eぶらあぼ 2018.11月号
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161コンサートギャラリーチケット発売情報News & TopicsNew Release Selection新譜情報TV&FMBooks海外公演情報今月の注目公演公演情報ぶらPAL■東京混声合唱団記者会見 日本を代表する老舗プロ合唱団・東京混声合唱団(東混)が、9月10日、都内で来季からの新体制の発表記者会見を開いた。 会見は音楽監督兼理事長の山田和樹が進行役を兼ねる形で、まず新常任指揮者就任の話題から。2013年に松原千振(現・正指揮者)が退任して以来空席だったポストに、19年4月から若手指揮者キハラ良尚(よしなお)が就任する。1987年生まれの31歳。任期は3シーズン。常任指揮者としての初指揮は来年40回目を迎える恒例の「東混 八月のまつり」となる。 キハラは東京藝術大学附属高校ピアノ科卒業後にウィーンとグラーツ、さらにベルリンで学び、歌劇場のコレペティトゥーアなどヨーロッパでキャリアをスタートして今年帰国した。プロ指揮者としての本格的な日本デビューは2016年のウィーン楽友協会合唱団の来日公演。東混ではすでに昨年4月の定期演奏会などを指揮しており、合唱団からの信頼も厚い。会見では「東混の発展に少しでも力になりたい」と簡潔に決意を語った。日本を不在にすることも多い山田は、「常に合唱団と一緒にいる、本当の意味での『常任』を探していた。感覚的な自分と違い、キハラさんはイメージを言語化するのが上手な人」と期待を寄せた。 続いて作曲家・信長貴富のレジデントアーティスト就任が発表された。現在藤倉大が務めているポストだが、「レジデントアーティストであって、レジデントコンポーザーではない」と山田。作曲家が続いたのはたまたまで、新曲の委嘱だけではなく、さまざまな形で力を貸してほしいと語った。アマチュア合唱界で絶大な人気を誇る信長は、「アマチュアの合唱の人たちにも親しみを持ってもらえるような何かができれば。プロとアマは地つづき。互いに意識しつつ活動できればいい」と抱負を述べた。信長の任期も19年4月からの3シーズン。 来季の定期演奏会には、尾高忠明、沼尻竜典、そして山田和樹という著名オーケストラ指揮者たちが登場する。 山田は東混の現状を「変革期」と呼ぶ。どうやらそれは、音楽的にも、経営的にも、ということのようだが、アマチュアとの接点を模索する姿勢もその「変革」の一環だろう。「合唱界全体のオピニオン・リーダーでありたい」。山田の掲げる理想が、若いキハラとのタッグでどのように実現されてゆくのか。東混の新たな地平が拓かれる過程を、期待とともに見つめたい。取材・文:宮本 明東京混声合唱団http://toukon1956.com/■読売日本交響楽団が2019/20シーズン プログラムを発表 読売日本交響楽団が2019年度(2019年4月〜20年3月)シーズンの日程とプログラム、出演者を発表した。新シーズンは、現在フランクフルト歌劇場音楽監督を務め、欧米を中心にオペラとコンサートの両輪で活躍するドイツの名匠、セバスティアン・ヴァイグレが第10代常任指揮者に就任。ブルックナー:交響曲第9番、べートーヴェン:同第3番「英雄」、ブラームス:同第4番、マーラー:同第5番とベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番(ソロ:ルドルフ・ブッフビンダー)をはじめ、メンデルスゾーン:交響曲「イタリア」、ブラームス:同第1番、R.シュトラウス:交響詩「英雄の生涯」など、王道をゆくドイツのシンフォニックなレパートリーを披露し、読響の新しい方向性をアピールする。 また、新世代の2人の首席客演指揮者、山田和樹とコルネリウス・マイスターの活躍にも注目。山田はカリンニコフ:交響曲第1番と伊福部昭「SF交響ファンタジー第1番」と、ドヴォルザーク:交響曲第7番にシューマンのピアノ協奏曲(ソロ:イーヴォ・ポゴレリッチ)など多彩な選曲で臨む。一方のマイスターは、ムソルグスキー:交響詩「展覧会の絵」とカサド:チェロ協奏曲(ソロ:上野通明)やブルックナー:交響曲第2番とベルク:ヴァイオリン協奏曲(ソロ:クリスティアン・テツラフ)をとりあげる。 さらに、名誉客演指揮者の尾高忠明のチャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」、特別客演指揮者の小林研一郎の振るドヴォルザーク:同第9番「新世界より」、客演の鈴木優人のストラヴィンスキー「ペトルーシュカ」、ヘンリク・ナナシのバルトーク:管弦楽のための協奏曲も話題を呼びそうだ。ソリストでは前述のアーティストに加え、ネマニャ・ラドゥロヴィチ(ヴァイオリン)、ジャン=ギアン・ケラス(チェロ)らも来日、豪華なラインナップに華を添える。読売日本交響楽団http://yomikyo.or.jp/左より:キハラ良尚、信長貴富、山田和樹 写真提供:東京混声合唱団
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