりこレ・フレール清塚信也

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