eぶらあぼ 2018.12月号
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177コンサートギャラリーチケット発売情報News & TopicsNew Release Selection新譜情報TV&FMBooks海外公演情報今月の注目公演公演情報ぶらPALめた内田光子は、新とのトーク・セッションの中で「この録音は、生演奏にしかないバイタリティーに溢れていて、少し前(2010年)のものですが、ラトルさんとベルリン・フィルとの“記録”としてリリースしても良いかと判断しました。私にとって楽譜のみが“絶対”で、演奏には“絶対”というものはないのですが、それを考慮した上でも、世に出しても良いレコーディングだと思っています」と話した。 また、会見の最後には、山崎浩太郎(音楽評論家)と中川右介(音楽・舞台評論家)が『フルトヴェングラー 帝国放送局アーカイヴ 1939-45』の魅力を紹介した。各タイトルの詳細は下記ウェブサイトを参照のこと。ベルリン・フィル・レコーディングスhttp://www.berliner-philharmoniker-recordings.com/キングインターナショナル(輸入元)http://www.kinginternational.co.jp/■第18回 東京国際音楽コンクール 〈指揮〉結果発表&記者会見 10月8日から14日まで東京オペラシティで「第18回 東京国際音楽コンクール〈指揮〉」が行われた。42の国・地域より238名の応募があり、9ヵ国18名が事前審査にパスし参加、第一次予選で8名に絞られ、第二次予選を通過した4名が本選に臨んだ。 課題曲は第一次がハイドンの交響曲第82番、第二次が武満徹「弦楽のためのレクイエム」、ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番、バルトーク「管弦楽のための協奏曲 第1・4楽章」。本選ではメンデルスゾーンの序曲「静かな海と楽しい航海」と、コンサート形式の自由曲だった。結果はリヒャルト・シュトラウスの交響詩「ドン・ファン」を振った沖澤のどかが第1位と齋藤秀雄賞、エルガーの「エニグマ変奏曲」(抜粋)を取り上げた横山奏が第2位と聴衆賞、ドヴォルザークの交響曲第7番 第1・4楽章を振った熊倉優が第3位となった。 このコンクールは審査が厳しいことで有名で、過去には1位どころか3位まで出なかったこともある。今回は1位が選出されただけでなく、日本人の1位は18年ぶり、女性の1位は50年を超える歴史を持つ同コンクールでは初となった。沖澤は東京藝術大学指揮科首席卒業。2015年よりハンス・アイスラー音楽大学ベルリン指揮科修士課程入学。田中良和、尾高忠明、高関健、クリスツィアン・エーヴァルトらに師事した。 翌15日の記者会見には上位3名が審査委員等と共に壇上にあがった。外山雄三審査委員長は「若い時期に厳しく精密な審査を受けることは良い経験となったはず。今後国際的なキャリアを歩んでいく入賞者を応援して欲しい」とコメント。それを受けて沖澤は「身が引き締まる思い。気負うこと無く地道に勉強を続けていく」と控え目だが地に足を付けた喜びを語った。 上位3位全員が日本人となったが、決して地元贔屓ではなく、「かつてソ連にもあったような指揮スクール(楽派)が、今は日本にあるという結果」(アレクサンドル・ラザレフ審査委員)との言葉があった。取材・文:山田真一東京国際音楽コンクール〈指揮〉http://www.conductingtokyo.org/■東響が2019/20年シーズンライン ナップを発表 東京交響楽団は、11月6日の記者会見で2019/ 20年シーズンラインナップを発表した。 福田紀彦・川崎市長のメッセージ、楽団長の大野順二の挨拶に続き、音楽監督ジョナサン・ノットが新シーズンの主な内容について語った。「人生と死をテーマ左より:横山 奏、沖澤のどか、熊倉 優ジョナサン・ノット Photo:T.Shiroma/Tokyo MDE

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