eぶらあぼ 2018.11月号
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196“人の声”と歌の持つ底力が、体感できるはずだ。日本を代表するプロの声楽集団として、60年以上にわたり、日本の音楽シーンをリードし続けて来た東京混声合唱団。今回は、正指揮者の大谷研二のタクト、寺嶋陸也のピアノで、ブラームス「愛の歌」からの8曲、林光編曲による「日本抒情歌曲集」から〈この道〉など5曲、武満徹「うた」から3曲に、S.リーク、M.シェーファーと古今東西の多彩な名曲をたっぷり披露する。「一度は伝統が途切れた楽器だからこそ、より自由になれる」と、スペインの古楽シーンの第一線に立つ、ファミ・アルカイは言う。時空を軽々と超えるタイムマシンのようにヴィオラ・ダ・ガンバを操り、バロックからジミ・ヘンドリックスまで、しなやかで魅力的に弾きこなす鬼才。今回は主宰するアンサンブル「アカデミア・デル・ピアチェーレ」を伴い、ルネサンスからバロックに至る名旋律をベースに、自在な即興を交えて。今年で結成から四半世紀、日本では珍しい常設の弦楽四重奏団として、年間約70公演を行っている「クァルテット・エクセルシオ」が京都と東京で開催している秋の定期。軸に据えているベートーヴェンは、中期の傑作「ラズモフスキー第3番」こと第9番、今季のテーマであるドヴォルザークは、彼がアメリカから帰国した直後に手掛けた第13番を披露。ここへハイドンの第31番を併せて、熟達の響きを紡ぐ。月の11GREEN HALL CLASSICS東京混声合唱団 ~世界の名曲をうたう~山本真希(オルガン)グレンツィングオルガンの魅力 No.25 バッハ〈後編〉クァルテット・エクセルシオ[秋定期]九州交響楽団 第371回定期バッティストーニのコンサートオペラ Vol.2古楽最前線! 躍動するバロック ファミ・アルカイ&アカデミア・デル・ピアチェーレ柏原佳奈(ピアノ)11/3(土・祝)14:00 相模女子大学グリーンホール11/10(土)17:00 りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館11/8(木) 14:00 京都府立府民ホール アルティ11/11(日)14:00 東京文化会館(小)11/3(土・祝)15:00 福岡シンフォニーホール11/11(日)14:00 大阪/いずみホール11/9(金)19:00 王子ホール文:笹田和人大谷研二寺嶋陸也 ©渡辺 力ファミ・アルカイ ©Javier Diaz de Lunaりゅーとぴあ専属オルガニスト、山本真希の秀演で、ホールが誇る国内最大級のスペイン・グレンツィング社製オルガンの音色を堪能するシリーズ。「バッハ〈後編〉」では、30代から晩年までのケーテン・ライプツィヒ時代に焦点を当てる。「幻想曲とフーガ ト短調 BWV542」ほか珠玉のソロ作品に、カウンターテナーの藤木大地を迎えての「カンタータ第170番」より第1曲のアリアや、新潟市ジュニア合唱団とのライプツィヒ・コラール集を交えて。山本真希藤木大地創立65周年の節目を迎えた、九州交響楽団。国際的に注目を浴びるイタリアの俊英指揮者、アンドレア・バッティストーニを迎えての演奏会形式のオペラ第2弾は、マスカーニの名品《カヴァレリア・ルスティカーナ》を。若者トゥリッドゥに福井敬、彼を慕うサントゥッツァに中島郁子、トゥリッドゥの恋人ローラに富岡明子、彼女を奪う馬車屋アルフィオに成田博之という豪華キャスト。ロッシーニの序曲3曲も併せて。アンドレア・バッティストーニ柏原佳奈は桐朋学園大学・同研究科からハンガリー国立リスト音楽院に学んだ、実力派ピアニスト。登竜門での実績、第一線楽団との共演を国内外で重ねてきた。今回のリサイタルは、ハイドンの第60番とプロコフィエフの第7番、2つの名ソナタを大枠に。リスト「エステ荘の噴水」と、「詩的で宗教的な調べ」から第7曲「葬送」、さらにラフマニノフの前奏曲集から「鐘」(op.3-2)ほか3曲を披露。多彩な音楽性を投影する。©Naoya Yamaguchi(Studio☆Di:VA)

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