eぶらあぼ 2018.12月号
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92©Naoya Yamaguchi櫻井まゆこ メゾソプラノ リサイタル 12/20(木)19:00 Hakuju Hall問 ヴォイス・ファクトリイ チケットデスク03-3230-7770 http://www.voicefactory.jp/他公演 2019.1/8(火)名古屋/宗次ホール(052-265-1718)櫻井まゆこ(メゾソプラノ)欧州を虜にするドラマティック・メゾの魅力取材・文:寺西 肇Interview イタリア・ミラノを拠点に、欧州オペラ・シーンの第一線で活躍するメゾソプラノの櫻井まゆこが、ヴェルディをはじめ、“王道”の名アリアを歌い尽くすリサイタルを開く。「作曲家から『まゆこ、ありがとう』と言われるような歌をうたいたい」と語る櫻井。本場の聴衆をも虜にする、圧倒的な歌声と表現力をぜひ体感したい。 「月並みですが、音楽は世界共通言語だと実感しています。日本人の私が、イタリア人の前で彼らの国のオペラを歌うと、泣いて喜んでくれる。音楽なしに、こんな魂の交流はできません。さらに、人類が永遠に誇るべき音楽を、私を育んでくれた日本で伝えるのも、言葉にできない幸せです」 今回のステージは、昨秋と今春の帰国公演でも聴衆を熱狂させた、《ドン・カルロ》からの〈酷い運命よ〉など、ヴェルディの名アリアが軸に。さらに、ドニゼッティやマスカーニなど、傑作を厳選した。 「私の声で表現できる最高のものを、そして愛してやまぬ作品を。これらは、交流を続けている、往年の大歌手たちが『歌うべき』と背中を押してくれた曲でもあります。でも、その結果、大アリアばかりに…。『一晩で歌うなんて』と、呆れられてもいますが…。ベルカントでは、“レガート”の音楽が基本。“レガート”とは本来、『繋がっている』という意味で、何がかと言えば、母音です。さらに、作曲家が書いた、全ての音符には存在意義がある。それを実感できるまで勉強すると、歌にリアリティが出るのです」 そして「まず自分が感じなければ、聴衆には届かない」とも。「瞬間ごと、全ての音や言葉、フレーズを自分のこととして感じ、歌っています。よく『あなたの歌は、体から流れ出るよう』と言われるのは、そのせいかも…」と語る。 共演にはルーマニア出身のピアニスト、クリスティアン・アガピエ。 「これほど『音楽をもった』奏者を他に知りません。英仏伊、そして日本語も達者で、コレペティトゥール(オペラの練習ピアニスト)の経験も豊富。音楽を共に作る際、成り立たせる言葉が分からなければ、大雑把にしか作れません。その点、彼と共に歌うことは本当に幸せです」 歌手を志したきっかけを「私は複雑な心を抱えた少女で、いじめられたことも…。でも歌っている時だけは、自由で幸せだった」と振り返る。そして、「私の歌を聴いた方々が、涙を流して喜んで下さる経験を重ねるうち、『私も、人の役に立てる』と実感し、至上の幸福を得ました」と続けた。 目標とする歌手を「マリア・カラス」と即答。 「私にとって、歌とは“生きること”。呼吸と同じです。そして、夢は、ずっと歌い続けること。さらに、『あなたの歌で、人生が変わった』と、人々に感じてもらえる歌手になれれば、最高の幸せです。過去の偉大な歌手たちが皆、そうだったように…」第41回 日本フルートフェスティヴァル in 東京圧倒的なスケールの豪奢な祭典文:笹田和人 参加資格は、「フルートを愛していること」だけだ。毎年1月に開催され、プロ・アマを問わぬ奏者が一堂に会し、共に音楽を楽しむ「日本フルートフェスティヴァル in 東京」。41回目は、名フルーティストで、パリ国立高等音楽院教授でもあるフィリップ・ベルノルドを迎え、“奏でる喜び”を紡ぐ。 同フェスティヴァルは1979年にスタート。フルートオーケストラを軸として、参加奏者と聴衆が、共に楽しめるプログラムが用意されている。今回、タクトを振るベルノルドは1987年に2019.1/6(日)14:00 すみだトリフォニーホール問 プロ アルテ ムジケ03-3943-6677http://www.proarte.jp/フィリップ・ベルノルド ©Bernard RichebeJ.P.ランパル国際フルートコンクールを制し、リヨン国立歌劇場管弦楽団の首席奏者などを歴任。近年は指揮活動にも力を入れる。 まずは、プロ・アマ・ジュニアが揃って、パイプオルガンを交え、エルガー「威風堂々第1番」で幕開け。アマがヘンデル「水上の音楽」、ジュニアがL.モーツァルト「おもちゃの交響曲」ほかを。そして、プロ奏者たちが、サン=サーンスの交響曲第3番「オルガン付き」から第2楽章などを披露。最後は、客席も一体となり、再び「威風堂々」で締め括る。

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