eぶらあぼ 2019.1月号
81/195

78クァルテット・ウィークエンド2018-2019クァルテット・エクセルシオ × クァルテット奥志賀ベテランと若手の競演が起こすケミストリーやいかに!?文:林 昌英2019.3/9(土)14:00 第一生命ホール問 トリトンアーツ・チケットデスク03-3532-5702 http://www.triton-arts.net/ 底知れない深みを持つ弦楽四重奏の世界で活躍する、ベテランと新進気鋭の2団体による、注目のジョイントコンサートが3月に開催される。前者は、名実ともにわが国の四重奏団の第一人者として認められる、クァルテット・エクセルシオ。日本では稀少な常設の弦楽四重奏団であり、四半世紀にわたり重ねてきた活躍は、もはや説明不要だろう(本公演は第2ヴァイオリン山田百子が出演できなくなり、代わって双紙正哉が出演する)。そして後者は、若手団体の中でも特に注目度の高い、クァルテット奥志賀。小澤国際室内楽アカデミー奥志賀に参加したメンバーが、出会いの場をその名に冠し2014年に結成。ザルツブルク=モーツァルト国際室内楽コンクールを制したほか、多くの公演を行っている。個人でも活躍の目立つヴァイオリンの2人(会田莉凡と小川響子)をはじめ、俊英4人の充実のパフォーマンスに期待が集まる。 本公演は演目もふるっている。「奥志賀」がモーツァルト、それも変ホ長調の第16番を。ハイドン・セットの充実作ながら知名度的には渋めの選曲で、その意欲と自信をしかと受けとめたい。「エクセルシオ」はヤナーチェク第1番「クロイツェル・ソナタ」で、熟練の技と作品のミステリアスな魅力を聴かせる。そしてメインは、エネスコの弦楽八重奏曲。20世紀ルーマニアの大ヴァイオリニストだったエネスコならではの濃密な妖気が漂う、あまりにも個性的な大作だ。ベテランと若手の競演&共演が、どんな室内楽の魅力を生み出すのか、一期一会の舞台となる。クァルテット奥志賀第16回ヘンデル・フェスティバル・ジャパン ヘンデル オラトリオ「ソロモン」壮麗な合唱と管弦楽で描く賢王の栄華文:寺西 肇2019.1/14(月・祝)15:30 浜離宮朝日ホール問 アレグロミュージック03-5216-7131 http://handel-f-j.org/ 大作曲家の新たな魅力への扉がまた一枚、開かれる。「メサイア」だけでは語り尽くせぬ、ヘンデルの作品の多様性を紹介することを目的に、2002年にスタートしたヘンデル・フェスティバル・ジャパン(HFJ)。16回目は、美しいアリアと壮麗な二重合唱が散りばめられ、絢爛豪華な雰囲気に満ちたオラトリオ「ソロモン」全3幕をノーカット上演する(演奏会形式)。 「ソロモン」は1749年、ロンドンで初演。全曲に一貫したストーリーはなく、古代イスラエルの賢王ソロモンのそれぞれ独立したエピソードが語られる。全13曲が置かれた合唱曲のほとんどが二重合唱から5声を採り、大規模な管弦楽を伴って、祝祭的な雰囲気を創出。さらに、第3幕冒頭では、有名な器楽曲「シバの女王の入城」も。すなわち、この作品は、国王ジョージ2世のための「戴冠式アンセム」(1727年)と同じく、“神から王に任じられた者を賛美する”作品とも。さらに、理想の君主ソロモンを描くことで、作曲家がこの曲を通じて「ジョージ2世に最大限の賛辞を送った可能性」(チラシより)もある。 今回も、ヘンデル研究の第一人者でHFJ実行委員長、三澤寿喜が指揮を務める。主役ソロモンの波多野睦美をはじめ、広瀬奈緒(王妃ほか)、隠岐彩夏(シバの女王ほか)、辻裕久(祭司ザドク)、牧野正人(レビ人)ら実力派ソリストが集結。さらに、コンサートマスター川久保洋子をはじめ、国際的に活躍する日本人ピリオド楽器奏者らで組織されたキャノンズ・コンサート室内管弦楽団&合唱団の布陣で臨む。また、初演当時に倣い、幕間では勝山雅世によるオルガン演奏も付される。左より:三澤寿喜/波多野睦美 ©Hideya Amemiya/広瀬奈緒 ©Kohei Take/隠岐彩夏 ©Yuya Hanai/辻 裕久/牧野正人クァルテットエクセルシオ ©Naoko Ogura

元のページ  ../index.html#81

このブックを見る