eぶらあぼ 2018.11月号
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74市民とつくる合唱・朗読作品「宙(そら)」~紡ぐ言の葉~11/3(土・祝) 15:00 やまと芸術文化ホール(大和市文化創造拠点シリウス内)問 やまと芸術文化ホール チケットデスク046-263-3806http://yamato-bunka.jp/hall/篠原ともえ(朗読)市民とアーティストが作り上げる宇宙と命の物語取材・文:室田尚子Interview 神奈川県の大和市文化創造拠点シリウスは、年齢を問わず広く市民に芸術文化や生涯学習の素晴らしさを届けるための場として、芸術文化ホール・図書館・生涯学習センター・屋内こども広場の4つを持つ複合文化施設。11月3日に、開館2周年を記念する「『宙(そら)』~紡ぐ言の葉~」が開催される。市民から星や宇宙にちなんだ思い出や言葉、曲を募集。『食堂かたつむり』などで知られる作家の小川糸がそれをもとにオリジナルの物語を書き下ろし、そこに公募で集められた合唱団による合唱が組み合わされる。作品の朗読は篠原ともえ。かつて“シノラー”ブームを巻き起こし、一世を風靡した篠原は、現在“宙(そら)ガール”としてラジオ番組のMC、プラネタリウムでのライヴや解説などで活躍。また、18年内閣府が主催する宇宙開発利用大賞委員にも抜擢されている。 「子どもの頃から星をよく眺めていました。じっくり見つめると赤や青の色があることに気が付き、星を覚えるなど、夢中で観測していました」 「星はお友達」という篠原は、学生時代は天文部で星の観察に没頭。そんな篠原だけに、今回宇宙をテーマにしたコンサートへの参加はとても嬉しかったという。特に、タイトルの「宙」を「そら」と読ませる響きが気に入ったようだ。 ステージでは、幅広い世代に愛される「見上げてごらん夜の星を」や、合唱コンクールでもおなじみの「COSMOS」など、市民から募集した宇宙や星にまつわる曲が合唱によって歌われながら、物語が展開していく。実は篠原は、小学校時代、合唱コンクールに指揮者として参加した経験があるという。「みんなで心を一つにして一緒に歌う時間は、今でも忘れられないスペシャルな思い出です」と、合唱に対する熱い思いも語ってくれた。また、エリック・サティの「ジムノペディ」が好きだというのでその理由をたずねると、「星の瞬きのような旋律で、心が落ち着くから」という答えが。さすが“宙ガール”、生活の様々なシーンで星を満喫しているようだ。 朗読というのは、簡単なようでいてとても奥の深い世界。ただ書かれた言葉を「読む」だけでは、作者が作品に込めた思いはおろか、物語の内容すらも伝わらないことがある。聴き手に「言葉を伝える」ために、篠原ともえが普段から心がけていることをたずねてみると、ひとこと、次のような答えが返ってきた。 「想いを手渡しするように、心を込めて丁寧に届けたいです」 9歳の少女を主人公とした、心震える命の物語。言葉と、歌とが重なるハーモニーがどんな世界を描き出すのか。楽しみに待ちたいと思う。菊地裕介(ピアノ) ドビュッシー没後100年記念 ピアノ曲全曲リサイタル前代未聞、ドビュッシーのピアノ作品を一日で全曲演奏!文:長井進之介 フランスとドイツで学び、精緻な技術と豊かな音楽性が可能とする多彩なレパートリーによる公演、意欲的な内容の録音で注目を集めてきたピアニストの菊地裕介。これまでに「ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全32曲連続演奏会」(2011年)、「ラヴェル:ピアノ・ソロ曲全曲演奏会」(15年)と、“全曲”にこだわった公演を行ってきた。 そんな彼が今回取り組むのは今年没後100年を迎えたドビュッシーのピアノ曲全曲。一部の曲は人気があり、演奏頻度も高いが、なかなか全貌が明らかにならない作曲家である。全曲を通11/4(日)14:00 東京文化会館(小)(20:00終演予定)問 mail@ykpianoforte.com(株式会社 演)11/10(土)14:00 ヤマハ名古屋ホール(同)問 ヤマハミュージックリテイリング 名古屋店 鍵盤楽器売場052-201-5194http://ykpianoforte.com/して聴くことでドビュッシーの書法の変遷、ピアニズムといったものが存分に楽しめるはずだ。一見無謀にも思える企画だが、菊地の圧倒的な技術、作曲にも造詣の深い彼ならではの作品に対する洞察力をもってすればそんな心配も無用である。清濁併せ呑み、絶えず進化し続けたドビュッシーの作品の新たな魅力を発見できる一日となりそうだ。

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