eぶらあぼ 2019.3月号
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1905月の見もの・聴きもの2019年5月の曽そし雌裕ひろかず一 編〔Ⅰ〕オーストリア第39回ウィーン国際音楽祭[会場:コンツェルトハウス大ホール(ウィーン)](主要公演のみ/他会場の公演は省略)〔注〕この音楽祭は、以前は「ウィーン芸術週間」中のコンサート・プログラムとして「ムジークフェライン」と「コンツェルトハウス」で持ち回りで行われていた音楽祭です。2019年は「コンツェルトハウス」での開催となります。◎5月11(15:30)、12(11:00)日 F.ウェルザー=メスト指揮ウィーン・フィル マーラー:交響曲第8番「千人の交響曲」 独/E.ウォールS、E.マギーS、P.マッテイBr他5月14(19:30)日 G.アントニーニ指揮イル・ジャルディーノ・アルモニコ ハイドン:天地創造 独/A.L.リヒターS、M.シュミットT他5月15(19:30)日 A.パッパーノ指揮ローマ・サンタ・チェチーリア国立管 マーラー:交響曲第6番5月16(19:30)日 A.パッパーノ指揮ローマ・サンタ・チェチーリア国立管 ムソルグスキー:はげ山の一夜、バルトーク:ヴァイオリン協奏曲第1番、リムスキー=コルサコフ:シェエラザード 独/L.バティアシュヴィリvn◎5月22(19:30)日 A.シフp シューマン:主題と変奏(最後の楽想による幻覚の変奏曲)、ブラームス:3つの間奏曲、モーツァルト:ロンド K.511、ブラームス:6つの小品、バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻〜前奏曲とフーガ(第24曲)、ブラームス:4つの小品、ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第26番「告別」◎5月27(19:30)日 D.ハーディング指揮パリ管 ブリテン:戦争レクイエム 独/A.シャギムラトヴァS、C.ゲルハーヘルBr他◎5月31(19:30)日 M.ヤンソンス指揮ウィーン・フィル シューマン:交響曲第1番「春」、ベルリオーズ:幻想交響曲ウィーン国立歌劇場5月1、4、9、12、16日 ヴェルディ:リゴレット 指/G.M.ビサンティ、演出/P.オーディ、出/J.カレヤ、C.モルトマン5月2日 ベートーヴェン:フィデリオ 指/A.フィッシャー、演出/O.シェンク、出/B.ジョヴァノヴィチ、A.シュヴァネヴィルムス5月5、8、11、14日 ヴェルディ:マクベス 指/J.コンロン、演出/C.レト、出/G.ペテアン、F.フルラネット、T.セルジャン5月7日 N.デセイS 共/P.カッサールp5月18、21日 ロッシーニ:セビリアの理髪師指/E.ピド、演出/G.レンネルト、出/J.D.フローレス、P.ルメッツ、M.グリツコヴァ◎5月20、24、28、31日 ジョルダーノ:アンドレア・シェニエ 指/M.アルミリアート、演出/O.シェンク、出/A.ネトレプコ5月22、26、29日 G.フォン・アイネム:ダントンの死 指/M.ボーダー、演出/J.E.ケプリンガー、出/T.コニエチュニー★◎5月25、30日 R.シュトラウス:影のない女[プレミエ] 指/C.ティーレマン、演出/V.ユゲ、出/S.グールド、C.ニールント、E.ヘルリツィウス、W.コッホ、N.シュテンメウィーン・フォルクスオーパー5月1(19:00)、4(18:30)、15(18:30)、21(19:00)日 R.ロジャーズ:サウンド・オブ・ミュージック(ミュージカル) 演出/R.ドゥセ5月2(19:00)、5(16:30)、7(19:00)日 オッフェンバック:ホフマン物語 演出/R.ドゥセ5月3(19:00)、6(19:00)、9(19:00)、13(19:00)日 ベナツキー:姉さんとぼく[19年4月プレミエ] 演出/R.マイヤー5月12(19:00)、16(19:00)、19(16:30)、23(19:00)、28(19:00)日 モーツァルト:魔笛演出/H.ローナー5月20(19:00)、22(19:00)、26(19:00)、30(18:00)日 R.ロジャーズ:回転木馬(ミュージカル) 演出/H.メイスン5月24(19:00)、27(19:00)、31(19:00)日J.シュトラウスⅡ:こうもり 校訂演出/H.ツェドニクアン・デア・ウィーン劇場〔注〕5月は、ウィーン芸術週間対象公演が行われる予定ですが、演目・日程等の発表は2月14日以降となります。★5月13(19:00)、15(19:00)、17(19:00)、19(19:00)日 ウェーバー:オベロン[プレミエ]指/T.ガッジース、演出/N.ハビアン、演奏/ウィーン室内管ウィーン・フィル[会場:無印=ムジークフェライン(ウィーン)、(KH)=コンツェルトハウス(ウィーン)、(BER)=ベルリナー・ドーム(ベルリン)、(DRS)=クルトゥアパラスト(ドレスデン)、(KOL)=フィルハーモニー(ケルン)]〔注〕先月号に掲載した4月27日と28日の定期演奏会の指揮者は、C.エッシェンバッハからC.ティーレマンに変更になりました。◎5月2(18:00)(BER)日 C.ティーレマン指揮 C.メイソン:Eternity in an hour、ブルックナー:交響曲第2番(第2版・1877年)◎5月11(15:30)(KH)、12(11:00)(KH)日F.ウェルザー=メスト指揮 → 〔ウィーン第39回国際音楽祭〕参照◎5月23(20:00)(DRS)、24(20:00)(KOL)日T.ソヒエフ指揮 プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第2番、チャイコフスキー:交響曲第5番 独/Y.ブロンフマンp(23日は「ドレスデン音楽祭」も参照)◎5月30(11:00)、31(19:30)(KH)日 M.ヤンソンス指揮 シューマン:交響曲第1番【本文中の記号】★=プレミエ[新演出]公演、◎=注目公演 例年、5月頃から「音楽祭」の名を冠したイベントがグッと増えてくる。本号でも複数の音楽祭を取り上げたが、その音楽祭の前に、5月下旬に並んでいる注目公演から始めてみよう。まずはウィーン国立歌劇場でティーレマンが振るR.シュトラウス「影のない女」のプレミエ。歌手陣も、グールド、ニールント、ヘルリツィウス、コッホ、シュテンメと当代の人気歌手を集め、チケットはなかなかの争奪戦になりそうな気配だ。その前後にはネトレプコの出る「アンドレア・シェニエ」も上演される。また、ウィーン・フィルでは、ヤンソンス指揮のベルリオーズ「幻想交響曲」、ウィーン響では、ジョルダン指揮の同「レクイエム」、さらにはハーディングとパリ管がヨーロッパ・ツアーの一環としてウィーンでもブリテンの「戦争レクイエム」を演奏するなど、組み合わせる演奏会にもことかかない。ベルリオーズ関係では、26日にパリのフィラルモニーで演奏されるロト指揮レ・シエクルの「幻想交響曲」と「レリオ」も見逃せない。 また、いつもは掲載しきれない北欧の演奏会だが、フィンランド国立歌劇場で上演されるサロネン指揮のドビュッシー「ペレアスとメリザンド」は、5月下旬の注目公演として本号にデータを掲載した。さらには、ベルリンのコーミッシェ・オーパーで、サッカー=オペレッタとの肩書きの付いた「ロクシーとその奇跡のチーム」という新作も出る。 5月全般を通したツアー演奏会では、ムターとカンマーオルケスター・ウィーン=ベルリンによるモーツァルトのヴァイオリン協奏曲集(ウィーン、ハンブルク、ドレスデン、ケルン、フランクフルト)、ソプラノ歌手ハンニガンが歌ではなく指揮者として演奏するストラヴィンスキー「道楽者のなりゆき」(ハンブルク、ドレスデン、ミュンヘン、パリ)が要注目。ワーグナー・ファンにとっては、ベルリン・ドイツ・オペラのワーグナー週間や、ライプツィヒ歌劇場の「リング・ツィクルス」は重要だろうが、後者は残念ながらチケットの残券はほとんどない状況のようだ。 5月開催の「音楽祭」については、個々に◎印を付した演奏会等をご参照いただきたいが、特に挙げると、ウィーンの「国際音楽祭」では、ウェルザー=メスト指揮ウィーン・フィルのマーラー「千人の交響曲」、「ハンブルク国際音楽祭」では、エマールのピアノによるリゲティとバルトーク、「ドレスデン音楽祭」ではソヒエフ指揮ウィーン・フィルと、サヴァールによる東洋・西洋のクロスオーバー・コンサート、「シュヴェツィンゲン音楽祭」では、ベックの歌劇「無人島」、「フィレンツェ五月音楽祭」では、ルイージ指揮によるライマンの「リア」(ビエイト演出)、「プラハの春国際音楽祭」では、フルシャ指揮バンベルク響(チェコ・フィルではない)による開幕演奏会のスメタナ「わが祖国」あたりがどれも要注目公演。 その他の注目公演は列挙だけになってしまうが、フェドセーエフ=ウィーン響のショスタコーヴィチ、ベルリン・コーミッシェオーパーのムソルグスキー「ソロチンスクの定期市」、ハイティンク=ベルリン・フィルのブルックナー、ケルンのフィルハーモニーで開催される現代音楽祭「アハト・ブリュッケン」の各公演、ケント・ナガノ指揮コンチェルト・ケルンのブルックナー、ネトピル=エッセン・フィルのマーラー交響曲第6番、ガムゾウ補訂版のマーラー交響曲第10番(フランクフルト・オーパー&ムゼウム管)、ヤーコプス指揮フライブルク・バロック管のベートーヴェン「ミサ・ソレムニス」、津軽三味線の吉田兄弟を独奏に迎える大野和士=バルセロナ響、ミンコフスキの指揮するオペラ・コミークでのマスネ「マノン」、クリスティ=レザール・フロリサンのハイドン曲集、ラトル指揮ロンドン響の各公演等々、尽きることがない。(曽雌裕一・そしひろかず)(コメントできなかった注目公演も多いので本文の◎印をご参照下さい)

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