eぶらあぼ 2019.3月号
173/211

170優人指揮バッハ・コレギウム・ジャパン(以下BCJ)。演奏会形式ながら田尾下哲の演出もあり、スリリングな舞台となりそうだ。在京オケの首席奏者を中心とするスタープレイヤーが集った調布国際音楽祭フェスティバル・オーケストラ(以下CIMFオケ)の公演には、ブラジルの新鋭、シモーネ・メネセスと鈴木雅明の二人の指揮者が登場。調布でラグビーW杯の試合が開催されることに因み、オネゲルの交響的楽章「ラグビー」やチャイコフスキーの交響曲第5番他のプログラムが組まれた。深大寺本堂で行われる、三宮正満(オーボエ)と水永牧子(チェンバロ)のデュオコンサートでは、天台宗の聲明も味わえる。グランド・フィナーレを飾るのは、鈴木雅明指揮BCJによる「華麗なる協奏曲の夕べ」。ヴィヴァルディ、ヘンデルなど華やかなバロックのコンチェルトで、寺神戸亮(ヴァイオリン)や鈴木優人(オルガン)らソリストが躍動する。 音楽祭の監修を務める鈴木雅明は、滞在中のシンガポールからネット中継で会見に参加した。CIMFオケに参加するメンバーとして、現地のヨン・シュウトウ音楽院の学生の中から10〜20名程度の募集・採用を進めているといい、「彼らがオーケストラに入って共に様々な経験を積んでいくことは、やがて素晴らしい実を結ぶのではないかと思います」と語った。 主要7公演のほか、キッズ向けの4公演や、飲食店・屋外など市内各所で行われる無料公演も予定され、一層の盛り上がりをみせる8日間となりそうだ。調布国際音楽祭20196/23(日)〜6/30(日) 調布市グリーンホール、調布市文化会館たづくり、深大寺 ほかhttp://chofumusicfestival.com/■N響が2019-20シーズン定期公演プロ グラム発表 NHK交響楽団が2019-20シーズン(2019年9月〜20年6月)定期公演のプログラムを発表した。首席指揮者就任5シーズン目となるパーヴォ・ヤルヴィによるルトスワフスキやバツェヴィチなどオール・ポーランド・プログラムでシーズンが開幕(2019.9/14,9/15)。ヤルヴィは、このほかシベリウスの第6番・第7番(9/25,9/26)、マーラーの第5番(9/20,9/21)、ショスタコーヴィチの第9番(20.5/9,5/10)、R.シュトラウスのアルプス交響曲(5/20,5/21)と、王道のシンフォニーを主体とした8演目16公演で、5年目の深化を聴かせる。なかでも、同響やベルリン・フィルを含む5楽団共同委嘱作品、エブラハムセンのホルン協奏曲(独奏:シュテファン・ドール)&ブルックナーの交響曲第7番(2/15,2/16)、またプーランク「グロリア」、モーツァルト「パリ交響曲」、ガーシュウィンのピアノ協奏曲と人気曲が並ぶ来年5月の公演(5/15,5/16)は話題を呼びそうだ。 桂冠名誉指揮者のヘルベルト・ブロムシュテットは、11月に来日。ベートーヴェン「英雄」& R.シュトラウス「死と変容」(19.11/6,11/7)、ブラームスの交響曲第3番(11/16,11/17)、モーツァルト「ミサ曲 ハ短調」&「リンツ交響曲」(11/22,11/23)の独墺プロ3演目6公演を振る。 客演陣では、クリストフ・エッシェンバッハがマーラー「復活」(20.1/11,1/12)など2演目4公演でタクトを執る。また、レナード・スラットキンはジョン・アダムズのサクソフォン協奏曲(独奏:ブランフォード・マルサリス)&ヴォーン・ウィリアムズの交響曲第5番(4/11,4/12)ほか3演目6公演に登場し、アメリカ音楽の深遠を聴かせる。このほか、トゥガン・ソヒエフ、鈴木優人、パブロ・エラス・カサド、ディエゴ・マテウス、ケント・ナガノ、鈴木雅明、ユッカ・ペッカ・サラステなどが登場予定。 ソリスト陣も、ヴィエニャフスキのヴァイオリン協奏曲第2番を披露するジョシュア・ベル、ブロムシュテットとレーガーのピアノ協奏曲で共演する重鎮ピーター・ゼルキン、R.シュトラウス「4つの最後の歌」を聴かせるクリスティーネ・オポライス(ソプラノ)、ブリテンのヴァイオリン協奏曲を弾くジャニーヌ・ヤンセンなど、次シーズンも多彩な顔ぶれが並んでいる。NHK交響楽団https://www.nhkso.or.jp/■広島響が2019年度主催公演ライン ナップを発表 広島交響楽団が、2019年度の主催公演ラインナップを発表した。音楽総監督の下野竜也は、中核をなす定期演奏会“緑”で、ブルックナーの交響曲第5番(原典版)(2019.5/24)のほか、矢代秋雄の交響曲(9/13)、伊福部昭の協奏風交響曲(独奏:小山実稚恵)(20.2/21)など得意の現代作品を含めた意欲的なプログラムを組む。終身名誉指揮者・秋山和慶は、フォーレ、ラヴェル、フローラン・シュミットなど色会見から 左より:森下 唯、鈴木優人、吉田育子Photo: I.Sugimura/Tokyo MDE

元のページ  ../index.html#173

このブックを見る